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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間 2 of 2

2015-08-17 23:14:13 | ロード・オブ・ザ・リング
The Lord of the Rings:The Fellowship of the Ring
2001年
Director:Peter Jackson
Screenplay:Fran Walsh Philippa Boyens Peter Jackson
Based on The Fellowship of the Ring by J. R. R. Tolkien

指輪を葬る旅が始まります。

カラズラスの峠を越える時にフロドが指輪を落としボロミアが拾い上げる場面で
なかなか指輪を返そうとしないボロミアに警戒するアラゴルンがすごく好きなんです。

悪は人間の弱さにつけ込むというのが定石で、指輪に次第に誘惑されていくかのようなボロミア。
アラゴルンのこの表情とこっそりと剣に手をかけているのがたまらんのです(笑)


サルマンの妨害が続き、一行は危険なモリアの坑道を抜ける事になりました。
モリアにはギムリの従兄、フンディンの息子バーリンが住んでいると言いますが、
バーリンは既にこの世を去っていました。
バーリンはホビットに出てきたあのバーリンなんだと思いますが、
モリアに移住?した経緯とかは原作読まないと、な部分なんでしょうね。

モリアはオークやゴブリンによって滅ぼされていました。
ガンダルフたちは彼らに気づかれないように静かに進んでいきます。
途中、道に迷ったガンダルフ。
ゴラムがずっとフロドを追ってきているのに気づいたフロドにガンダルフが言います。
「情けがビルボの手を止めた。
死に値するものが生きながらえ生きていて欲しいものが死ぬ。
お前は死者に命を与えられるか?軽率に死の判定を下してはいけない。
ゴラムも善か悪か分からないが役目を持っているこの先いつの日か・・・
ビルボの情けが大勢の運命を変えるかもしれない。」
情けは人の為ならずって日本でも言いますもんね。

以下、原文を直訳してみました。
「It's a pity Bilbo didnt kill him when he had the chance.」
ビルボがゴラムを殺せるチャンスがあったのにそうしなかったのが残念だよ。
「Pity ? It was pity that stayed Bilbo's hand.
Many that live deserve death and many that die, deserve life.
Can you give it to them Frodo ?
Do not be too eager to deal out death and judgement Even the very wise cannot see all ends.
My heart tells me that Gollum has some part to play, yet for good or ill.... before this is over.
The pity of Bilbo, may rule the fate of many.」
残念?ビルボがその手を止めたのは情けだ。
人生の多くは死に値し、多くの死が生きるにふさわしい。
お前はそれらを与える事ができるか?
死の判決を簡単にしようとしてはいけない。賢者でさえ結果がすべてわかるわけではない。
ゴラムにはまだ良くも悪くも何らかの役割があると私は思う・・・終わりが来る前に。
ビルボの情けが多くの運命を支配するかもしれない。


「僕が指輪をもらわなければ・・・」とフロドにガンダルフが言います。
「辛い目にあうと皆そう思うがどうにもならない。それより今自分が何をすべきか考えることだ。」

以下、原文を直訳してみました。
「I wish the Ring had never come to me. I wish none of this had happened.」
僕にところに指輪が来なければよかったのに。
「So do all who live to see such times, but that is not for them to decide.
All we have to decide is what to do with the time that is given to us.
There are other forces at work in this world, Frodo, besides the will of evil.
Bilbo was meant to find the Ring, in which case you also were meant to have it and that is an encouraging thought. 」
生きていると誰もがそう願うが自分たちで決められる事ではない。
我々が決めるべきは自分たちに与えられた時間に何をするかだ。
この世界では何かの力が働いていているんだ、フロド。邪悪な意思とは別にだ。
ビルボが指輪を見つけた事が運命ならお前が指輪を持つことになったのもまた運命だ.
そう思えば勇気づけられる。

心に沁みる言葉です。あの時こうしていれば、って誰もが考えずにはいられませんが、
後悔するよりも、何ができるか何をするべきかを考えないと、が大切なんですよね。
私も失敗すると自分を責めがちになるのですが、そんな時はこの言葉を思い出して前を向くようにしています。

ウィキによるとガンダルフは
荒野を広くさまよい、強者弱者を問わず、あらゆる自由の民の友となった。
窮地にあるものは救い、絶望したものがいれば助言によって奮い立たせた。」ってありました。
つくづく、ガンダルフと友達になりたいです。

そうして「道に迷ったら鼻をきかせることが大事だ。」と言って再び進み始めます。


しかし、やっちゃったんですね、ピピンが。
井戸にもたれていた遺骸を触っちゃって派手な音をたてて落としてしまいます。
オークやトロルとの死闘の末に橋までたどり着いたところでガンダルフはバルログとともに深い底に落ちていきます。
バルログと対峙するガンダルフがものすごくかっこいいのですが、
落ちまいとしているガンダルフを助けようとするフロドを見て、
「早く逃げろ、ばかもの!」と自ら落ちていくガンダルフ、やーめーてー!となりましたよ。

「 Fly, you fools!」

坑道から脱出しピピンは号泣してるしみんな悲しみの暮れていますが、
ガンダルフから託されていたアラゴルンは心を鬼にして前に進んでいきます。


エルフの森、ロスロリアンでガラドリエルに会います。

エルロンドの奥さんはガラドリエルの娘だとウィキに書いてありました。
と、いうことはガラドリエルとエルロンドは義理の親子?

その夜、ボロミアはアラゴルンに不安を吐露します。
ボロミアもゴンドールを守りたい気持ちから指輪を、力を手に入れたいと思っちゃうんでしょうね。

「One day our paths will lead us there,
and the tower guards shall take up the call "the Lords of Gondor have returned."」
いつか一緒にゴンドールに帰ろうとボロミアは言います。
ここでものすごいフラグが立っちゃってるんですよ(泣)

ガラドリエルはフロドに水鏡で悲惨な光景を見せ、使命を果たせないとこうなると言い、
指輪を狙っている仲間がいると警告します。
そして不安がるフロドに運命を変える事ができると勇気づけエアレンディルの光を渡します。

「Even the smallest person can change the course of the future.」
どんなに小さな人でも未来を変える事はできる。
「May it be a light for you in dark places, when all other lights go out.」
暗闇に迷いすべての光が消えてもその光が道を照らすでしょう。

再びモルドールを目指します。
途中、休憩中にフロドとボロミアがいない事に気づきます。
ボロミアはとうとう抑えきれなくなりフロドから指輪を奪おうとしてしまいます。
この場面、指輪をちょっと貸してくれ、盗むわけじゃないよってボロミアに
公開時のフロドのセリフが「嘘つき」となっていて、ここも誤訳なんじゃないかと言われていましたが
原語は「You are not yourself.」だし、確かに「嘘つき」と言われてしまうとボロミアがただの残念な人になってしまうなーと。

フロドは指輪の力で姿を消します。
我にかえったボロミアは懸命にフロドに謝りますがフロドはもう誰も信じられなくなっています。
そばに来たアラゴルンからも逃げようするフロドは誘惑に勝てるのかと問いただします。
指輪を前にしたアラゴルンもまた負けるかもしれない事を察し、
指輪を差し出したフロドの手を握ると「モルドールの火口まで一緒に行きたかった。」と言います。
フロドもひとりで旅立つことを決意します。

「I would have gone with you to the end...into the very fires of Mordor.」

オークの大軍が迫っている事を知ったアラゴルンはフロドを逃がします。
逃げる途中でメリーとピピンにこっちに来いと言われますが何も言わず動かないフロドの表情を察し、
ふたりは自ら囮になりフロドを行かせます。


メリーとピピンを助けるため身を挺して戦うボロミアですがラーツの凶刃に倒れメリーとピピンは連れ去られてしまいます。
ボロミアの止めをさそうとするラーツをアラゴルンが倒しボロミアを救おうとしますが手遅れでした。
ボロミアはホビットたちが攫われた事を知らせ、指輪の誘惑に負けた事を告白します。
「もうダメだ、全てが終ってしまった。」とボロミアに、
「私の血にどれほどの力があるのか、だが我らの都と民を必ず滅亡から救う。」とアラゴルンは約束します。

「I do not know what strength is in my blood, but I swear to you...
I will not let the White City fall, nor your people fail...」
それを聞いたボロミアは誇らしげに剣を胸に当て、
「I would have followed you, my brother...my captain, my King.」
あなたについて行きたかった、我が兄弟、我が大将、我が王。
そして息を引き取ります。

「Be at peace, son of Gondor. 」

号ーーー泣ーーーー
ゴンドールを助けたいだけだったのにそこをつけ込まれ自ら破滅に追い込んでしまったボロミア、悲しすぎ。。。
ふたりでミナス・ティリスに帰還してほしかったよーー。
でも、ボロミアのこの死がアラルゴンに王として生きる決意をさせたのかもしれません。

前半でボロミアがメリーとピピンに剣を教えている光景がとっても親子な感じだったので
最期もメリーとピピンを助けようとして命を落としてしまうのが余計に哀しいです。
誘惑に負けたのはボロミアの弱さかもしれませんが、ガンダルフでさえ拒んだほどの強力な力ですもんね。
長年、王不在のゴンドールの執政を務める父親から期待されゴンドールを守りたい気持ちがつけ入る隙を与えたなら
アラゴルンもちょっとその責任はあるのかも。

レゴラスとギムリもボロミアの死を悼みます。

ガラドリエルが警告した「指輪がひとりひとりを破滅させていく。」
結局ボロミアを死に導く結果となってしまいましたが、
この時のアラゴルンとフロドの決断が後に様々な効果をもたらすんですね。

そしてひとりで旅立とうとするフロドに身を挺してついて行こうとするサム。
「ガンダルフとの約束です決して離れないと。」と言うサムが
必死に母親について行こうとする子どもみたいで・・・泣くわ。

「I made a promise, Mr. Frodo...a promise."Don't you leave him, Samwise Gamgee."」

もう解散か、というギムリに「メリーとピピンを救おう。」とアラゴルン。

「 We travel light. Let's hunt some Orc.」

一方、フロドとサムはモルドールを見下ろします。
もうみんなには会えないね、というフロドに「会えるよ。」とサム。

「I'm glad you're with me.」君がいてくれてよかった。

旅立ちの始まりなので号泣場面は少ないですがでも泣けます。
みんな誰かのために、何かのために戦ってるんですよね。
ピピンもやらかすばかりではなくいざとなればフロドのために危険を冒して戦う頼もしいホビットさんだし。

この頃のレゴラスってホビットの時と比べてみると快活でいい奴なんですよね。
やっぱり失恋して各地を放浪しているうちに大人になったのかしら。

ここで映画が終った時、「ちょ!ガンダルフはーー!!」となりましたが、
スターウォーズで鍛えられているので1年待つくらい全然平気(笑)
特に最近は某BBCドラマを思えば1年なんて短いわ、と思いますよね。

長々と書いてしまいました。
またそのうち二つの塔の感想を書き散らかしてみたいと思います。

6 コメント

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サム~~~ (マラカイト)
2015-08-22 02:28:24
こんばんは

わたしも指輪物語を映画がつくられる前に読んでおりました。
トム・ボンバディルという妖精のような人が出てくるのが好きだったのですが、本筋に特にかかわっていないのであっさり削除されててがっかりしましたが
その分ロマンス要素が増えていて映画としてはよかったかなぁと思っております。
見た目としては、これでファンになってしまったレゴラスが一番かと自分では思ったんですが
こうやって改めて見直すと、やっぱり「サム」が一番ですね。
彼のフロドへの忠実さはもはや親を超えるでしょうね。泣かされましたね。
ホビットは泳ぎが得意ではないのに、必死で追いかけて溺れそうになるところとかねぇ

そうそう、ガンダルフ!おい!って何度思ったでしょう。笑
魔法とか使いなさいって・・・ね。
ここでいなくなるとか、え~~~~って
原作は、そこかしこに詩がかかれていてそれもまた素敵です。
最初、物語を知らずに読んだので読み進めるのにはらはらしてしまい飛ばしていたんですが後になって読み直したりしました。
この物語はやはりファンタジーの王様ですよね。
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Re.サム~~~ (dico)
2015-08-22 22:36:04
マラカイトさん
こんばんは!
夜はだいぶ涼しくなりました?

マラカイトさんも原作読んでるんですね。
トムの名前は何度か見た事あります。
やはりなぜトムが出てないの?って意見が多かったですよ。
トム、気になるじゃないですか。や、やっぱり原作読んだ方がいい?

サムですよね。
旅の仲間はみんな指輪の破壊が目的でそのためにフロドをサポートしている感じですが
サムはただただフロドのために助けてますもんね。

ガンダルフは魔法全然使わないですよね。
いつも気になっているのですが何か理由があるんでしょうか。
「詩」が多いのですか。よく歌は歌ってますよねー。うん、何か良いですね。
やっぱり原作読んだ方がいい?(2度目)
これ以上嵌ったらちょっとヤバそうではあるんですけど。。。
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Unknown (モグモグ)
2015-08-24 08:22:09
やっぱり英国の映画が好きな人はロードも好きですよね。dicoさん読むの迷ってらっしゃいますが、はっきりいって、文体が子供むき?になってるので馴れるのに、私は時間がかかりました。一旦その世界に入れたら、後は至福ですね。特に一巻目はなかなか進まないので、ここで挫折する人が多いようです。かなり長期戦になりますのでマラソンの要領で(笑) 私は盆暮れのゆっくり出来るときに読み返しています。
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Re.Unknown (dico)
2015-08-24 23:20:16
モグモグさん
こんばんは!
指輪物語は児童向けだったんですね。なるほど。
でも!
至福・・・至福が待っていると?至福の2文字に心を奪われてしまいそうです(笑)
1巻目がちょっとアレなんですね。でもそれを越したら至福(まだ言ってる)
確かにマラソンは最初の5キロくらいが辛くてそれを越せばすごい楽でしたよー。
焦る事はないって事ですね。
それを聞いて時間ができたら少しずつトライしてみてもいいのかも、と思いました。
次はお正月あたりですね。きっと。
参考になりました。ありがとうございます~。
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ガンダルフのセリフ、大好きです (Misty)
2015-08-30 22:46:45
こんばんは~
「ロード・オブ・ザ・リング」は、以前にも見たのですが、「ホビット」の前にBSでやったのを再度見た時、以前よりもっと色々と感じるものがあって、より好きになりました。

そして、このガンダルフのセリフが、特に心に残って忘れられないのです。原文を載せてくださって、ありがとうございます~より心に響きますね。私も、この言葉を時々思い出して自分に言い聞かせたいと思います。

私は「ホビット」の原作はかなり前に読んで大好きだったのですが、「指輪物語」は長さに恐れをなしてまだ手をつけていません。でも、話の面白さだけでなく、根底に流れる考え方もすごく好きなので、いつか読みたいです。

そういえば前に何かの記事で(自分で忘れている…(笑))このセリフのことを書いたのですが、フロドの「僕が指輪をもらわなければ…」のセリフを間違えていたことに後で気が付いたけどそのままになってました。

映画を最後まで見た時、この「ゴラムの役割」って、こうだったのかー!と、すごく納得しました。

ガンダルフが落ちていくところ、見直した時その後をすっかり忘れていて、「え!こんな1話目でいなくなっちゃうんだっけ??そんな~!!」と、ものすごくびっくりして本気で悲しんだ忘れっぽい私です。ガンダルフの目が~何とも言えません!

「ホビット」を2作目まで見た後に見直したからなのか歳を重ねたせいなのか(?)、2度目に見た時の方が、それぞれのキャラクターの性格や背景や葛藤により感じるものがあり、とても愛しくて思い入れが深くなりました。

dicoさんの画像や原文や詳細な訳とともに見直せるなんて、嬉しいです。ありがとうございます~
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Re.ガンダルフのセリフ、大好きです (dico)
2015-08-31 22:42:07
Mistyさん
いらっしゃいませ~

Mistyさんのホビットの感想、覚えてますよ。
私もつい勢いで自分の感想をコメント欄に書かせていただいてしまいました。
その時にガンダルフの言葉を書いてらして、この言葉を忘れずに頑張りたいと話していたかと思います。
(あら、でもフロドのセリフの間違い、そうでしたっけ・・・?)
ガンダルフの言葉は本当に身に沁みますよね。

Mistyさんはホビットの冒険をお読みになったんですね。
映画でさえ観るたびにいろいろと気づくことがあって、深いなーと思うので、
指輪の原作を読むともっともっと理解が深まって面白そうですよね。
私も来年あたり読みたいと思っているのでMistyさんもぜひ機会があったらトライしてくださいね。

ゴラムの役割、よく出来てますよね。
すごい壮大な伏線です。
「ホビット」のビルボがゴラムを殺せなかった場面を見直した時に、
葛藤するビルボの表情がすごくよく伝わってあらためてマーティンの凄さを実感しました。

指輪もホビットも見直すたびにより感じますよね。
愛しい、本当にその言葉がぴったりです。
以前理解出来なかったことがわかるようになったのはやっぱりトシ?(笑)
そう考えるとトールキンさんにもすごく興味が湧いてきちゃいます。

やっぱりまだまだこの世界に浸ってしまいそうですけど、
シェイクスピアと同時進行で頑張ります~
あら、こう書くと私ってばすごく文学の人みたいです(笑)
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