時系列的には、宮殿の前にアルミの松葉杖なので先にこちらを。
珍しく画像がありません。
The Aluminium Crutch
02 September
The Aluminium Crutch
アルミの松葉杖
君たちも新聞で読んだと思う。
ステージ上で起きた役者のマシュー・マイケル殺人事件だ。
僕はデート中だったから居合わせてはいないけど(うまくいったよ。お気遣いありがとう)
シャーロックはそこに居たんだ。
で、僕のボイスメールにメッセージで何が起きたのか知らせてくれた。
彼がどんなメッセージを送ってきたのか聞かれたのでここに転記しておく。
「ジョン、僕はストランドにあるとても小さな劇場でちょうど「闇夜の恐怖 」を見ていたんだ。
芝居自体は二流だったが殺人が起きたんだ!舞台上で!
警察に説明する時間はなかったから、君がディナーだか何だかに・・・サラと一緒だっけ?
とにかくこのメッセージを〇〇〇〇に伝えて欲しい。大丈夫。至極簡単な事だ。
マシュー・マイケル演じるシドニー・パジェット刑事は
応接間に登場人物たちを呼び集め犯人を明らかにしようとしていた。
僕は最初の場面で読めたが、
レディ・マーガレット・チャプレットはウィリアム・ハウエルズ演じる彼女の息子、アルバートに殺された。
アルバート役のウィリアムが激高しマシュー演じるシドニーを持っていたアルミの松葉杖で殴りつける。
マシューが怪我をしないようアルミの松葉杖はゴム製で出来ていたはずだったが、
幕間に誰かが本物のアルミの松葉杖と入れ替えたようだ。
アルバート役のウィリアムはシドニー役のマシューを本物のアルミの松葉杖で頭をたたき彼を殺してしまった。
ゴム製の松葉杖と本物のアルミの松葉杖を入れ替えることができるのは
幕間にウィリアムの楽屋に出入りした人物だ。
ウィリアムは幕間に誰がいたかを明らかにした。
ディレクターのデボラ・チャリス、
シドニー・パジェット役のマシュー・マイケル、
シシィ・ヘイスティングス役のサラ・グルーネウェーゲン、
セドリック・ヘイスティングス役のジョナサン・モリス、
そしてメイドのジェイド役のカレン・ボールドウィンだ。
ウィリアムの演技でわかるが、彼は明らかに酒を飲んでいた。
ある時、永遠に続くんじゃないかと思ったテニスコートの場面で
彼は彼女が演じていた人物をシシーではなくサラと呼んだ。
シドニーを演じていたマシューの腕にはアザがあった。
その前の場面で彼はアルバート・チャプレットに叩かれたんだ。
しかし役者のウィリアムはコートに詰め物が縫い付けられていたことを忘れていた。
全部書き留めてくれてるよね?
犯人はディレクターのデボラ・チャリス、
あるいは彼ら4人、ウィリアムを入れれば5人のうちのひとりという可能性もある。
本物の松葉杖を持ち込み、ウィリアムに気づかれることなく入れ替えた人物がいたはずだが
彼はジンをがぶ飲みしていたからそれに助けられたことは明らかだ。
ディレクターのデボラ・チャリスはタイトジーンズと
あまりにも小さい派手なピンクのトップスを着ていたから
ピーナッツよりも大きなものは何一つ持ち込めないだろう。
誰かにナッツアレルギーを起こさせて殺そうとしたなら面白いけどそれはない。
僕がいくつかやさしく質問をしたら、
彼女は泣きだしてウィリアムに恋をしていたが彼にその気はなかったと認めた。
酔っ払いのおじさんがキャスティングされた理由がやっとわかったよ。
シシィ・ヘイスティングスを演じたサラ・グルーネウェーゲンは
ウィリアムと関係を持っていたのは明らかだ(舞台上ではなく、実生活でね)
彼は彼女との仲を終わらせたのか?
彼女は妊娠をしたが彼はそんな事聞きたくもなかったとか?
もしそうなら、彼女はウィリアムをマシュー殺しで逮捕させることで復讐しようとしたのか?
あり得そうもないが不可能ではない。
セドリックを演じたジョナサンはウィリアムを好きではなく、幕間にケンカをしたことも認めた。
ジョナサンはサラ(彼の妹シシィを演じた)を愛していたから
ウィリアムの彼女に対する扱いが気に入らなかった。
だが、なぜわざわざ彼を逮捕させようとしたのか?なぜウィリアムを殺さなかったのか?
メイドのジェイドを演じたカレンはシドニー刑事を演じたマシューと関係を持っていたが
彼女のメイドの衣装に松葉杖を隠せるはずはない。
ディレクターのデボラとジェイド役のカレン、
この容疑者ふたりは松葉杖を持ち込むことはできなかった。
シシィ役のサラとセドリック役のジョナサン、
このふたりは松葉杖を持ち込むことはできたが、動機があるとは思えない。
そしてウィリアムとマシューの当事者たち。
ウィリアムがマシューを殺したいならもっと簡単な方法がある。
残るは被害者のマシューだ。
マシューはシドニー役でロングコート(僕のとは違うぞ)を着てたから持ち込むことは可能だが
たとえ舞台の上でドラマティックに死にたいとしても、自殺をするよりも簡単な方法はある。
問題はアルミニウムがかなり軽いということだ。
アルミの松葉杖で叩いたからといって誰かを殺せる保証はない。
だが考えてみてくれ、ジョン。
マシューの腕にあったアザ。ウィリアムの酒やスキャンダルなどプロらしからぬ素行。
マシューは以前からディレクターのデボラにウィリアムに対する不満を言っていた。
だが、彼女はウィリアムに恋をしていたから一切取り合わなかった。そういう事だ。
マシューは自分の手でウィリアムを解雇することに決めた。
彼はコートに本物のアルミの松葉杖を隠しウィリアムの楽屋に入った。
ジョナサンとケンカしたりサラのまわりをウロウロしたり忙しい酔ったウィリアムは
松葉杖を交換しているマシューにも気づかなかった。
マシューの計画通りウィリアムは松葉杖で彼を叩いたが
ゴム製のアルミの松葉杖が実は本物のアルミの松葉杖だった事など気づいていなかった。
彼は恐らく腕が折れるなど劇場やデボラを訴えられるくらいの怪我を負い、
ウィリアムが確実に解雇されることを望んだ。
だがジョナサンとケンカをしていたウィリアムはおそらく普段よりも飲んでいたので
かなり高く振り上げた松葉杖がマシューの頭に当たり偶然にも彼を殺してしまったんだ。
では君がちゃんと理解できたか念のために確認しよう。
ウィリアム・ハウエルズ(殺人者アルバート・チャプレットを演じた役者)を解雇させようと
偽物の凶器(ゴム製のアルミの松葉杖)と本物の凶器(本物のアルミの松葉杖)をすり替えた
殺人の被害者シドニー・パジェット(マシュー・マイケル刑事を演じた役者)は彼もまた殺人者だ。
裏目に出てしまった計画が彼自身の死を招いたんだ。
コメント
ブラボー!
Mike Stamford 03 September 09:24
僕の頭が爆発したよ。
Bill Murray 03 September 10:12
天才だよ!!!
Jacob Sowersby 03 September 10:14
フリーク
Sally Donovan 03 September 11:43
以上です。
ドノバンはこうでないとねー。
いろいろな人から褒められていた「アルミの松葉杖」でしたが、本当に良く出来ていて面白かったです。
事件と言うよりは文章の構成が上手いというか、いや英語なのでよくわかりませんが、
シャーロックがいちいち注釈つけるのも、最後のオチも、おお!とちょっと感動しました。
しかし日本語にする人のセンスが残念なので面白さがあまり伝わらないんでしょうね(自虐)
ちょっと言い訳すると、シャーロックの注釈が余計に混乱を招くんですよ。
で、結局ジョンは最後のトラップに引っかかったのでしょうか。
珍しく画像がありません。
The Aluminium Crutch
02 September
The Aluminium Crutch
アルミの松葉杖
君たちも新聞で読んだと思う。
ステージ上で起きた役者のマシュー・マイケル殺人事件だ。
僕はデート中だったから居合わせてはいないけど(うまくいったよ。お気遣いありがとう)
シャーロックはそこに居たんだ。
で、僕のボイスメールにメッセージで何が起きたのか知らせてくれた。
彼がどんなメッセージを送ってきたのか聞かれたのでここに転記しておく。
「ジョン、僕はストランドにあるとても小さな劇場でちょうど「闇夜の恐怖 」を見ていたんだ。
芝居自体は二流だったが殺人が起きたんだ!舞台上で!
警察に説明する時間はなかったから、君がディナーだか何だかに・・・サラと一緒だっけ?
とにかくこのメッセージを〇〇〇〇に伝えて欲しい。大丈夫。至極簡単な事だ。
マシュー・マイケル演じるシドニー・パジェット刑事は
応接間に登場人物たちを呼び集め犯人を明らかにしようとしていた。
僕は最初の場面で読めたが、
レディ・マーガレット・チャプレットはウィリアム・ハウエルズ演じる彼女の息子、アルバートに殺された。
アルバート役のウィリアムが激高しマシュー演じるシドニーを持っていたアルミの松葉杖で殴りつける。
マシューが怪我をしないようアルミの松葉杖はゴム製で出来ていたはずだったが、
幕間に誰かが本物のアルミの松葉杖と入れ替えたようだ。
アルバート役のウィリアムはシドニー役のマシューを本物のアルミの松葉杖で頭をたたき彼を殺してしまった。
ゴム製の松葉杖と本物のアルミの松葉杖を入れ替えることができるのは
幕間にウィリアムの楽屋に出入りした人物だ。
ウィリアムは幕間に誰がいたかを明らかにした。
ディレクターのデボラ・チャリス、
シドニー・パジェット役のマシュー・マイケル、
シシィ・ヘイスティングス役のサラ・グルーネウェーゲン、
セドリック・ヘイスティングス役のジョナサン・モリス、
そしてメイドのジェイド役のカレン・ボールドウィンだ。
ウィリアムの演技でわかるが、彼は明らかに酒を飲んでいた。
ある時、永遠に続くんじゃないかと思ったテニスコートの場面で
彼は彼女が演じていた人物をシシーではなくサラと呼んだ。
シドニーを演じていたマシューの腕にはアザがあった。
その前の場面で彼はアルバート・チャプレットに叩かれたんだ。
しかし役者のウィリアムはコートに詰め物が縫い付けられていたことを忘れていた。
全部書き留めてくれてるよね?
犯人はディレクターのデボラ・チャリス、
あるいは彼ら4人、ウィリアムを入れれば5人のうちのひとりという可能性もある。
本物の松葉杖を持ち込み、ウィリアムに気づかれることなく入れ替えた人物がいたはずだが
彼はジンをがぶ飲みしていたからそれに助けられたことは明らかだ。
ディレクターのデボラ・チャリスはタイトジーンズと
あまりにも小さい派手なピンクのトップスを着ていたから
ピーナッツよりも大きなものは何一つ持ち込めないだろう。
誰かにナッツアレルギーを起こさせて殺そうとしたなら面白いけどそれはない。
僕がいくつかやさしく質問をしたら、
彼女は泣きだしてウィリアムに恋をしていたが彼にその気はなかったと認めた。
酔っ払いのおじさんがキャスティングされた理由がやっとわかったよ。
シシィ・ヘイスティングスを演じたサラ・グルーネウェーゲンは
ウィリアムと関係を持っていたのは明らかだ(舞台上ではなく、実生活でね)
彼は彼女との仲を終わらせたのか?
彼女は妊娠をしたが彼はそんな事聞きたくもなかったとか?
もしそうなら、彼女はウィリアムをマシュー殺しで逮捕させることで復讐しようとしたのか?
あり得そうもないが不可能ではない。
セドリックを演じたジョナサンはウィリアムを好きではなく、幕間にケンカをしたことも認めた。
ジョナサンはサラ(彼の妹シシィを演じた)を愛していたから
ウィリアムの彼女に対する扱いが気に入らなかった。
だが、なぜわざわざ彼を逮捕させようとしたのか?なぜウィリアムを殺さなかったのか?
メイドのジェイドを演じたカレンはシドニー刑事を演じたマシューと関係を持っていたが
彼女のメイドの衣装に松葉杖を隠せるはずはない。
ディレクターのデボラとジェイド役のカレン、
この容疑者ふたりは松葉杖を持ち込むことはできなかった。
シシィ役のサラとセドリック役のジョナサン、
このふたりは松葉杖を持ち込むことはできたが、動機があるとは思えない。
そしてウィリアムとマシューの当事者たち。
ウィリアムがマシューを殺したいならもっと簡単な方法がある。
残るは被害者のマシューだ。
マシューはシドニー役でロングコート(僕のとは違うぞ)を着てたから持ち込むことは可能だが
たとえ舞台の上でドラマティックに死にたいとしても、自殺をするよりも簡単な方法はある。
問題はアルミニウムがかなり軽いということだ。
アルミの松葉杖で叩いたからといって誰かを殺せる保証はない。
だが考えてみてくれ、ジョン。
マシューの腕にあったアザ。ウィリアムの酒やスキャンダルなどプロらしからぬ素行。
マシューは以前からディレクターのデボラにウィリアムに対する不満を言っていた。
だが、彼女はウィリアムに恋をしていたから一切取り合わなかった。そういう事だ。
マシューは自分の手でウィリアムを解雇することに決めた。
彼はコートに本物のアルミの松葉杖を隠しウィリアムの楽屋に入った。
ジョナサンとケンカしたりサラのまわりをウロウロしたり忙しい酔ったウィリアムは
松葉杖を交換しているマシューにも気づかなかった。
マシューの計画通りウィリアムは松葉杖で彼を叩いたが
ゴム製のアルミの松葉杖が実は本物のアルミの松葉杖だった事など気づいていなかった。
彼は恐らく腕が折れるなど劇場やデボラを訴えられるくらいの怪我を負い、
ウィリアムが確実に解雇されることを望んだ。
だがジョナサンとケンカをしていたウィリアムはおそらく普段よりも飲んでいたので
かなり高く振り上げた松葉杖がマシューの頭に当たり偶然にも彼を殺してしまったんだ。
では君がちゃんと理解できたか念のために確認しよう。
ウィリアム・ハウエルズ(殺人者アルバート・チャプレットを演じた役者)を解雇させようと
偽物の凶器(ゴム製のアルミの松葉杖)と本物の凶器(本物のアルミの松葉杖)をすり替えた
殺人の被害者シドニー・パジェット(マシュー・マイケル刑事を演じた役者)は彼もまた殺人者だ。
裏目に出てしまった計画が彼自身の死を招いたんだ。
コメント
ブラボー!
Mike Stamford 03 September 09:24
僕の頭が爆発したよ。
Bill Murray 03 September 10:12
天才だよ!!!
Jacob Sowersby 03 September 10:14
フリーク
Sally Donovan 03 September 11:43
以上です。
ドノバンはこうでないとねー。
いろいろな人から褒められていた「アルミの松葉杖」でしたが、本当に良く出来ていて面白かったです。
事件と言うよりは文章の構成が上手いというか、いや英語なのでよくわかりませんが、
シャーロックがいちいち注釈つけるのも、最後のオチも、おお!とちょっと感動しました。
しかし日本語にする人のセンスが残念なので面白さがあまり伝わらないんでしょうね(自虐)
ちょっと言い訳すると、シャーロックの注釈が余計に混乱を招くんですよ。
で、結局ジョンは最後のトラップに引っかかったのでしょうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます