goo blog サービス終了のお知らせ 

That's awesome

海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜 後半

2018-06-11 22:45:41 | 英国俳優
About Time

Directed by Richard Curtis
Written by Richard Curtis
Produced by Tim Bevan Eric Fellner Nicky Kentish Barnes
Music by Nick Laird-Clowes
2013

続きです。
ネタバレありますのでご注意ください。


ふたりの結婚式は雨でしたがみんな楽しそう。


娘も生まれます。名前はポージー。


幸せな毎日を送るティムにタイムトラベルの必要もありませんでした。

ある日、家族や友人を呼んで娘のバースデーパーティを開いたその日
ジミーとケンカをしたキットカットは飲酒運転をして事故を起こし、重傷を負います。
ティムはこの事故を回避するため過去に戻りキットカットに運転をさせないために迎えにいきます。


事故は回避できましたが根本的な解決にはなりません。
妹を何とか立ち直らせたいティムは彼女に人生をやり直させるため
タイムトラベルの秘密を打ち明け過去にジミーと知り合ったパーティに戻り
ジミーと出会わない人生を歩ませようとします。

ジミーはトム・フォードが演じていました。この方も独特の雰囲気がありますよね。


しかし、現在に戻ってみると娘が息子に変わっていました。
驚いたティムは子どもが生まれた日まで戻り父親に相談します。

子どもが生まれたあとにその子どもが生まれる前に戻ってしまうと
精子のタイミングが変わってしまうから違う子どもになってしまうと説明されます。
「じゃあ、子どもが生まれる前の事はもう変えられないの?」と聞くティムに
「そうだよ、普通の人と同じようにね。」と答えるパパ。

結局、キットカットは事故を起こしてしまいますが
ティムはタイムトラベルではなく、キットカットを向き合って救うことにしました。
ティムとメアリーの頑張りにキットカットはジミーと別れる決心をします。

キットカットはイケメンで遊び人のジミーではなく
退屈でも自分を大切にしてくれるジェイを選びます。大事な事です。



子どもがもうひとり増え4人家族になった頃、父親のガンが発覚します。
余命は数週間でした。
ティムとメアリー、そしてキットカットも家に集まります。


みんなが動揺し悲しんでいました。


父と話すティム。
タイムトラベルの能力を使えば?とティムに、
父は「それはできない。人生をやりなおすことはできない。」と言います。
「誰にでも良い事も悪い事もある。神の子イエスだって最後は悲惨だっただろう。」


そしてティムに幸せになる秘訣を教えます。
「普通に生きる事。普通の人と同じように一日ずつ。」
「毎日を同じようにもう一度繰り返す事。緊張や不安で気づかなかった人生のすばらしさに2回目は気づくから。」


ティムはその通りにします。
するとどんなに最悪な日でも見方を変えれば良い方向に変えられることに気がつきました。
2度とめぐりあわない瞬間を大切にし笑顔で過ごせば周りも幸せな気分になりますよね。
嫌な事も伝染するけど、良い事も伝染します。

上司にダメだしされる同僚にも言葉をかけませんでしたが、


2回目は「嫌な奴だ」とメモで書いたりして励ましています。


前回疲れて不愛想にしたレジの女性に、


笑顔で接すれば女性も幸せそうです。


プレッシャーの中無言で裁判所に向かい


「無罪」判決が出たけれどあまり余裕のない表情のティム。


けれど2回目は「きれいなロビーだ。」とまわりを見渡し


判決が出れば素直に笑顔で。依頼人も笑顔。


隣のノイズも


エアギターをしています。



ツイテない日、嫌な事がある日も接し方で変わるんですね。


父の葬儀の日、ティムは父がまだ生きていた頃に戻ります。


父もティムがどの時間から来たのかわかっていました。
本を朗読する父を泣きそうな笑顔で見つめるティム。


ある日、メアリーがもうひとり子どもが欲しいと言います。
子どもをつくることは子どもが生まれる前に戻れない、
つまり父親と2度と会うことができなくなるという事でした。


少し悩みましたがティムは決心します。

月日が経ち子どもが生まれる日、ティムは最後に父親に会いに行きます。
いつもと同じように卓球の試合をしますが父はこれが最後だと気づきます。



最後に父にキスを贈りハグ。
何かしたいつもとことある?とティムが聞くと
ティムが子どもの頃ずっとそうしていたように、海辺を散歩したいと。
過去を変えないようにうまくやろう、と父。

ふたりで過去にタイムトラベル。

少年の頃のティムとの散歩が父の最後の願いというのはすごく切なかったです。
父にとってはこの時期が一番の宝物なんだよね、きっと。


そうしてティムはまた日常に戻ります。
キットカットも母になりみんな穏やかに過ごしていきます。

この映画はティムのナレーションで進みますが最後にこう締めくくられています。

And in the end I think I've learned the final lesson from my travels in time;
and I've even gone one step further than my father did.
The truth is I now don't travel back at all, not even for the day.
I just try to live every day as if I've deliberately come back to this one day,
to enjoy it, as if it was the full final day of my extraordinary, ordinary life.
We're all traveling through time together, every day of our lives.
All we can do is do our best to relish this remarkable ride.

僕は最後の秘訣をタイムトラベルで学んだ。
父よりもさらに一歩進んだのだ。
実を言うと今では一日たりともタイムトラベルで戻る事はしていない。
まるで今日のこの日にタイムトラベルしてきたかのように、
僕の特殊で普通の人生の終わりの日のごとく、毎日を生きて楽しんでいる。
僕たちはみんな日々の人生をいつも一緒にタイムトラベルをしている。
僕たちにできることはこの素晴らしい旅行を楽しむために最善を尽くす事だ

「to relish this remarkable ride.」
二度とない今日この日を味わうために、という意味なんでしょうね。
この映画には名言のようなセリフがたくさん出てきます。
IMDbにまとめてありました。→ Quotes

いろいろな人たちの日常が映し出されます。
ティムも子どもたちにごはんを食べさせ学校に送りだし仕事にいき、


最後にメアリーとティムの電話で「じゃあ、あとでね。」と言って終わります。



ドーナル推しな画像が大量ですみません。

何度もやり直せる人生は率直にただただ羨ましいです。
ティムはタイムトラベルを通じて様々なことを勉強します。
そして当たり前のように毎日を生きていけることの幸せを感じながら
生きていくことの大切さを私たちはティムを通じてあらためて気づきます。

過去を悔いても何も変わりません。
誰かと比べることで得る満足感では幸せにはなれません。
今日この日が二度とめぐってこないならば、まずは顔をあげて空を見上げてみよう。

目に入る景色の美しさ、肌で感じる風、そしてあなたに声をかけてくれる人。
見方を変えるだけで世界がやさしくなるような気がします。

最近私は自分の足で歩ける幸せ、食事ができる幸せ、仕事ができる幸せ、
そして家族や友人がいる幸せ。
今まで当たり前のように傍受してきたことが実はとても幸せな事だったのだと実感しています。



もちろん、いつもいつもこんな考え方は出来ませんが・・・・
でも嫌な事があった日こそ、こんな風に考えようと思っています。

何を選ぼうとやはり人生は一度きりだし。

なんて偉そうに言っていますが無駄に年を重ねただけの未熟者なのでこの境地にはまだまだ程遠いです。
でも人生は思っているよりも短いので、動けるうちにやりたいことをやっておきたいです。


感情が大きく揺さぶられることはありませんがじんわりと心が温かくなる、そんな映画でした。


少しだけ音楽の話もしたいのでもう一回だけ続きます。(しつこい)

アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜 前半

2018-06-09 23:42:07 | 英国俳優
About Time

Directed by Richard Curtis
Written by Richard Curtis
Produced by Tim Bevan Eric Fellner Nicky Kentish Barnes
Music by Nick Laird-Clowes
2013

ドーナル・グリーソンへの愛が止まらないこの頃、
dicoさんは恋愛映画にはあまり興味がないので
この作品もいつもならスルーしているところですが、
Amazonでプライム配信をしていたので観ることにしました。

見た目はSFチックのラブロマンスコメディかのように見えましたが
思いのほか深くて優しくて、そして人生の教訓のような映画でした。


ベネディクトの出演作品を網羅していた時もたくさん良作に出会いましたし、
英国俳優を追いかけるとかなりお得ですよね。(意味不明)

あと、ドーナルくんのお父さんがこの方だと初めて知りました。
ブレンダン・グリーソン。


これも。



タイムトラベルのお話ですがSFではなくファンタジーと考えた方が良さそうです。
深く考えても映画の中に答えはないので・・・・


主人公はティム。
21歳になった時に父親から一族の男は代々タイムトラベルの能力が備わっていると聞かされます。
何とティムくんは時をかける少女だったのです。



もちろん最初はまったく信じませんでしたが、
父親の言う通り、暗いところで手を握ると過去に戻っていました。
この能力は未来にはいくことができず、過去にしかいけません。

父親に「この能力で何がしたい?」と聞かれたティムは
「このパワーで彼女を作りたい」と言います。

このティムがね、もうもう本当に可愛すぎるんです。
さえない赤毛のヒョロヒョロ男なんですけどね、でも可愛いんです。
ドーナル・グリーソン、不思議な魅力があります。


そしてビル・ナイです。
ステキですね。こんなお父さん欲しいです。
ティムの人生を変えるような秘密を話す時も飄々としていますが
タイムトラベラーなので事前の練習はしっかりとしていたようです。


ロンドンに上京したティムは父親の知人で脚本家のハリーの家に下宿します。
弁護士として働いていたある日メアリーと出会いひとめで恋におちます。
ティムはメアリーに電話番号を聞き、次に会う約束をします。


この日はハリーの舞台の初日でしたが主役が大事なセリフを忘れてしまい大失敗。
自暴自棄になっているハリーを救うためティムは過去に戻り役者に会って忠告をしたりして
舞台を成功に導きました。

ハリーはトム・ホランドが演じています。
なので(?)コメディチックなキャラクターです。

しかし、ハリーの舞台に行ってしまったのでメアリーとの出会いは無かったことになってしまいます。
ティムは能力を駆使してメアリーともう一度出会いおつきいをすることに成功しました。
メアリーの可愛さもティムに負けてはいません。
レイチェル・マクアダムスはRDJ版ホームズで知りましたが彼女の持つ雰囲気がとても好きです。

5年前なのでやはり若いわね。

その後も何か失敗をしたり納得がいかなかったりすると過去に戻ってやり直すティム。
ある日、初恋のシャーロットと再会したティムはメアリーを心から愛していると気づきその日にプロポーズします。
シャーロットはマーゴット・ロビーです。若いです。



ティムはメアリーを実家に連れてきました。



ティムの母親との会話でメアリーは素直に「ティムが大好き。」と言うと
「私もよ。でも言ってはダメよ。うぬぼれるから。」とお母さん。ステキなお母さんです。
ちょっと変わったお母さんを演じているのはリンゼイ・ダンカンさん。
シャーロックS3のレディ・スモールウッドです。



ティムには仲の良い妹がいます。愛称はキット・カット。
彼女は仕事に就いては何度もクビになったり、ボーイフレンドのジミーと問題を起こしていましたが
とても優しい女の子でメアリーにもとても懐いていました。


ティムは家族の前でメアリーとの結婚、そして子どもが生まれることを報告します。
叔父さんのデズモンド。
いつもきっちりとした服装で過ごすデズモンドさんもすごく良いキャラクターでした。



長いのでふたつに分けます。

映画ピーターラビット

2018-06-03 16:51:47 | 英国俳優
Peter Rabbit

Directed by Will Gluck
Produced by Will Gluck Zareh Nalbandian
Written by Rob Lieber Will Gluck
Based on Peter Rabbit by Beatrix Potter


ネタバレありますのでご注意ください。





ここのところ激しい映画が続いていたのでちょっと癒されようと
モフモフ~、とか言いながら行きましたがそんなほのぼの映画ではありませんでした。

以前見た予告のピーターは野菜を盗む悪ガキなイメージでしたが、
日本版の公式見ると、モフモフかわい~、なピーターになっていて
あれ?前見た予告は気のせいだったのか、と思っていましたがやっぱり悪ガキうさぎでした。

イギリスだけあって(?)ブラックジョークを散りばめたドタバタコメディですが
細かいネタもちゃんと仕込んでありクセになる面白さで見終わってすぐにもう一度観たい!ってなりました。

今更ですけど最近のCGは本当にすごいですね。
自然の中で走るモフモフうさぎにしか見えません。あまりにも自然です。
そして自然と言えばジェームズ・コーデンもすごいです。普通にピーターラビットでした。
実はエンドロールを見るまでうさぎたちの声を誰がやってるのかまったく知らなかったので
声優陣を見ていろいろびっくりでした。


ジェームズ・コーデン as ピーターラビット(長男)
一家の主としてみんなのリーダー的な存在。


エリザベス・デビッキ as モプシー(長姉)
3姉妹のお姉さんで頑固な仕切り屋さん。


マーゴット・ロビー as フロプシー(次姉)
姉妹の真ん中のフロプシー少々面倒な性格だそうです。


デイジー・リドリー as カトンテール(末妹)
一家の問題児という紹介がありました。
トーマスとのゲリラ戦に大活躍していました。


コリン・ムーディー as ベンジャミン(従兄弟)
家系図によるとピーターのお母さんのお兄さんの息子のようです。
「鈍くさい従兄弟」と紹介がありました。

豪華なキャストです。

そして家系図。
お父さんがパイなのが怖いです・・・・




さて、軽くあらすじです。

ジョー・マグレガーに父を食べられてたピーターラビットたちは
ジョーの庭に忍び込んでは野菜を盗み追いかけられる日々でした。



ジョー・マグレガーは何とサム・ニール!
不摂生な生活がたたり心臓発作で亡くなってしまいます。

そして追い詰められそうになるとビアがかくまってくれました。
ビアはジョーの近くに住む画家でピーターたちにとっては母親のような存在でもありました。



ローズ・バーン as ビア
前衛的な絵を描いていますがあまり大衆には受け入れられていない様子。
気分転換に書いている水彩画がおなじみのピーターラビットでした。

ビアはうさぎ大好きなんだけどピーターとあまり意思疎通出来てないのも面白いです。
ピーターも普通のうさぎを装っていましたしね。

ある日ジョーが心臓発作で死んでしまい、
ピーターは勝ち誇ったように動物たちとマグレガーの家でパーティを繰り広げます。


そこにジョーの家を継いだ甥のトーマスが現れます。



ドーナル・グリーソン as トーマス・マグレガー
ロンドンハロッズの玩具売り場で働く神経質な変人タイプ。
動物嫌いでしたがピーターと出会い次第に変わっていきます。

トーマスはハロッズで働いていましたが店の中でかんしゃくを起こしてしまい、
クビになったところにジョーの死を知らされ遺産として家を譲り受けた事を知ります。
トーマスはその家を売ってお店を出しハロッズを破綻させることを決心します。


しかし家の中はめちゃくちゃな状態でした。
元来、きれい好きのトーマスだったので家じゅうを掃除しピーターたちが入らないようにします。
一方でビアとの仲を急速に深めていくトーマスにピーターは面白くない様子。


こうしてふたりのケンカは次第にエキサイトしていきます。
ピーターが実はとても器用でいたずら好きなことをビアは知りません。
また、トーマスとピーターが敵対していることも知りませんでした。
トーマスとピーターはビアが大好きなのでビアの前では仲良しを装ったりしています。
まるでトムとジェリーみたいな関係です。


トーマスにはこんな表情。


トーマスは元来やさしい心を持っているようでその片鱗が垣間見えるものの
不器用さも相まって素直に出せないでいましたが、
けれどビアに出会い少しずつ本来の自分を取り戻していくようでした。
どうしてハロッズに?と聞いたビアに
買い物に来た人に的確な品をお勧めして助けてあげたいから、と言っていました。

(トーマス推し)


神経質なところもあるしかなり変わっているトーマスだけれど
ビアからバードウォッチング用にと双眼鏡をもらい、毎日ノートに記すよう言われて
本当に毎日マジメにやってるし、
捕らえたベンジャミンを袋ごと川に捨てようとして結局捨てられず、
袋の中身がピーターたちによって双眼鏡にすり替わっていたのに驚き、
川に落としてしまった双眼鏡を必死で拾ってきてたし。

ドーナル・グリーソンがトーマスを見事に演じていました。
ハックス将軍も悪役ながら可愛くて憎めないでいましたが、そんな役が上手いですね。

(トーマス推し)


余談ですがSW最後のジェダイを監督とデイジー・リドリーと観た時に
監督がハックス将軍ってトーマスだよね、と言ったとか・・・

一方ピーターは両親を亡くし今では長男として妹たちと従兄弟のベンジャミンの先頭に立ち、
一族を守り導いてきましたが、若いピーターには少し荷が重かったのかもしれません。
だからジョーから守ってくれたビアを母親のように慕うのは自然な事でした。


でもそれを認めるのは自分の弱さを認めることになると考えたのかもしれません。
トーマスを攻撃するのはビアを取られてしまう不安からくることだとは決して認めませんでした。

執拗な攻撃にトーマスもキレながらダイナマイトを投げ、
ピーターたちも野菜を投げて応戦するというどこの戦争映画なの、これ。
全然ほのぼのしてないです(笑)




爆発の音を聞いて様子を見に来たビアを前にしたトーマスは慌ててダイナマイトのリモコンを落とし
それを手にしたピーターは自分の巣穴に大量のダイナマイトが落とされたままなのを忘れ
リモコンを押してしまいます。

ピーターたちの巣穴も、巣穴を覆っていた大木も、
その木の近くにあったビアの家も壊れてしまいました。

↑ピーターたちのお家。


ビアはピーターにリモコンを押せるはずはないとトーマスを一方的に責め、
落ち込んだトーマスはロンドンに戻り再びハロッズで働き始めます。
何度となく家族を危険な目に遭わせたピーターに従兄弟のベンジャミンも怒っていました。


マグレガーの家は売りに出されビアもこの地を去る事を決心。
ここでやっと自分の気持ちと向き合うことができたピーターはボタンの掛け違いに気づきます。
ピーターは姉妹たちとおでこを合わせ謝罪をしますがベンジャミンは許してくれません。

ですがトーマスを連れ戻すためひとりロンドンに行こうとするピーターに
ベンジャミンもちゃんとついてきてくれました。


ハロッズでひと騒動でしたがトーマスはビアのもとに戻りこの地に留まるよう説得しますが、
爆破したトーマスを許せないビア。

そこでピーターはビアの前でリモコンを押して見せ自分がやったことを証明し、
自分のおでこをビアのおでこにつけてウサギ流の謝罪をします。


この謝罪がねーーー、本当にかわいいの。
ビアが最初の方で、うさぎはおでこをつけて謝罪するのよって紹介してたのが
ここに繋がるんですよね。私にも謝罪して!と心の中で叫んだ場面です。

ビアはうさぎたちを愛するだけで何も理解していませんでした。
でもピーターたちはトーマスには何も隠さず素を見せているので
実は彼らを一番理解しているのはトーマスだったんですね。
「こいつら何でもできるんだよ。」とトーマス。

そんなわけで、
トーマスは近くに小さいお店を出し、ビアはピーターたちの絵を描いている場面で終わり。
店の隅ではフロプシーが動物たちにお話をしています。
この映画の語り手はフロプシーだったんです。


Happily ever after.

やんちゃなピーターとその仲間たちのコメディ映画でしたが
ラストはちゃんと絵に描いたようなハッピーエンドです。

過激な場面もあり、
ブラックベリーアレルギーのトーマスにブラックベリーを投げつけ
アナフィラキシーショックを起こさせてしまうところは批判も多く制作側の謝罪もありました。

最近ダメなものは見せない傾向がありますが、
見せない聴かせないのではなくだめな事をちゃんと扱って「なぜダメなのか」教えるきっかけにしたほうが
人の痛みがわかるし情緒も育つと私は思うのですけど、
今回のような場面は実際にマネする子どもも出てくるのだろうと考えると難しいですね。

興行的には成功のようで続編も決まったらしいです。
それも楽しみですがその前にもう一度映画館で観たいな。
耳がね、ちゃんと心境を表現してるのが最高に可愛かったです。


マーク・ゲイティス 日本旅行記 その3

2015-01-31 22:51:06 | 英国俳優
御大の日本旅行記その3です。
今回は長崎~鹿児島~京都、そして東京です。

元記事はこちらから。
Mark Gatiss' train trip through Japan

(指宿で)

まだ生きていたので次の日、私たちは長崎まで電車に乗ったが、
広島とはまったく違う眺望だった。

日本が鎖国していた200年の間、(ほぼ)唯一西洋に開かれた港で、
その影響が建築物にも混在していた。
オランダとポルトガルの入植による美しい鎧下見板張りのコロニアル様式の家、
そして独特なネオンのあるチャイナタウンの迷宮があった。

日の暮れたころ、運河に沿った街を歩いていると視界の隅に何かが見えたので急ぎ足で暗い方に行ってみた。
驚いたことにカニが格子のある排水管に隠れていた。
爆竹が大きな音で鳴り響いた。お盆、それは日本の死者のお祭りだ。
湿度が上がり突然土砂降りの雨が降ったが、不思議な事にその暖かさに気持ちが和んだ。

調子はずれの鐘が鳴り、家族が最愛の人の追悼として「死者の船」の代わりのランタンを
エルビスの写真を楽しかった思い出と共に曲がりくねった道を運んで行った。

爆竹がはじけ、雨の中で火花が散り、火薬が私たちの方にも飛んできた。
私たちはホテルに戻った。
手術用マスクをした男たちのチームが魔女のほうきで水浸しの花火の残骸を掃除したので、
翌朝、それらは跡形もなかった。
不思議なことに、日本の街は工業化で非常に汚れているように見えるが、
散らかしたごみは存在しないと言ってもいいくらいだ。
それはいたってシンプルで、人々がごみを落とそうとしないからだ。

次に止まったのは鹿児島だ。
その日は暑い曇り空で、私たちが到着した時には火山は黒い煙がたちこめていた。
指宿のリゾートは豪華で美しく、伝統的な日本のスタイルのクールな部屋があり、
西の温泉とは違った雰囲気なのはあなたにも想像できるだろう。

男と女は(各エリアに分けられていた)楽しそうに裸で歩いている。
滝つぼと蒸し風呂、そして有名な砂風呂があり、天然鉱泉によって温められる。
私たちが着物に着替ると、灰色の柔らかい異質に見える砂が筋張った青年の熊手によって首まで埋めていく。
不思議と熱すぎず心地よい感じで、15分ほどで私たちの顔には汗の滴が雨粒のように浮かんできた。
ボリス・エリツィン(※ロシアの元大統領)だけは、30分以上埋没していられると思う。
(※エリツィンはサウナ好きで有名なんですよね)

私たちのホスト、とびきり親切なシモタケハラ氏がエドワード朝のポストカードにある海水浴の美人のように、
頭上にパラソルを植えてほしいんじゃないかと尋ねてきたので笑いが止まらなかった。

長い電車の旅で私たちは本州の中央域に戻り、他のどこともまったく違う京都に入った。
戦争でも壊れなかった曲がりくねった道と古い建物は魅力的だ。
神社やお寺はもちろんだがお店やカフェもとても素敵だった。
私たちは豪華な(そしてとても安い)寿司の昼食と、抹茶のアイスクリームを食べ、
その後、滅多にお目にかかれないと言われていた本物の芸者ふたりが散策をしていてかなり興奮した。

彼女たちは本当に見る価値がある。
デスマスクのような顔と素晴らしく複雑な髪型、そしてうなじの部分だけが露出されていた。

たそがれ時の京都は最高だ。
繊細な静けさと質の良い控えめな雰囲気があり、
ほんのりと灯った提灯がある先斗町の路地は殊の外魅力的だった。
私たちはそこで有名な黒毛和牛を食べた。

次の日、私たちは暗殺を警戒して施され、跳ねると驚くべきことにキーキー音が鳴る
「鴬張り」のある将軍の城とオレンジのトンネルが延々と遠くまで続く伏見神社を訪れた。
そこは紛れもなく壮観だが、私たちはそろそろ神社を後にしなくてはならない

それから、増水し黄色く濁った川の近くに高くそびえる竹林があり、
体力のある男が引く人力車はワルツァーに乗った男と同じように堂々と歩いていた。
自信過剰で乱暴だ。

京都を離れるのは寂しかった。京都の旅行は紛れもなくこの大成功だった。
だが東京での最後の夜に驚嘆すべき街を見ることができた。
高速道路の下に広がる線路、ゴールデン街に向かう車は光の海の中でぼやけていた。
そこは10人くらいしか入れないテーマに沿ったバーが並ぶ途方もなく狭い地区だ。
独特なゴーストタウンの緊張感はニューウェーブの音楽が流れる1979年のパンクバーへ私たちを誘う 
煙る空気の中でスパークスとブロンディを聞くのは素晴らしい不調和がある。
私たちは「酒」を飲みすぎたが楽しかった。

何はさておき、日本の人たちだ。
私はこんなにも親切で礼儀正しくて友好的な人達に会ったことがない。
あなたが考えるよりもはるかに多くの人が英語を話し、表示も特に電車はバイリンガルだ。
私は戻ってくる予定でいる、春か秋、もちろんできるだけ早く。
もし布教活動に聞こえるならその通りだ。蒸し暑い8月でさえも日本は素晴らしいところだ。さあ、行こう!

以上です。
最後に今回の旅行についての情報が掲載されていました。
フライトはヘルシンキ経由のフィンランド航空 590ポンド(約105,000円)
ホテルは東京がマンダリンオリエンタル 東京(コンラッドじゃなかった・・・)1泊朝食付き276ポンド(約32,500円)
京都はハイアット・リージェンシー 京都 1泊122ポンド(約15,000円)
鹿児島の指宿は指宿白水館 1泊188ポンド(約22,000円)
博多のフグは 博多 い津み でした。

すごいスケジュールだなーと思いましたが、
考えてみれば、もし私が英国に行ったらこれくらい(お金と体力があれば)まわっちゃうかも。

それにしても御大、日本をとても気に入ってくれたのかべた褒めじゃないですか。
嬉しいですね~。
おもてなしをしてくれた皆様に感謝したいです。
そして最後の言葉、気になりますね。
もしかして、もしかしたら、これ期待しちゃっていいんですか?
その・・・シャーロックコン・・・?あ、でもドクターの可能性もあるのか。
どちらにしても、春か秋に必ず必ず来てくださいね、お待ちしています。

京都の先斗町は人気ありますね。
私たちも海外のお客様をお迎えすると先斗町はかなりの確率でリクエストされます。
そのたびに新幹線とホテルは大体ウェスティン都ホテルですが、そして夕食は先斗町のすき焼きでアレンジしています。
私に通訳のスキルがあれば同行を申し出るんですけど(涙)

新宿のゴールデン街も最近は海外の観光客のスポットになっているらしいです。
正直なところカウンターだけの狭いお店ばかりで雰囲気も怪しいし、なぜなんだ、と思いますけど、
その怪しさが楽しいのかしら。最近はロックがテーマのお店とかもあるらしいし。

それではこの辺で終わります。
最後まで拙訳におつきあいいただき、ありがとうございました。

マーク・ゲイティス 日本旅行記 その2

2015-01-29 07:19:13 | 英国俳優
御大日本旅行記の続きです。
今回は広島~宮島、そして福岡です。
※博多のお祭りの訳を修正しました。
元記事はこちらから。
Mark Gatiss' train trip through Japan


(金閣寺で)

次の日、私たちは広島に向けて出発し、新幹線を初めて経験した。
とてもかわいらしい子供と有能なスタッフがたくさんいて、彼らは各車両に出入りし挨拶をしていた。
英国とは礼儀正しさと親しみやすさのレベルが驚くほど違っていて、恥ずかしいくらいだ。

広島は破壊された場所だ。
今は賑やかな近代都市だがやはり1945年8月6日の出来事によって定義づけられ、
至る所にあるシンボルは原爆の震源地からどのくらい距離に立っているかを示していた。
原爆によって破壊されたドームは平和公園の中にあり、付随の博物館が率直に語っている。
腕時計はすべて午前8:15で止まっており、
溶けたメガネや燃えて血だらけになった子供の服や抜け落ちた髪の毛、指の爪も展示されていた。
私たちは身が引き締まり心を動かされ、爽やかな夕暮れの中たくさんの人たちに思いを馳せた。

その後、裏道を歩いていると食事ができる小さなお店を見つけた。
外側にはリンネルのカーテンと油だらけのランタンがあり、
室内の騒々しい喫煙者がさらにち怪しげな雰囲気を醸し出していた。
私はビールを頼みたくて日本語で書かれたメニューに指を突きつけた。

淡い色の液体が入ったタンブラーが2つ届いた。
「ウィスキーに見えるんだけど」と私は笑いながら言った。ウィスキーだった。
しかし、やはりスタッフはとても頼りになり、楽しそうに笑っていた。
私たちは少しの日本語と少し英語でどうにかやりすごし、
かつお節がのった巨大なトウガラシの網焼きともち米(おこわ?)が添えてある美味しいスズキを堪能した。

短い車両の電車とフェリーに乗り、広島からユネスコ世界遺産の宮島に渡った。
鹿が自由に歩き回り、旅行者を小突いていた。
悲しいかな、ここの動物は人間と密に接していたため、
食べるためにごみをあさり飢えたヤギのように紙でできた地図さえ食べるようになった。
しかし、もし極度に商業化された入り江から距離をおけば、島はさらに穏やかで魅力的になるだろう。

ここには思いのほか素晴らしい水族館があり、カワウソやサメ、ネズミイルカなど楽しみに満ちていた。
ミズクラゲは白から青に、そしてピンクから緑に色を変えていた。
丘の上には緑に覆われた庭を通り抜けるとまぶしさをふせぐブリキの屋根の寺があった。
鐘が鳴り響き、編まれた小さい帽子とよだれかけをつけている多数の微笑んだ仏像は
ほとんどが風雨にさらされ老朽化し、威厳さえ漂わせていた。

後ほど花火大会がある事がわかり、
急に島全体が派手な着物を着た恋愛中の若いカップルであふれだした
どうやら、若い人が伝統的な服をとりわけデートで着ることが再びファッショナブルになったようだ。
男性や女性が輝くように恋をしているのを見ると嬉しくなる。
私たちはあぐらをかいて夕食にうなぎやカキを食べ、それから島に咲く花火を見た。


(伏見稲荷大社でエマと。)

例によって効率の良い新幹線が私たちを福岡に運んだ。「日本の南の玄関口」だ。
田園地方を走り抜けるごとに景観が変わっていく。
息をのむような霞が山の上に絡みついていた。
パウダーブルーの瓦屋根の上に一筋の日の光がさし、白い翼を広げた鶴が水田にいた。
突如としてここは異国だということを理解した。

私たちは各駅停車の旅をした。
私たちは直接見られなかったが、地元の特別なお祭りをビデオで見た。
白いシャツを着た何百もの男たちが巨大な山車を6本のポールで運んでいた。
尻を出していなければ、まるで牛追い祭りのようだ。
シャツは最近になって着るようになったそうだ。
裸同志で近づきすぎると攻撃的になると思ったからだ。
彼らがズボンをはこうと思わなかった理由が私にはわからない。

その夜、盛大なファンファーレと共に私たちは悪名高いフグを食べに2つ星レストランに連れていかれた。
フグはシアン化物質よりも人を死に至らしめるので、中毒の可能性がある。(有毒性を強調しておく)
ほんの一部分だけが食用になる。
レストランはとても小さく、質素で、仕切りの紙からは予想通りシダーの香りがした。
私たちは、キッチンをまわるショートツアーをさせてもらった。
調理用に箱に入って届くフグを見たら靴に似ていた。

私たちは支配者の監視のもとで国王の食べるものを毒見する係のように、
食べてるところを注意深く観察された。
フグ自体は不思議なほど味気が無い。
ほんの少しトゲがあり、虹色に変化する色合いは路上に漏れたガソリンのようだ。
だが、魚を浸す時に付いていた香味(小さいリーキ、わけぎ、リゾットも)は美味しかった。

そしてコース料理は思いのほか続けざまに運ばれてきた。
まるでHarry Ramsden'sのようだが、こちらは死ぬかもしれないスリルが伴う。
※Harry Ramsden'sはフィッシュ&チップスなどがあるファーストフードレストランです。

次は長崎、鹿児島、京都、そして東京です。