2007 UK
Director: David Attwood
Writer: Alexander Masters
ベネディクト・カンバーバッチ as アレクサンダー・マスターズ
トム・ハーディ as スチュアート・ショーター
この映画は事実を基にしていまして、原作はベネディクト演じるアレクサンダーご本人です。
スチュアートがなぜ何度も服役しホームレス生活を送るのか、
彼の家族や学校、そして彼の持つ障害を通じてアレクサンダーが彼と交流を深めながら探っていく話・・・でいいのかしら。
友情ですよ、友情。
なので時々画像のチョイスが変に思われてもそれは気のせいですよー。
それにしてもこのテレビ映画、そのうち日本語版が出るだろうと思っていたのですが未だに出る気配がないんですよね。
DVDは英語字幕すら無いしちゃんとしたスクリプトも見つけられなかったので、
うまくできるかどうか、かなり自信がありませんが頑張ってみたいと思います。
準備も何もしていないまま始めているのでかなりスローペースの更新になりそうですが、
気長におつきあいいただければ嬉しいです。
この映画8年前なんですね。
トムハーディもベネディクトもものすごく若いです。ベネディクトなんて少年か!って思いますが、
トムハのほうが若いんですよね。1年だけですが。
このふたりがのちにTTSSでピーター・ギラムとリッキー・ターになるなんて、
役者って本当に恐ろしいわ。
A:アレクサンダー
斜字はアレクサンダーのモノローグ
S:スチュアート
車を運転するアレクサンダー。
1本のカセットテープのカーステレオにセットすると男の声が聞こえてきます。
S「ハロー、アレクサンダー。スチュアートだよ。」
その声を聞いてアレクサンダーは微笑みながら「ハロー、スチュアート」とお返事します。
僕、アレキサンダーはメガネをかけて運転している男でテープでぼそぼそ喋っている人じゃない。
喋っているのはスチュアートだ。
僕は2000年にスチュアートと知り合い、そして彼の伝記を書くことにしたんだ。
友人はみな僕はおかしいって言う。
彼が有名でもセレブでもなく無名の男だからだろう。
だが、有名じゃなくても本にできるんだ。
スチュアートに見て欲しかった。
多分、ホームレスの男としては初めての伝記だと思う。
生まれてから現在までの伝記。
さて、2000年に戻ると、僕はWinter Comfortで資金調達担当としてわずかな小遣いを稼いでいた。
本来、ケンブリッジにある避難所はホームレスの人たちで満杯で忙しい日々なんだ。
※ここも実在しています。サイトがありました。
http://www.wintercomfort.org.uk/
そう、警察が強制捜査を決めた朝までは。
女性:「彼らは逮捕されたわ。」
A:「全員?それは名案だよ。」
逮捕されたのは僕の上司ルースと彼女の代理人ジョンだった。
一部のお客は施設内でこっそりと麻薬の取引をしているが
でもルースとジョンがそこを運営しているだけで責任を負わされるなんて。
女性:「証拠の写真があるのよ。」
僕は不当な行為に怒りを感じた。
そして僕は生まれて初めてホームレスに本当に関心を持ち始めた。
ドアをガンガン叩くホームレスのおじさんに「あっちに行け、酔っ払い!」と怒るアレクサンダー。
場面は変わり、ルースとジョンのためにキャンペーンを(この場合保釈させるための運動みたいなもの?)
行う事になり、集会を開きます。
女性:「アレキサンダー・マスターズを紹介します。
ホームレスの献身的な友人にしてキャンペーンのチェアマンでもあります。」
僕たちは彼らが有罪判決を下されないと確信している。
つまり、収容所が麻薬を規制できない場合、ルースとジョンは何を期待される?
女性:「みなさんご存知のとおり私たちはルース・ワイナーとジョンの件でここに集まりました。」
女性が説明をしているその横でアレクサンダーはノートに漫画を描いています。
裁判官や判事の判決は・・とアレクサンダーのモノローグにかぶせるように
進行役の女性が「・・彼らを5年、或いは4年刑務所に送ります。」と言います。
みんなから「ひどい」「ファシストだ」の声があがります。
女性:「しかし、これは危機的状況です。私たちは何をすればいいでしょうか。
ルースとジョンに何かしてあげられることは?」
そこにひとりの女性が手を挙げます。
「彼らに本を送りましょう。バニヤンは刑務所にふさわしいわ。」
その提案にとなりの男性が「まさか。それならジュネの「バラの奇蹟」がいいよ。」と言います。
その時、一番後ろにいたスチュアートが突然声をあげます。
S:「悪いけどそれはうまくいかないよ。本を送るだって?本は箱に収まりきらないじゃないか。」
スチュアートの言葉に進行役の女性が「え?」と聞き返します。
S:「囚人が所有できる箱だよ。みんなひとつ持ってる。」
女性はアレクサンダーに「あれは誰?」と聞きますが、
「さあ。僕にはみんな同じに見えるし。」と答えるアレクサンダー。
スチュアートは話を続けています。
S:「箱に収まらないカーペットやセキセイインコとかカナリアも許可されてる。
ケージはどう見ても箱に入りそうにないだろ。」
スチュアートの話を聞きながら面白そうにまた漫画を描くアレクサンダー。
S:「だけどつらいのはルースとジョンだ。箱に入らないものは全部看守が処分するんだよ。
こう言っちゃなんだけどあんたたちが活動をするなら箱の事を知っていた方がいいよ。」
スチュアートの話が終る頃には室内が静かになっていました。
続きます。