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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

Sherlock 1-1 A Study in Pink その2

2015-02-18 07:29:17 | Sherlock S1E1
「ピンクの研究」

Directed by Paul McGuigan
Written by Steven Moffat



バーツのラボでピペットを手に実験をしているシャーロック。
そこにマイクとジョンが入ってきました。

JW「僕がいた頃とはちょっと変わったんだな。」
MS「それはそうだろう。」
SH「マイク、携帯電話を貸してくれないか?僕のは電波が入らないんだ。」とシャーロック。
「固定電話は故障しているのか?」
「テキストを送りたいんだ。」
「悪い、コートの中だった。」とマイクが言うとジョンが「僕のを使って。」と携帯を出します。
「ありがとう。」とジョンのところに行くシャーロック。
マイクが「僕の旧友、ジョン・ワトソンだ。」と紹介します。
ジョンから借りた携帯でテキストを打ちながらおもむろに「アフガニスタンそれともイラク?」と言います。

(スタンフォードさん、マジ天使の微笑みっすよ!)

ジョンは少し間をあけてから「・・・は?」と聞き返すとシャーロックはジョンを見てもう一度、
「アフガニスタンかイラク、どっちだ?」と聞きます。
「アフガニスタンだけど。何で知ってるんだ?」
と、ジョンが言い終わる前にモリーがコーヒーを持ってきたので「ああ、モリー、ありがとう。」コーヒーを受け取ります。
SH「口紅はどうしたんだ?」
MH「あまり効果がなかったみたい。」モリーがそう言うと
「そうか?僕は大きな改善だと思ったんだが。君の口は小さすぎるしね。」
シャーロックはそう言いながら実験に戻ります。
モリーは小さい声で「OK」と言い、部屋を出ます。報われないよね、モリーちゃん。

そしてシャーロックはラップトップのキーをたたきながら、
「ヴァイオリンはどう思う?」と言います。
話の飛躍についていけないジョンは再び「・・・は?」そしてマイクも再び天使の微笑みです。
「僕は思考中にヴァイオリンを弾く。時々何日も喋らない時がある。
君は気になるか?同居の可能性があるならお互い最悪の部分を知っておいた方がいい。」
シャーロックは一気に言うと、うさんくさい笑顔でジョンを見ます。
ジョンは驚いて「マイク、君は僕の事を話したのか?」と聞きますがマイクの答えはもちろん「No」
「じゃあ、誰がフラットメイトの話を?」
シャーロックはコートを着ながらジョンに説明をします。
SH「僕だよ。今朝マイクにフラットメイトを探しているけど見つからないと話した。
現在、彼はランチの後明らかにアフガニスタンの兵役から戻ってきた旧友を連れてここにきた。
そこに辿りつくのは難しくない。」
JW「なぜアフガニスタンの事を知ってるんだ?」
SH「ロンドン中心部に良い場所があるんだ。2人でも余裕で住める。
では、明日の夕方、7時に会おう。
すまない、急ぐんだ。遺体安置所にムチを忘れたようだ。」
シャーロックはそれだけ言うと部屋を出ていこうとするのでジョンが「それで終わりか?」と突っ込みます。
その言葉にシャーロックは「何が?」とジョンの方に向きを変えます。

JW「今会ったばかりなのに、もうフラットを見に行く?」
SH「問題があるか?」
そう言われたジョンはマイクの方を見てから、不機嫌そうな笑みを浮かべます。
JW「僕たちはお互いの事を知らないじゃないか。
どこで会うのかもわからないし、僕は君の名前さえ知らないんだぞ。」
そこでシャーロックはジョンをざっと見渡すと早口で推理を披露します。
「君は軍医で、アフガニスタンから傷病兵として送還された。
君を心配する兄がいるが助けを求めるのを良しとしないのはおそらく彼がアルコール中毒でしかも彼は最近妻と別れた。
君のセラピストは君の足は心因性だと考えている。・・・・間違っていないと思うが。」
ジョンは一瞬自分の足元を見ます。

「ひとまずはこれで十分だと思うけど?」
シャーロックはそう言いながらドアを開け出ていこうとしますが、足を止めドアから顔を出します。
「名前はシャーロック・ホームズ、住所はベイカー街221Bだ。」

大げさにウィンクをし、マイクに「では失礼。」と言うと出ていきます。
マイクは少しだけ手を上げそれに応えます。
シャーロックが出ていくとジョンはマイクの顔を見ます。
マイクは一言、「そう、いつもあんな調子だよ。」と言います。

以上、出会い編でした。

去年の1月にブリティッシュ・カウンシル主催の英会話ワークショップ「シャーロックで英会話」に申し込んだときに、
当日までにホームズとワトソンの出会いの場面に目を通しておいてね、と届いたものが「緋色の研究」の原文です。
目を通すってアンタ!てな感じでレベルの高さに慄いたのは良い思い出です(笑)
当日はもちろんかなり無口になっていましたよ。

なので保存しておいた原文を載せてしまおうと思います。
原文のあとに拙訳も載せましたので、よかったら読んでみてください。

ちなみに、シャーロックが名乗る部分、
「The name’s Sherlock Holmes and the address is two two one B Baker Street.」は原文にはありません。
007のボンドも「The name’s 」と名乗っていますが、相当かっこつけた言い方だそうで、
絶対にマネしてはいけません、とカウンシルの講師が仰っていました。


“A Study In Scarlet” by Sir Arthur Conan Doyle

There was only one student in the room, who was bending over a distant table absorbed in his work.
At the sound of our steps he glanced round and sprang to his feet with a cry of pleasure.
"I've found it! I've found it," he shouted to my companion, running towards us with a test-tube in his hand.
"I have found a re-agent which is precipitated by haemoglobin, and by nothing else.
" Had he discovered a gold mine, greater delight could not have shone upon his features.
"Dr. Watson, Mr. Sherlock Holmes," said Stamford, introducing us.
"How are you?" he said cordially, gripping my hand with a strength for which I should hardly have given him credit.
"You have been in Afghanistan, I perceive."
"How on earth did you know that?" I asked in astonishment.
"Never mind," said he, chuckling to himself.

中略

"We came here on business," said Stamford, sitting down on a high three-legged stool,
and pushing another one in my direction with his foot.
"My friend here wants to take diggings,
and as you were complaining that you could get no one to go halves with you,
I thought that I had better bring you together."
Sherlock Holmes seemed delighted at the idea of sharing his rooms with me.
"I have my eye on a suite in Baker Street," he said, "which would suit us down to the ground.
You don't mind the smell of strong tobacco, I hope?"
"I always smoke 'ship's' myself," I answered.
"That's good enough. I generally have chemicals about, and occasionally do experiments.
Would that annoy you?"
"By no means."
"Let me see—what are my other shortcomings.
I get in the dumps at times, and don't open my mouth for days on end.
You must not think I am sulky when I do that. Just let me alone, and I'll soon be right.
What have you to confess now?
It's just as well for two fellows to know the worst of one another before they begin to live together."
I laughed at this cross-examination.
"I keep a bull pup," I said, "and I object to rows because my nerves are shaken,
and I get up at all sorts of ungodly hours, and I am extremely lazy.
I have another set of vices when I'm well, but those are the principal ones at present."
"Do you include violin-playing in your category of rows?" he asked, anxiously.
"It depends on the player," I answered. "A well-played violin is a treat for the gods—a badly-played one——"
"Oh, that's all right," he cried, with a merry laugh.
"I think we may consider the thing as settled—that is, if the rooms are agreeable to you."
"When shall we see them?"
"Call for me here at noon to-morrow, and we'll go together and settle everything," he answered.
"All right—noon exactly," said I, shaking his hand.

We left him working among his chemicals, and we walked together towards my hotel.
"By the way," I asked suddenly, stopping and turning upon Stamford,
"how the deuce did he know that I had come from Afghanistan?"




ひとりの研究者が部屋にいた。
その男は奥のテーブルに覆いかぶさって研究に没頭していた。
我々の足音がするとあたりを見回し、喜びの叫びを上げながら飛び跳ねるように立ち上がった。
「見つけた!見つけたぞ!」
彼は試験管を手にこちらに駆け寄ると私の友人に向かって叫んだ。
「ヘモグロビンのみに反応し、沈殿する試薬を見つけたんだ。」
彼が金鉱を見つけたとしても、彼の表情はこんなにも輝かなかっただろう。
「彼はドクター・ワトソンだ。そして彼がミスター・シャーロック・ホームズ。」
スタンフォードは我々を紹介しながら言った。

「こんにちは」彼は信じられないほどの強さで私の手を握りながら丁寧に言った。
「君はアフガニスタンにいたようだ。」
「どうしてそれを知っているのですか?」私はびっくりして尋ねた。
「気になさらずに」彼はそう言うとほくそ笑んだ。

中略

「我々は話があってここにきたんだ」スタンフォードはそう言うと3本足のスツールに座り、
足でもうひとつの椅子を私の方に押しやった。
「僕の友達が下宿を探している。
そして君は家賃を折半する相手がいないと不満を言っていたから僕はふたりを引き合わせるのがいいと思ったんだ。」
シャーロック・ホームズは私と部屋を共有するアイデアに喜んでいるようだった。
「ベイカー街に目をつけている部屋がある。」と彼は言った。
「そこはすべての点で僕たちに都合が良い。君は強いタバコの臭いが気にならないか?」
「私はいつも海軍たばこを吸っているんだ。」と私は答えた。
「それはよかった。僕はいつも周囲に化学薬品を置いていて、時々実験をする。それはダメだろうか?」
「そんな事はないよ。」
「僕の欠点は他に何があったかな。そうだな、僕は時々気分が沈んで口をきかないことが何日も続く。
その時は僕が不機嫌だと思わないでほしい。放っておいてくれればすぐに元に戻る。
君は何か告白する事はあるか?一緒に住む前にお互い最悪の事を知っておいた方がいいからね。」
私はこの反対尋問に大笑いした。
「私はブルドッグの子犬を飼っているよ。」と私は言った。
「私は神経が弱っているので騒音を嫌うし、いつもとんでもない時間に起きる。そして私は極めて怠惰だ。
健康な時は他にも悪習がいくつかあるが、今のところはこれらが主なものだ。」
「ヴァイオリンの演奏は騒音に入るか?」と彼は心配そうに尋ねた。
「それは演奏家によるよ。」と私は答えた。
「良い演奏なら素晴らしいもてなしだし、下手な演奏だったら・・・」
「それなら大丈夫。」彼は楽しそうに笑いながら叫んだ。
「これで問題は解決したと思ってもいいだろうね。部屋が君の好みに合えばだが。」
「いつ部屋を見に行く?」
「明日正午にここに来てくれ。一緒に行って話をまとめよう。」と彼は言った。
「わかった、正午ちょうどだな。」私はそう言って彼と握手をした。

我々は化学薬品に囲まれて仕事をしているホームズをそのままにして、
私が滞在しているホテルまで一緒に歩いていった。
「ところで」私は突然立ち止まりスタンフォードの方に向いて尋ねた。
「一体どうやって彼は私がアフガニスタン帰りだということを知ったんだ?」

ここまでです。
こうしてみると出会い編はかなり元ネタを踏襲していますよね。
そんなわけで続きます。
あ、原文は続きません(笑)