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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

シャーロック ベルグレービアの醜聞 -S1E1- その11

2013-12-13 07:30:15 | Sherlock
原題:A Scandal in Belgravia


その10の続きです。

以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

「いい線いってたけどのめり込みすぎた」シャーロックはそう言いながらアドラーさんに近づきます。
「ゲームを楽しむのはいいけどだが感情は?感情は敗者に見られる化学的欠陥だ」
何の事/とアドラーさんが聞くと「君だ」と答えるので、
「それは勘違いよ。私があなたに惹かれていると?」とちょっと押され気味のアドラーさん。
シャーロックはそっとアドラーさんの手首を触り「君の脈を取った」と耳元で囁きます。
あのコベントリーの話をした夜の事でした。

「無粋なの僕でもわかる。恋の化学作用は単純で破壊力がある」とシャーロックはアドラーさんの携帯を手にします。
「金庫のコードはスリーサイズだった。これはもっと私的な・・・」と携帯をくるんと回します。
「君の理性を失わせたもの」言いながらシャーロックはパスコードを入力していきます。

「意味のない数字を使うべきだったのに我慢できずにこれにした。
恋は危険で不利益なものだと思ってたけどこれで証明された」ひとつひとつボタンを押していくシャーロック。
アドラーさんが思わずシャーロックの手を止めます。
いつも冷静なアイリーン・アドラーが初めて狼狽える場面でした。

「私の言葉はすべて偽りよ。ゲーム楽しんだだけ」
「わかってる。そして敗北したんだ」
シャーロックはそう言って携帯の画面を出します。

「I AM SHERLOCKED」パスワードは「SHER」でした。
これを見た瞬間、涙を流すアドラーさん。

この一連の場面がこのエピソードで一番大好きです。BGMも効果音も最高でいつ見ても鳥肌ものの場面です。
しかし、これパスワードが違っていたらどうしたんだろう・・・と考えずにはいられないのですが、
同じように考えていた方が結構たくさんいました。そうですよねー(笑)

「これで僕の失点が回復できるといいけど」
シャーロックはロックを解除するとマイクロフトに携帯を渡します。

「拘置してやれ。お守りなしじゃ生き残れない」シャーロックが言うと
「懇願しろと?」と言いながら「お願い。確かに半年と持たないわ」アドラーさんのお願いに、
「夕食、残念だったな」と一言だけで立ち去ります。

数日後。
マイクロフトは221Bの下にあるカフェでジョンと会います。
事件終了の報告とアドラーさんが証人保護プログラムでアメリカで無事に生きているが2度と会えないことを伝えます。
「シャーロックは彼女を嫌ってたから大丈夫だよ。あの女って呼んでるし」ジョンが言いますが、
「敬意の表れかもしれないよ。ただ一人の大切な女性への」マイクロフトが言うので
「いや、彼はそんな感情とか持ってないですよ」とあくまで否定するジョン。

「弟は科学者や哲学者の脳を持ちながら探偵になった男だ。彼の心が推し量れるか?」
「いや」
「同感だよ。弟は海賊になりたがっていたんだ」とちょっとお兄ちゃんの顔になるマイクロフトでした。

「証人保護プログラムの事、シャーロックに話しておきますよ」ジョンは言いますが、
実はアドラーさんが2か月前にカラチでテロ組織に捕まり斬首になったとマイクロフトが打ち明けます。
「また死を装ったのでは?」ジョンの疑問に、「今回の確認は完璧だ。弟なら私を騙せるけど」
そう言いながらマイクロフトはアドラーさんの携帯や報告書などが入ったケースをジョンに渡し、
「シャーロックに何て言う?」と言います。

部屋に戻るとシャーロックは顕微鏡を覗いていました。
ジョンは悩みましたが結局「証人保護プログラム」の方を選びます。

再び顕微鏡を覗くシャーロック。
そんなシャーロックを見つめながらジョンは悩んだ挙句真実を話そうとしますが、
その時シャーロックが「携帯をくれ」と手を出します。

「データは抜かれてるし、これ政府のものだから」と抵抗しますが「プリーズ」とお願いされ、
これも結局渡してしまうジョンでした。

「事件のあと彼女からメールあった?」とジョンが聞くと
「数か月前に一度、さよならミスターホームズと」シャーロックが顕微鏡を覗きながら答えます。

ジョンは所在なさげにそして何か言いたげに部屋をうろうろ。
結局何も言わずに部屋から立ち去ります。


ジョンがいなくなるとシャーロックはアドラーさんの携帯を開きシャーロック宛てのメールのうち、
最後の「さよならミスターホームズ」を確認します。

中東でアドラーさんが数人の男に囲まれながら最後のメールを打っていました。

送信が終わると黒装束の男が携帯を取り上げ、首を切るために剣を振り上げます。
目を閉じるアドラーさん。
その時、どこかでシャーロックの着信音のセクシーボイスが鳴ります。
驚いて振り向くアドラーさん。そこにはシャーロックがいました。

「合図をしたら走れ」
シャーロックが囁きます。

フラットでシャーロックがアドラーさんの携帯を抽斗にしまいながら笑います。
「あの女。比類なき女」

この最後のセリフ、字幕は「比類なき女」となっていますが実際は何て言ってるのでしょうか。
「Dear Woman」?スクリプトは「The Woman」を2回繰り返しているだけなのです。
確かに最後も「The Woman」て言ってるように聞こえますが・・・・やばい、また無知がバレる(泣)

それにしても何度観てもこのエピソードは良いですね~。

長々とここまでお付き合いくださりありがとうございました。
自分でも何がしたいのかよくわからなくなっているこの頃ですが、しばらくはこんな感じで画像だらけになる所存です。

次は「バスカヴィルの犬」になります。

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
またお邪魔しに参りました (黄梅)
2014-05-13 15:55:15
dicoさま

たびたび失礼します。
お言葉に甘えまして、またお邪魔しに参りました。

このお話の最後、「The Woman」ですが、私も気になっていました^^というのも、私はAXNミステリーというケーブルチャンネルでシャーロックを見ているのですが、そこは日本語吹き替えで、たまに気分で英語音声にしてみているんです。

アメリカ英語は多少慣れているのですが、イギリス英語はぼそぼそして(すみません)聞き取りにくいし、教育を受けていくて難しいので、吹き替えを見たうえで英語音声を試すのですが、その時に吹き替えで「あの女・・あの女・・」と確か言っていた気がして、字幕だと「比類なき女」なのか!と記事を拝読しびっくりしてしまいました。

些細なことなのですが、セリフのひとつひとつが練られているうえ、のちのち関係してきたりするので、細かいところも気が抜けないですね^^

そして、吹き替えに慣れてしまい英語音声を放棄気味なので、字幕の表現やスクリプトの紹介をしてくださっていてとてもありがたいです。お世話になります。
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Re.またお邪魔しに参りました (dico360)
2014-05-13 21:44:53
黄梅さん
いらっしゃいませ♪
イギリス英語難しいですよね。
私もアメリカ英語の教育なので今回の邦訳は本当に難しかったです。
長文ではあるけどその分きちんとした文法だし、発音もキレイなので、
慣れればイギリス英語のほうが勉強になるんでしょうね、きっと。

吹き替えは最後も「あの女」なんですか?知らなかったです。それはちょっとダメですよね。。。
よくコメント下さる方から「The woman」の「The」は「特別な」と表現する場合があると教えていただいたので、
なるほど!と思いましたが、英語だとどちらも「The woman」ですからねー、難しいですよね。
本当にそんな些細な事が結構重要だったりしますし。

私はずっと日本語字幕で観ていたのですが、スクリプトや英語字幕を見ると
日本語では表現されていないセリフが多々あるので、興味深いと共に何かちょっと損した気分です(笑)
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Unknown (黄梅)
2014-05-14 07:43:47
おはようございます。
コメント返しありがとうございます^^

>よくコメント下さる方から「The woman」の「The」は「特別な」と表現する場合があると教えていただいたので、
>なるほど!と思いましたが、英語だとどちらも「The woman」ですからねー、難しいですよね。
>本当にそんな些細な事が結構重要だったりしますし。

そうなんですね!勉強になりました。
アドラーさんが死んだと思った時の傷心具合といい、特別なのは絶対あると思うので、「あの女」はまあ愛情こめて言っているのかなと思いつつ、不完全燃焼でした。

原語がわかると、そういうのもスムーズに入ってくるのでしょうねえ。イギリス英語が出来ないのがとっても残念です。dico360さん、邦訳、本当にお疲れ様です!

疑問なのですが、シャーロックの登場人物の英語って、階級差顕著だったりするのでしょうか?

私は海外ミステリードラマ、特に英国のものは好きで、前述のケーブルチャンネルでいろいろ見るのですが、ものによっては現代ものでも階級差が激しく、所属するクラスごとでもことばがかなり変わって、難しいです。イギリス英語のできる人に聞くと、アッパー、ミドル、ワーキングくらいはすぐわかるでしょ、と言われ、確かにワーキングは特徴的でうっすらわかりますが、上の二つになると、おぼつかなくなります・・

後は階級を判断するには読んでいる新聞のサイズを見ろとか(小さい=タブロイド判だとワーキング、大きいとそれ以上)、いろいろアドバイスされたのですが、シャーロックを見る限りでは、あんまりそれがわからなくて。でも全くないということもないのかしら?とちょっと疑問です。

スクリプトや英語字幕をご覧になっていると、もしかしたら違いが見えるかな、なんて思って、ずうずうしくも質問させていただきました。英語字幕はまれに見ますが、スクリプトは未体験です。挑戦したいような怖いような・・・

他の部分のコメントで恐縮なのですが、「聖典」ではなく「正典」でしたね。間違えました!申し訳ありません。邪道なんですが、私は宝島社から出ている「シャーロック・ホームズ完全解説」(北原尚彦監修)をよくあんちょこにしています(笑)正典読んでいても、混乱してきたり、「あのセリフはどこに載っていたか」が気になった時に、まず当たって見ます。作業をショートカットできます(言い訳w)

正典の全話解説(ネタバレなし)もありますし、シャーロックについても巻頭カラーで特集してあり、短いですが、結構面白いです。ご参考までに、よろしかったらどうぞ。長編は、意外に読むのは楽なんですが、敷居は高いですよね。個人的に、「ヴァスカビルの犬」や「恐怖の谷」が読みやすいのかな、と思っています。「四つの署名」は、意外に面倒でした(笑)

おそらくS3E1のタイトルのもとかなと思うのですが、「空家の冒険」は、「最後の事件」で一度死んだと思われたホームズが、読者や周囲の執拗な催促に負けたドイル氏が、ホームズ復活譚として書いた作品です。そこでワトソンがけがをするんですが、ホームズは「ワトソン、大丈夫だと言ってくれ、大丈夫でなくてもそういってくれ」とか、相当狼狽しているのがおかしいです。「ライオンのたてがみ」「最後のあいさつ」ではホームズは探偵を引退し、ワトソンも離れたところに住んでいるため、ホームズ自身が筆をとった体裁になっていますが、前のコメントの通り、ワトソンがいなくて恨み節を書いたり、捜査でも寂しそうだったり、切ないです。

以上、長いうえ、ご存知でしたら申し訳ありません!またお邪魔させていただくと思います><どうぞよろしくお願いします。

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Re.Unknown (dico360)
2014-05-14 23:47:23
黄梅さん
いらっしゃいませ♪
いつも読んでくださって嬉しいです。
登場人物の英語、そうらしいですね。
私もリスニング能力はほぼ皆無なのでわかりませんが、確かに発音は違いますよね。
聴き比べるとスポーツ選手などの発音はかなり訛っている方が多いように思います。
シャーロックやマイクロフトはとてもきれいな発音なので、そこも階級を見分けるひとつなのかもしれません。
英国って本当に階級社会ですよね。
オーストラリアを平気で植民地とか言っちゃうし。もちろんジョークなのですが、とてもシニカルだなーと。
スクリプトを読んでいていつも思うのは、ホームズ兄弟の話は本当に長いです(笑)
アメリカ人だったら一言二言で終わるんじゃない?と思うくらい遠まわしな言い方が多い印象です。

正典、違うんですよー、私も正典なのか聖典なのかわからなくて「?」って書いちゃいました。
宝島のその本、なかなか重宝するらしいですね。実は欲しいんです(笑)
本のご紹介もありがとうございます!なるほどー、そのあたりを読んでみますね。

ワトソンが怪我をして狼狽するホームズくん、うわー、それは読みたいです!
何か原作のホームズのほうがかなりワトソンに依存している感じですね~。
何となくシャーロキアンが多いのがわかる気がします(誤解?)

こんな感じでほとんど原作知らない私ですがこちらこそよろしくお願いします~。
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はじめまして (niu)
2014-07-07 03:24:44
特に英語に詳しい訳ではないので恐縮ですが、「あの女」「比類なき女」についてはどちらも字幕ではThe womanになってしまって区別がつかないではないか、と思ったのですが、「あの女」は「The:ザ woman」で「比類なき女」は「The:ジ woman」と呼んでいます。学校教育ではtheをジと読むのは続く頭文字の最初の音が母音である場合、と習いますが、それとは別に特別なものを表すときに続く単語の母音子音は関係なくジと言うのだそうです。
なので最初はThe:ザで「あの」、二度目はThe:ジで「特別な」なのだと思います。
これからS3を見るために復習しようと思ってサイトを拝見させていただきました。自分で見たときは見落としていた細かい表情や表現に触れていてとても面白く読ませていただきました。
古い記事にコメントをして申し訳ございません。
S3を無事見終えたらまた拝見させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
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Re.はじめまして (dico360)
2014-07-08 00:23:25
niu さん
こちらこそはじめまして。コメントありがとうございます。
そして、The woman、わー!なるほど!そうだったんですね。
そう思って先ほど最後の場面だけ聞いてみたら、ザ・ウーマンと言った後、ジ・ウーマンって言ってました!
ものすごく納得、そしてスッキリしました。
本当にありがとうございます。
ぜひ、このお話をブログでご紹介させていただきたいです。

古い記事でもどこでもコメントしていただいて大丈夫ですよ。
ぜひ、またお気軽に遊びにきてくださいね。
こちらこそよろしくお願いいたします。
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