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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

NT Live Frankenstein その3

2014-04-18 22:04:24 | フランケンシュタイン
ナショナル シアター ライブ「フランケンシュタイン」


引き続き、ヴィクターとクリーチャーの会話です。
長いなあと思いつつ、でも彼らはそれを台本も見ずに舞台の上で演技するのですから、
舞台役者って本当にすごいなーとひたすら感心してしまいます。

このあたりの場面は公式トレーラーや画像などがかなり出回っているので、
粗いですがやや多めに貼れました。
普段、画像を貼りまくってるだけに今回の記事はすごく殺風景だなっと思ってしまいます。




クリーチャーも生きてるんだ、人間なんだという彼に対しヴィクターが言います。
「汚れたクズじゃないか。私はお前の主人なんだから敬意を払うんだ。」
「俺は奴隷じゃない、俺には自由がある。マスターには義務がある。俺を置き去りにした。
もし俺の希望を拒否するなら俺はあなたの敵になる。あなたを破滅させる。あなたの心が壊れるまで手を休めない。」
そう言うと激情にかられるようにクリーチャーは博士に近づくと首をしめようとします。

左JLM博士Ver 右ベネ博士Ver

しかしクリーチャーは動きをとめ博士から遠ざかるとすぐに謝罪をします。
「謝る。俺はちゃんとあなたと話をするつもりだ。過度なお願いはしていないだろう?
俺はすごく醜いからあなたが女性を作ってくれ。もし承諾してくれたら俺は永遠に姿を消す。
南米に行ってそこで俺たちの小さなパラダイスを作る。2度と人間の目には触れない。」と言います。
「驚いたな。短期間ですごく学んでる。」とヴィクターに「誇らしいか?」とクリーチャー。
「誇らしい?違う。」
「なぜだ?」
「お前の理論には不備があるからだ。お前は外国に行き姿を消すと言う。
なのに社会的に受け入れられたいと切望している。国外追放に飽きたら戻らないとも限らない。
そしてもう一度人々の中で暮らしてまた彼らに憎悪されたら?
お前らふたりで暴れたら破壊力も2倍だ。なぜ私がそれを手助けしなければならないんだ。」
「なぜなら俺は孤独だからだ!全ての生き物には伴侶がいてすべての空には鳥がいる。
あなたでさえも結婚するのに。なぜ俺には与えられないんだ。
さっきは俺の知性に驚いたのに今、あなたの心は頑なだ。ひどく腹立たしいだろうけど、俺は愛したいだけなんだ。」
「愛だと?」
「そうだ。」
「お前に愛があたえられると?」
「そうだ。」
「お前が?」
「Good man はそれにふさわしい。」
「お前がGood man?」
「そうなりたい。」
「私は予測できなかった。」
「俺に感情があるかもしれないと?」
「お前は難問だった。定理だ。認めよう。解決すべき難問だ。だがもしお前に感情があって、立ち去るなら。」
「フランケンシュタイン、もし俺に仲間を与えてくれるなら、俺はヨーロッパから永遠に姿を消すよ。
もう殺すこともしないし、俺は立ち去る。」

左ベネクリーチャー 右JLMクリーチャー

ここでヴィクターは考えます。
そして、
「穏やかに暮らすと誓うか?」とヴィクターに、
「Yes!俺を信じてくれ。」と即答のクリーチャー。
「永遠にここを去り2度と戻らないと誓え。絶対にだ。」
「青空に、白い雪に、俺の心で燃え上がる愛の炎に俺は誓う。もし俺の願いを聞き入れてくれるなら、
あなたは俺の姿を見ることはないだろう、この世界が回転している限り。」
「世界が回転してるって知ってるのか?」
「もちろん。」

「これはかなり困難な作業だ。」
「唯一あなただけができる事だ。あなただけが持っている技術だ。」
「世界中で私だけだしその秘密は誰とも共有しない。見ろ。(山を指して)彼らを見たか?
平凡な人生を生きる平凡な人間たちだ。」
「小さな家!小さな男たち!」(と、興奮するクリーチャー)
「私は違う。」
「あなたはキングだ。科学の王だ。俺に女性を作ってくれ。花嫁を。」
「美しい花嫁にしよう。きれいな瞳と輝くような髪にしなくては。醜くてはだめだ。美しくなくては。」
「Oh Yes!」
「間違いは繰り返さない。前に進むだけだ。」
「もう一度魔法を、マスター。お願いです。」
「女性か・・・私は今まで考えたことがなかったが、違いは何だ?気性か?ユーモア?スキル?」
「知らない。」
「女性は何が得意なんだろう。」
「知らないよ!」

上段、JLM博士 下段、ベネ博士。そういえばベネ博士はしょっちゅうこうやって汗を拭っていました。

ヴィクターは更に独り言のように話し続けます。
「My God.何という挑戦だろう。もし私が汚れのない美しい作品を作ることができたら?
悪魔ではなく、女神だ。」
「女神か。」
「そうだ!もし彼女が見分けのつかないくらい完璧だったら・・・
私は地獄に堕ちるかもしれないがそれでも試みよう。」
「俺の頼みをきいてくれるのか?」
「お前の要求に応えよう。その後で約束通りお前が我々のもとから立ち去るならな。」
「もちろん、あなたが約束を守ったら立ち去るよ。」
そしてヴィクターはクリーチャーに手を差し出します。
「それは何だ?」とクリーチャーに「握手だ。」とヴィクター。
「握手?」
「契約成立のしるしだ。私の手をとりなさい。」

上段、ベネ博士。下段、JLM博士。

クリーチャーはためらいがちにヴィクターの手を取るとヴィクターの身体ごと引き寄せてから握手をします。

「ありがとう!これで夢がかなうよ!家に帰ってすぐに始めてくれ。」
「家で?家でなんかできない。」
「なぜだ?家に何かあるのか?」
「私の父の家でか?だめだ!」
「なら、できるところに行ってくれ。だが俺は見てるからな。」
クリーチャーはそう言うと消えていきます。

場面はフランケンシュタイン家に変わります。

メイドのクラリスがお父さんに届いた弔辞の手紙を渡します。
その時、ヴィクターが部屋にやってきてクラリスを部屋から出します。
「お父さん、これから長い旅に出ます。今日出発します。」
「今日?だがウィリアムはどうするんだ。」
「ウィリアムは来れないですから。イギリスに行かなければ行けなんです。それじゃ。」
突然そんな事を言われて驚くお父さん。研究のために行くと言われても納得しません。
「僕はわかってもらおうと思いません。だけど・・・」ヴィクターの言葉を遮るように、
「理解することはできんし重要な研究も信じられん。」と嘆きます。

結婚式はどうするんだというお父さんに、
「延期します、6年待たせたんです、それが少し延びたからと言って問題はないでしょう」とヴィクター。
「嘆かわしい事だ、お前の母さんが死んだとき・・」
「お母さんを巻き込まないでください!」
ヴィクターの言葉にかまわず話を続けるお父さん。
「エリザベスとの幸せな結婚が妻の最後の望みだったのに。
お前は子供の時は屈託がなく陽だまりのようで私たちは楽しい日々を過ごした。
お前は立派にあると信じていたしそれが私の誇りだった。
気がつけば、お前は不機嫌で憂鬱で私の権力を軽蔑し我々が生きるための法を尊重しない。
お前は私を失望させる。お前が行くと言うのなら私には止められない。
だが、エリザベスにはお前から言いなさい。」そしてエリザベスを呼びにやり、
「私の記憶にある子供はどこに行ってしまったんだ。目を輝かせながらよく笑っていた。
彼はどこにいるんだ、ヴィクター。」
そう言ってお父さんは部屋から出ていきます。

続きます。

NT Live Frankenstein その2

2014-04-16 00:22:30 | フランケンシュタイン
ナショナル シアター ライブ「フランケンシュタイン」


前半はひとり取り残されたクリーチャーが自然や人間と関わりながら学んでいきます。
とりわけ、デ・レイシーと出会い書物を通じて得た様々な知識はクリーチャーにとって重要な部分でした。
そして、愛や憎しみ、怒りも学ぶことになりました。

舞台はジュネーブに移ります。
自分を作ったフランケンシュタインを探す「父をたずねて三千里」なわけですが、
感想は書けるもののあらすじを書くには私の記憶力がショボすぎました。
それでもその1は何とかまとめましたがクリーチャーとフランケンシュタインの会話は、
重要な部分もあってあまり曖昧にはしたくないと思っていたら結局部分的ですがスクリプトを翻訳する羽目に(笑)
そんなわけでもうお気づきかと思いますが、前回「2つに分けた」と書きましたが2つでは終わらないです。
まとめるの下手で本当にすみません(涙)



湖のほとりでヴィクターの婚約者、エリザベスとメイドのクラリス、ビクターの弟ウィリアムや子供たちが
かくれんぼ(だと思います)して遊んでいます。
目隠しをしたウィリアムが数を数え終え、目隠しを取った瞬間、背後からクリーチャーが話しかけます。
ウィリアムは驚いて振り向こうとしますが「振り向かないで」と言われ素直に従います。
「ここはどこ?」クリーチャーの質問に「ジュネーブだよ」と答えるウィリアム。
「長い道のりで夜通し歩いてきたんだ。小川で魚釣ったりして。魚釣りする?」とクリーチャーに、
「するよ。」とウィリアム。
「僕が誰だか当ててごらんよ。」
「僕の家族の友達?」
「そうなんだ。」
「じゃあ、あなたも裁判官?それとも大臣?」
「裁判官だよ。」
そんな会話をしながらクリーチャーは、友達になろうよ、遊びに行こうよとウィリアムを誘ったりします。
そして「フランケンシュタインを知ってる?」と聞くとウィリアムは「それ僕の名前だよ」と答えます。
ウィリアムはヴィクター・フランケンシュタインの弟でした。
クリーチャーは「会わせてほしい」とウィリアムに言いますが、
「お兄さんはずっと部屋にこもっているから会えないよ。」と言われます。
ここでクリーチャーはヴィクターが天才の学者で、エリザベスという婚約者がいる事も知ります。
そして最終的にはウィリアムを連れ去ってしまいます。

夜になり必死に捜索する父親やエリザベス。
そしてここでヴィクター・フランケンシュタインも登場します。
一緒に探そうとするヴィクターにお前は家に帰りなさいと言われますが、
「ウィリアムは私の弟ですから一緒に探します。」とヴィクター。
父と息子はあまりうまくいっていない様子です。

その時、ウィリアムの帽子が見つかります。そして「怪物」を目撃したとの情報が入ります。
「怪物とはどういう事なんだ」と考え込むヴィクターにエリザベスが話しかけます。
「あなたはいつも部屋にいて全然会えないのね。」
「なぜ会う必要があるんだ」
「だって私たち結婚するのよ。」
「ああ、そうか。」
研究しか興味のない感じのヴィクターでした。

その時、ウィリアムを乗せたボートが岸にたどり着きますがウィリアムは既に死んでいました。
そしてウィリアムの手には破られたヴィクターの日記が数枚握られているのをヴィクターが発見します。
父親は嘆き悲しみ「息子のために鐘をならしてくれ。」と言いウィリアムを連れて帰宅します。

場面はモンブラン山に移ります。
ヴィクターが叫びます。「お前はここにいるのか?姿を見せろ!」
その声に応えるかのようにクリーチャーが飛び降りてきます。
その姿に驚くヴィクター。
「素晴らしい、完璧な筋肉、その手や瞳。信じられない、バランスも完璧だ。」
「あなたは俺を見捨てた。」クリーチャーが言うと「喋った!」と更に驚くヴィクター。
「そうだよ、フランケンシュタイン。」
「私の名前を知っているのか?」
ヴィクターが言うとクリーチャーは日記を見せます。
「私の日記だ!」
「なんで俺を見捨てたんだ。」
「自分のしたことが恐ろしかったんだ。」
「あなたはひとりの男を作って彼に生を与えたんだ。」
「そうだ。そしてまた取り戻しにきたんだよ。お前を殺しにきたんだ。」
「俺を殺すのか?ならなぜ俺を作ったんだ。」
「私の実験を証明したかったんだ。お前は私の世紀の実験だった。だがこの実験は間違っていた。
だから消滅させなければいけない。」
そう言いながらクリーチャーの隙をついてナイフを持って飛びかかりますが、
難なくかわされ、逆に羽交い絞めにされてしまいます。

「動かないでくれ。天才のあなたに頼みがあるんだ。聞いてくれ、それがあなたの義務だ。」
「人殺しに対する義務などない。」
「俺が人殺しだとしてもそれを作ったのはあなただ。」
「お前は私の弟を殺した。私じゃない、お前がやったんだ。私はお前が生まれたその日を呪う。
それ以来私は暗闇の中で暮らしてきたんだ。」
ヴィクターの言葉にクリーチャ-は失楽園の一節を唱えます。
「Is this the Region, this the Soil, the Clime, Said then the lost Arch-Angel,
this the seat That we must change for Heav'n, this mournful gloom For that celestial light?」
「失楽園を読んだのか?」
「これは好きだ。」
「なぜ?自分がアダムだと?」
「神はアダムを誇っていたがおれは悪魔に共感した。俺は悪魔と同じように追放されたからだ。」
「すごいな。お前は知識があるのか。記憶力も。」
「そうだ。ねずみのように追われ人間から逃げるために森に避難したことも覚えている。
俺は良い人間になりたかった。」
「なぜウィリアムを殺したんだ。」
「あなたに会いたかったからだ。そしてあなたは来た。」
それからクリーチャーは盲目のデ・レイシーと会い1年間一緒にいた事、
そして彼の息子や美しい妻と会わせようとした事を話します。
「何があったんだ?」とヴィクター。
「何があったかわかるだろう?」
「Oh, God!」
「みんな燃えてしまった。」
「良心の呵責はないのか?」
「良心の呵責?村を歩けば子供たちが石を投げてくる。食べるものが欲しいと言えば彼らは犬をくれようとする。
良心の呵責があると思うか?」
「すまない、私は・・・」
「すまない?これはあなたが引き起こしたんだ。これはあなたの世界だ!」
クリーチャーにそう言われ黙ってしまうヴィクター。
そしてクリーチャーはパートナーが欲しいと言います。
人間は自分と一緒にいてくれないから、ヴィクタ-に女性を作ってほしいとお願いします。
「怪物をもうひとり作るなんてできない」ヴィクターは拒みますが、
「俺には権利がある」とクリーチャー。
「お前に権利はない。お前は奴隷なんだ。それにお前とその女性が一緒になったら危険だろう。
そんな生き地獄のような事は承諾できない。」
「あなたを苦しる事はしない。ちゃんと説得する。話し合いをしよう。」
「人殺しと話し合いなどしない」
「あなただって俺を殺そうとした。なぜあなたのは正しくて俺のはだめなんだ?」
「私はお前とは議論しない。」冷たく言い放つヴィクターにクリーチャーは言います。
「クリーチャーだって生きているんだ。」


このあたりでひとまずUPします。
いつもの事ですが、本当にいつもの事ですが・・・気が付けば会話形式に(泣)

NT Live Frankenstein その1

2014-04-13 23:20:42 | フランケンシュタイン
ナショナル シアター ライブ「フランケンシュタイン」

スクリーニングの上映に行ってきました。
結局、ベネ博士とベネクリーチャー各2回、計4回行きました。
そのうち2回は追加上映分で、新しくできたTOHO日本橋だったのですが、
スクリーンが大きくてすごく迫力ありました。新しいだけありますね。
前回は六本木ヒルズだったのですが、ぶっちゃけ六本木って映画観る街じゃないですよね(笑)

と、いうわけであらすじと感想です。
何だかんだと長くなってしまったので2つに分けています。

NTさんは絶対にDVDにはしないと断言しているのでつい4回も観るはめになり、
ブログに書こうと思っていたので2回めは必死に映像を記憶したのですが・・・
私にもマインドパレスの機能が備わっていれば良かったのに(涙)
なのでとにかく私の記憶を頼りに書いています。しかも画像もほぼ公式サイトで出しているものしかありません。
わかりづらい部分も多々ありますがご容赦を。。。

本編が始まる前にNTの紹介やリハーサル風景と監督のダニー・ボイルさんと執筆したニック・ディアさんの解説、
そしてJLMとベネディクトのインタビューがありました。

余談ですが、英国って「Theatre」って書くんですね。
他にも英米でスペルが違うのって結構あるので、アメリカ英語で育っているとこのあたりも難しいなと思うところです。

Victor Frankenstein/Creature:Jonny Lee Miller and Benedict Cumberbatch

舞台ではヴィクター・フランケンシュタインとクリーチャーをJLMさんとベネディクトが交互に演じています。
なので上映もベネ博士Ver とベネクリーチャーVer を1週間ずつ行われていました。
この時は別々の友人と観に行ったのですが、ダブルキャストだと知ると別バージョンも観たくなるのが人情でして、
両友人とも「観たい」と言っていたところに追加上映の情報が入ったので、
友人たちもめでたく両バージョン観る事ができました。

それにしても博士やクリーチャーがJLMとベネディクトではまったく違うんです。
違うどころか同じストーリーのはずなのに結末まで違うような印象で興味深いですね。

フランケンシュタインはメアリー・シェリーさんが19歳の時に執筆した小説です。19歳だなんてすごいです。
原作では、北極海にいたところを北極探検隊に救助されたヴィクター・フランケンシュタインが、
隊長のロバートに生命の神秘の謎を究明すべくドイツで死体を繋ぎ合わせクリーチャーを作った事を話します。

そして舞台ではクリーチャーの誕生から始まります。

円形状の中から転がるように飛び出してきてクリーチャーの誕生となります。
この冒頭部分はセリフらしいものは無く、生まれたばかりのクリーチャーが
赤ちゃんのように思うように動かせない手足を必死に動かしながら次第に立ち上がるという場面です。

主役おふたりとも本当によく研究しているなーと感心するほど動きがリアルです。
人間の腕や指って曲げるよりも伸ばす時は相当に筋力が必要なんです。
リハビリ施設でリハビリをする方たちを見ながら研究したと話していたので
クリーチャーの動きも、手首や指が中盤すぎまで曲がったままだったのを見るとなるほどなーと思います。

必死に動かした後疲れ果てて眠るようにうずくまっているところに、
ヴィクター・フランケンシュタイン博士が入ってきます。
「また失敗か」とでも言うように運び出そうとした瞬間動き出すクリーチャーに驚き、
自身のコートを被せると足早に逃げていきます。
そうしてヴィクターはそのまま生家のあるスイスまで逃亡しました。

ひとり残されたクリーチャーは外に出ます。
その醜さに人々から石を投げられ乱暴されながらも、人間や自然から様々な事を学んでいきます。

場面はある1軒の家に変わります。
その家にはデ・レイシーという盲目の老人と息子フェリックス、その妻アガサが住んでいました。
戦争で仕事をなくし息子夫婦は生きるために畑を耕すべく毎日奮闘していました。

ある日クリーチャーがその家に侵入しますが、夫婦は畑に行っていたためデ・レイシーしかいませんでした。
盲目のデ・レイシーは臆する事無くクリーチャーと交流を持ちはじめます。
そして大学教授だったので書物を読ませては言葉を教えます。
クリーチャーもまた影ながら畑を耕す息子夫婦に薪をわったりウサギを差し入れしたりします。

「原罪」を読み聞かせる場面の会話の中でクリーチャーは自分がみんなから嫌われると言います。
誰から嫌われるんだ?と聞かれ「男、女、子供、犬」と答え、醜いから嫌われると。
「アガサも嫌うんだ。あの美人の奥さん。」とクリーチャーが言うので、
「息子夫婦や優しいから嫌わないよ。ちゃんと紹介しよう。」とデ・レイシーが言いますが、
「嫌うから会わない」と頑なに拒みます。

ある時、「都市にはたくさんの人が住んでいるのになぜあんたはこんな所に住んでいるのか」と
クリーチャーに聞かれ「貧乏だから」と答えるデ・レイシー。
「僕も貧乏?」
「そうだよ。でも君はとても良い男だ。だからきっと誰かが君を愛するよ。」
デ・レイシーの言葉に「愛って何だ?」と聞くクリーチャー。

デ・レイシーとクリーチャーの交流はとてもステキで、ずっとこれが続いていたらもしかしたら
クリーチャーは良い青年になっていたかもしれないですね。そんな風に感じる場面でした。

またある日クリーチャーはコートのポケットに入っていた日記を読みます。
それはヴィクターの日記でした。そこでクリーチャーはヴィクターがジュネーブにいることを知ります。

1年が過ぎた頃、ちょうど息子夫婦が帰ってきたのでデ・レイシーはクリーチャーに会わせようとします。
嫌われるから嫌だと拒否しますが、そんな事は無いから、自分を信じてくれと言います。
息子夫婦に紹介するとクリーチャーは礼儀正しく挨拶をしますが、
怯えた夫婦はクリーチャーを暴行し追い出してしまいます。
そして裏切られたと感じたクリーチャー。
「ローマの英雄だったらどうする?復讐するんだ。」
クリーチャーはデ・レーシーと息子夫婦の住む家に火を放ち焼き殺してしまいます。

そうして舞台はスイスに移ります。

続きます。

閑話 F1第2戦マレーシアGP

2014-04-12 01:25:22 | BC_2013・2014
遅ればせながらMalaysia Grand Prix 2014 のお話です。


まさかこのブログでF1のお話をするとは思いませんでした。感慨深いわ。
そんなわけで、3月30日に何とベネさんがポディウムインタビューをした2014年F1第2戦マレーシアGPの決勝についてです。
本当はフリー走行や予選からやりたかったのですが動画が入手できなかったので決勝だけで。
ベネさんではないけど、なるべく話が長くならないようにしますのでしばしお付き合い下さい。


今まで、表彰式のあとのインタビューは記者会見場だったんですが、
一昨年あたりに往年のF1ドライバー、ジャッキーさんがポディウムでインタビューをしたのがきっかけで、
現在もゲストがインタビューをする形になっています。

と、いってもほとんど元F1ドライバーがインタビューをしているので俳優さんがインタビューしたのってあったかなー、
というくらいほとんど無いです。無いんですよ!だから今回のベネさんの抜擢は本当にびっくりしました。
いやー長生きはするもんですね(笑)
F1のCEO、バーニー・エクレストンというおじちゃんが要請したという説もありましたが。
バーニーさん英国人だしね。

別にUPの画像を貼る必要もないですが(笑)

ここ数年、F1人気も急降下気味なのでちょっと狙ったんじゃないの?とも思っていますが、こんな狙いだったらいつでもOKです。
しかもF1は日本でも放送されているので第2戦は何気に視聴率が上がったのではないかとちょっと期待しています。
そうすればフジも少しはやる気をだしてくれると思うの。
だから7月のイギリスGPもものすごく期待してますよ、バーニーさん。

ベネディクトもF1好きだとおっしゃっておりましたが、欧州、特に英国はF1好きな有名人もたくさんいますね。
時々パドックで観戦しているところが映ったりしています。F1の始まりは英国だし。

もっともっとF1の話をしていたいのですがそろそろ怒られそうなので本題に入ります。
今回はBBCで放送したF1を観たのですがスタート前にグリッド上に並ぶマシンを見ているベネさんが
度々映り、「Sherlockのベネディクト・カンバーバッチがいますね」と紹介もされていました。

しかしやはり世界のBBCのF1放送はすごいですね。それに比べてフジは本当に最近やる気ないでしょ?

さて、F1のスタート順位は予選(qualifying)の結果で決められます。
予選は3回にわけて行われ、最初のQ1は上位15台がQ2に進み、Q2では上位10台がQ3に進みます。
そしてQ3で10台が走り走行タイム順にスタート順位が決められます。

今回の1番グリッド、ポールポジションはルイス・ハミルトン。メルセデスAMG。
2008年に最年少ワールドチャンピオンになった英国人です。
2番グリッドにはセバスチャン・ベッテル。
スポーツアワードでベネさんがインタビューしたのがこのベッテルくんです。
インフィニティ・レッドブル・レーシング。ちなみにインフィニティとは日産です。
2010年に最年少記録を塗り替えてワールドチャンピオンになって以来4連覇中のすごい奴です。ドイツ人。
ここまでがフロント ローと呼ばれる位置でベネさんもこのあたりにいました。
で、3番グリッドにニコ・ロズベルグ。ハミルトンと同じメルセデスAMG。
パパは元ワールドチャンピオンのケケ・ロズベルグ。生まれも育ちもモナコですが、国籍はドイツです。

マレーシア国歌と黙とうが捧げられいよいよスタート。レースの模様は省きます。
結果は1位ハミルトン。2位はスタートでベッテルを抜き去ったニコちゃんで3位が抜かれたベッテルくん。
今年のメルセデスはパワーが桁違いで、開幕時点であのフェラーリと20馬力の差があったようです。
と、いうわけでさっさと表彰にいきます。

表彰式に流れる国歌はドライバーの国とチームの国の両方が流れます。
なので今回はイギリス国歌とドイツ国歌が流れていました。
そして表彰のあとはシャンパンファイト。この3人はまだお若いこともあってきゃっきゃしてました。かわいー。

で、いよいよベネディクト登場です。

ベネさんは普段からきちんと相手の目を見て話す事で有名(?)ですが、
今回はいつにも増して相手の目を見るというよりも、もうガン見状態でした。

かつてこれほどドライバーと真摯に向き合うインタビューがあっただろうか。私は「無い」と断言します。
F1知ってるの?大丈夫?と心配の声も聞かれましたが、解説者でもなければ元レーサーでもないので
専門知識が無いのは仕方ないし、でもきちんとレースを観てたんだなーと思えるインタビューでした。

一生懸命な姿勢です。

以下、インタビューの大まかな内容の拙訳です。
まずは優勝のハミルトンから。ハミルトン=LH ベネさん=BC

BC「ポールポジション、ベストラップタイム、そして優勝のハットトリックですね。
これを達成するのは難しいと思います。素晴らしいですね。」
LH「長い冬でしたが、週末に来てくれた沢山の観衆とこの優勝を与えてくれるために熱心に働いてくれた
スポンサーにとても感謝しています。とりわけ、3週間前に起きた悲劇です。私はご家族の方たちに捧げたいです。」

BC「あなたが濡れているのは汗ではなくシャンパンだけど、コメンティーターがここは信じられないほど
暑いと言っていました。35~50度台半ばです。どんな感じでしたか?」
LH「あなたはここに立つ前から汗をかいていましたよね。
チームはピットストップのタイミングできちんとクーリングをしてくれたので私は正確なデータを得られました。」

BC「だいぶクリアーにラジオ(無線)が聞こえるようになりましたね。それは車が静かになったからですか?」
(今年からエンジンが馬力を抑えた1600CCのターボになったためか、エンジン音が静かになった事を
言ってるんだと思います。このエンジン音、選手たちやファンにはものすごく不評ですけど(苦笑))
LH「はい、静かになったし騒音のほとんどは風なんです。でもそれ以外は本当にスゴイ車です!
みんなが良い仕事をしてくれました。」

BC「Congratulation, Lewis Hamilton!」

続いてニコ・ロズベルグのインタビューです。
BC「ニコ・ロズベルグです。」

BC「出だしは非常にエキサイティングでした。
(3位スタートのニコがいきなり2位のベッテルを抜いたんです)
右からインサイドにプレッシャーをかけましたね。肩越しにセバスチャン(ベッテル)を感じましたか?
とても難しいラインでしたが。」

NR「私のエンジニアにありがとうと言わせてください。私たちは一緒にうまく仕事をすることができましたし、
その結果、2位に入ることが許されました。」

NR「ターン3で私は横道に入ってしまいましたがそれ以外はうまくいったと思います。
ずっとルイスを追っていましたが今日の彼は速すぎました。」

BC「素晴らしい走りでした。Congratulations.」

NR「もうひとつ言わせてください。マレーシア、あなたがたの会社が私たちをここに連れてきてくれたことを
誇りに思ってください。本当に素晴らしいです。
彼らは私たちに最高のオイルと燃料を与えてくれました。」
(メルセデスのメインスポンサー「PETRONAS(ペトロナス)」はマレーシアの石油会社なんです)

そして最後にベッテルのインタビュー。
BC「セバスチャン、Congratulations. 初めてのポディウムですね。
あなたは昨年、雨の中で勝利しましたがとても面白いレースでした。今回はうまくいきませんでしたか?」
SV「昨年はドライも良かったんですよ。(今回は)スタートがあまり良くありませんでした。」

BC「右側にニコが見えたので驚きました。」
SV「良いスタートができたと思っていたんですけどね。ニコが右側に来た時はとても厳しかったです。
ニコを捕らえようとしてたらダニール(クビヤト)も来たので場所を失ってしまいました。
結局、完走を目指すことにしました。」

SV「クビアトはいくつかの理由でレースができませんでした。助かりました。
オーストラリアで(第1戦)リカルドが表彰台で今日は私がここにこれて良かったです。」
(リカルドはベッテルのチームメイトです。)
BC「Congratulation.」

BC「そしてあらためて、今日マレーシアの優勝者ルイス・ハミルトンです。」


ここで終わりですが、本当に本当にきっちりと仕事していたという印象です。

いろんなチームのパドックにいる姿やクルーたちと一緒に映っている画像などが大量に出回っていて、
楽しそうでした。もちろん、メルセデスの公式もベネさんの画像を出していましたよ。


F1好きの私ですが、特にニコはデビュー以来ずっと追いかけてきたので、
今回のベネディクトとのツーショットはありえないくらいびっくりです。日本語変ですね(笑)
ちなみに私のPCの壁紙はずっとこれなんです。

ニコが初優勝したときにベッテルがお祝いの言葉を言っていたかどうかはオフショットなのでわかりませんが(笑)
かわいくてすごく気に入っています。
が、やっぱりこれからはベネディクトとのツーショット画像ですよね!大量にゲットしましたよ(笑)

気がつけば、ものすごく長くなってしまいました。本当にすみません。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
最後に、
これもすごく気に入っている画像です。

笑顔~。

Sherlock Series 3 Special Features その10

2014-04-08 22:38:01 | Sherlock S3SP
「Shooting Sherlock」


Sherlockの再放送が始まっているんですね。
先日、S1のE1が放送されたようですがやっぱりS1はいいですね。
何と言っても推理の部分が圧倒的に多くてしかも素晴らしい!
比べるとS2は派手になった分、やや推理は減っているような。。。でもS3に比べたら!(笑)

ところで、マーティンが来年リチャード3世の舞台が決まりましたが、
その後すぐにベネディクトもリチャード3世やるよって公式に発表されていましたね。
なぜ同じ演目?(笑)
マーティンのはポスターを見る限り斬新な感じだし、ベネディクトはテレビ映画なので、
かなり趣が違うのでしょうか。
それにしても、君たちSherlockの撮影はいつやるの?と不安になりませんか?私は不安です(笑)

続きです。

Dannyさん
DH「ベネディクトに命中した弾丸の部分はとても特殊な効果だった。
通常、命中した部分は血が出てるだけなんだけど、ディレクターのニックは最初にまず命中した部分に穴をあけて
それからすぐに血が染み出るようにしたかったんだ。
おそらく視聴者には”きっと彼は生き残る”とかそういったものを与える一方で、
血が流れ始めて彼が本当に傷つけられたことを知らせたんだ。
もちろん、我々は実際には彼を撃っていないので詰め物をしたパッドを服にあけた穴に入れたんだよ。
それから血のチューブにポンプをつけてほんの少し血を押し出したんだ。」

Matthew Mcdougal(Compositor)
MM「この最初の場面はここで制作したんだ。
彼は既にシャツに穴をあけていて実際にセットのところで何度か血を出してみていた。
制作者は血が出てシャツに吸収し始めるのを見たかったんだ。
シャツから血が出てくると同時にグラフィックでぼかした小さな赤いパッドを結合させたんだよ。」
ネヴィルさん
NK「新しいアイデアを検討する事にしたのはテクノロジーが変化して新しいカメラを取り入れることができるからなんだ。
静止したひとコマを180度連続して撮影するマトリックススタイルだ。
いくつかのショットを撮影するために沢山の金を費やすだろうけどテクノロジーの向上で
我々はほんの少しのコントロールで(視聴者を?)騙すことができるしこのようなチームが一体となって、
通常何万ポンドもかかるような撮影を作り出す新しい方法を思いついたんだ。」

スーさん
SV「ディレクターたちの面白いところは3人の違うディレクターがいていくらか健全な・・・競争ではなく、
彼らはみな誰もやったことのない何かをしたいと思っているの。
シャーロックに今までと異なる新しいショットを加えたいのよ。
小さい木がついている自転車の車輪をぐるぐるまわしているだけで観た事のないエキサイティングで
斬新なものを撮ることができるのはすごいわよね。」

ネヴィルさん
NK「自転車の車輪にカメラをつけるアイデアはYoutubeでみたんだよ。
私はニックのところに行って電動ファンの上にカメラをおいて回転させたんだ。
そしてビデオを見たら素晴らしい映像だったんだよ。
それで、我々はそれをより大きくて良いものにしたんだ。
同じアイデア、同じ原理でより大きなカメラに応用させて装置を作りそれを実行する最良の方法を考えるのに
数週間を費やして、ファンを自転車の車輪に変えてみたんだ。
装置は3バージョン目でようやく使えるようになったよ。」

ベネディクト。
BC「自転車の装置は見事だったよ。
メアリーが僕を撃って僕が倒れると、その後カメラは彼女がマグヌッセンを殴ってるところにいき、
再びカメラがまわってきて彼が倒れる。全てがいいよね。カメラがバレエ的なのがいいんだ。」
ネヴィルさん
NK「我々が最初に自転車の装置を使用した時はかなり重要な時期だったのでたくさんのプランを立てた。
テストも成功したよ。
でもほんの少し不安もあった。
全ての俳優たちを呼んだ日にちゃんと作動するのか?ありがたい事にちゃんと作動したよ。」
ルーちゃん
LB「今日、ベネディクトが倒れるところをやるからとてもワクワクしてたんだけど、
私がそこで演じるのはダメだったからかなり落ち込んだわ(笑)」
ベネディクト。
BC「素晴らしい感覚だよ。
コートがちょっと浮き上がって、考える時間になるんだけど全て彼が倒れる間のひとコマなんだ。
それで地面に落ちた途端、現実に戻る。
ジョンが階段をかけ上がって、メアリーが消え去り、マグヌッセンは床に叩きつけられたけど、
彼が撃たれて救急車で運ばれるのを見ていたんだ。」

Willさん
WC「シャーロックはとても視覚的表現が強いんだ。
テレビにおけるストーリー作りの限界を突き進んでいる。
とても現代的で、洗練されていて、みんなが本気で目標に向かって一緒に働いているんだよ。」
ベネディクト。
BC「脚本の卓越したコンビネーションやニックの素晴らしいアイデアと、
アート部門の驚くべき専門知識がひとつになっているんだ。
そして驚くべき装置を持っている特殊効果の男たち。
素晴らしくて、本当に、本当に、クールだ。」


そして最後にシャーロックが倒れる場面。

「What is that? What's happening?」

「Shooting Sherlock」はこれで終わりで、「The fall」に続きますが、
その前にマレーシアGPとフランケンシュタインのレポートをUPします。