御大日本旅行記の続きです。
今回は広島~宮島、そして福岡です。
※博多のお祭りの訳を修正しました。
元記事はこちらから。
Mark Gatiss' train trip through Japan
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/fb/00d2b5c0fce1e2c9dba335bbb836cc94.jpg)
(金閣寺で)
次の日、私たちは広島に向けて出発し、新幹線を初めて経験した。
とてもかわいらしい子供と有能なスタッフがたくさんいて、彼らは各車両に出入りし挨拶をしていた。
英国とは礼儀正しさと親しみやすさのレベルが驚くほど違っていて、恥ずかしいくらいだ。
広島は破壊された場所だ。
今は賑やかな近代都市だがやはり1945年8月6日の出来事によって定義づけられ、
至る所にあるシンボルは原爆の震源地からどのくらい距離に立っているかを示していた。
原爆によって破壊されたドームは平和公園の中にあり、付随の博物館が率直に語っている。
腕時計はすべて午前8:15で止まっており、
溶けたメガネや燃えて血だらけになった子供の服や抜け落ちた髪の毛、指の爪も展示されていた。
私たちは身が引き締まり心を動かされ、爽やかな夕暮れの中たくさんの人たちに思いを馳せた。
その後、裏道を歩いていると食事ができる小さなお店を見つけた。
外側にはリンネルのカーテンと油だらけのランタンがあり、
室内の騒々しい喫煙者がさらにち怪しげな雰囲気を醸し出していた。
私はビールを頼みたくて日本語で書かれたメニューに指を突きつけた。
淡い色の液体が入ったタンブラーが2つ届いた。
「ウィスキーに見えるんだけど」と私は笑いながら言った。ウィスキーだった。
しかし、やはりスタッフはとても頼りになり、楽しそうに笑っていた。
私たちは少しの日本語と少し英語でどうにかやりすごし、
かつお節がのった巨大なトウガラシの網焼きともち米(おこわ?)が添えてある美味しいスズキを堪能した。
短い車両の電車とフェリーに乗り、広島からユネスコ世界遺産の宮島に渡った。
鹿が自由に歩き回り、旅行者を小突いていた。
悲しいかな、ここの動物は人間と密に接していたため、
食べるためにごみをあさり飢えたヤギのように紙でできた地図さえ食べるようになった。
しかし、もし極度に商業化された入り江から距離をおけば、島はさらに穏やかで魅力的になるだろう。
ここには思いのほか素晴らしい水族館があり、カワウソやサメ、ネズミイルカなど楽しみに満ちていた。
ミズクラゲは白から青に、そしてピンクから緑に色を変えていた。
丘の上には緑に覆われた庭を通り抜けるとまぶしさをふせぐブリキの屋根の寺があった。
鐘が鳴り響き、編まれた小さい帽子とよだれかけをつけている多数の微笑んだ仏像は
ほとんどが風雨にさらされ老朽化し、威厳さえ漂わせていた。
後ほど花火大会がある事がわかり、
急に島全体が派手な着物を着た恋愛中の若いカップルであふれだした
どうやら、若い人が伝統的な服をとりわけデートで着ることが再びファッショナブルになったようだ。
男性や女性が輝くように恋をしているのを見ると嬉しくなる。
私たちはあぐらをかいて夕食にうなぎやカキを食べ、それから島に咲く花火を見た。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/ec/406b72b77b169f8eb7b7b580d0da5bcd.jpg)
(伏見稲荷大社でエマと。)
例によって効率の良い新幹線が私たちを福岡に運んだ。「日本の南の玄関口」だ。
田園地方を走り抜けるごとに景観が変わっていく。
息をのむような霞が山の上に絡みついていた。
パウダーブルーの瓦屋根の上に一筋の日の光がさし、白い翼を広げた鶴が水田にいた。
突如としてここは異国だということを理解した。
私たちは各駅停車の旅をした。
私たちは直接見られなかったが、地元の特別なお祭りをビデオで見た。
白いシャツを着た何百もの男たちが巨大な山車を6本のポールで運んでいた。
尻を出していなければ、まるで牛追い祭りのようだ。
シャツは最近になって着るようになったそうだ。
裸同志で近づきすぎると攻撃的になると思ったからだ。
彼らがズボンをはこうと思わなかった理由が私にはわからない。
その夜、盛大なファンファーレと共に私たちは悪名高いフグを食べに2つ星レストランに連れていかれた。
フグはシアン化物質よりも人を死に至らしめるので、中毒の可能性がある。(有毒性を強調しておく)
ほんの一部分だけが食用になる。
レストランはとても小さく、質素で、仕切りの紙からは予想通りシダーの香りがした。
私たちは、キッチンをまわるショートツアーをさせてもらった。
調理用に箱に入って届くフグを見たら靴に似ていた。
私たちは支配者の監視のもとで国王の食べるものを毒見する係のように、
食べてるところを注意深く観察された。
フグ自体は不思議なほど味気が無い。
ほんの少しトゲがあり、虹色に変化する色合いは路上に漏れたガソリンのようだ。
だが、魚を浸す時に付いていた香味(小さいリーキ、わけぎ、リゾットも)は美味しかった。
そしてコース料理は思いのほか続けざまに運ばれてきた。
まるでHarry Ramsden'sのようだが、こちらは死ぬかもしれないスリルが伴う。
※Harry Ramsden'sはフィッシュ&チップスなどがあるファーストフードレストランです。
次は長崎、鹿児島、京都、そして東京です。
今回は広島~宮島、そして福岡です。
※博多のお祭りの訳を修正しました。
元記事はこちらから。
Mark Gatiss' train trip through Japan
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/fb/00d2b5c0fce1e2c9dba335bbb836cc94.jpg)
(金閣寺で)
次の日、私たちは広島に向けて出発し、新幹線を初めて経験した。
とてもかわいらしい子供と有能なスタッフがたくさんいて、彼らは各車両に出入りし挨拶をしていた。
英国とは礼儀正しさと親しみやすさのレベルが驚くほど違っていて、恥ずかしいくらいだ。
広島は破壊された場所だ。
今は賑やかな近代都市だがやはり1945年8月6日の出来事によって定義づけられ、
至る所にあるシンボルは原爆の震源地からどのくらい距離に立っているかを示していた。
原爆によって破壊されたドームは平和公園の中にあり、付随の博物館が率直に語っている。
腕時計はすべて午前8:15で止まっており、
溶けたメガネや燃えて血だらけになった子供の服や抜け落ちた髪の毛、指の爪も展示されていた。
私たちは身が引き締まり心を動かされ、爽やかな夕暮れの中たくさんの人たちに思いを馳せた。
その後、裏道を歩いていると食事ができる小さなお店を見つけた。
外側にはリンネルのカーテンと油だらけのランタンがあり、
室内の騒々しい喫煙者がさらにち怪しげな雰囲気を醸し出していた。
私はビールを頼みたくて日本語で書かれたメニューに指を突きつけた。
淡い色の液体が入ったタンブラーが2つ届いた。
「ウィスキーに見えるんだけど」と私は笑いながら言った。ウィスキーだった。
しかし、やはりスタッフはとても頼りになり、楽しそうに笑っていた。
私たちは少しの日本語と少し英語でどうにかやりすごし、
かつお節がのった巨大なトウガラシの網焼きともち米(おこわ?)が添えてある美味しいスズキを堪能した。
短い車両の電車とフェリーに乗り、広島からユネスコ世界遺産の宮島に渡った。
鹿が自由に歩き回り、旅行者を小突いていた。
悲しいかな、ここの動物は人間と密に接していたため、
食べるためにごみをあさり飢えたヤギのように紙でできた地図さえ食べるようになった。
しかし、もし極度に商業化された入り江から距離をおけば、島はさらに穏やかで魅力的になるだろう。
ここには思いのほか素晴らしい水族館があり、カワウソやサメ、ネズミイルカなど楽しみに満ちていた。
ミズクラゲは白から青に、そしてピンクから緑に色を変えていた。
丘の上には緑に覆われた庭を通り抜けるとまぶしさをふせぐブリキの屋根の寺があった。
鐘が鳴り響き、編まれた小さい帽子とよだれかけをつけている多数の微笑んだ仏像は
ほとんどが風雨にさらされ老朽化し、威厳さえ漂わせていた。
後ほど花火大会がある事がわかり、
急に島全体が派手な着物を着た恋愛中の若いカップルであふれだした
どうやら、若い人が伝統的な服をとりわけデートで着ることが再びファッショナブルになったようだ。
男性や女性が輝くように恋をしているのを見ると嬉しくなる。
私たちはあぐらをかいて夕食にうなぎやカキを食べ、それから島に咲く花火を見た。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/ec/406b72b77b169f8eb7b7b580d0da5bcd.jpg)
(伏見稲荷大社でエマと。)
例によって効率の良い新幹線が私たちを福岡に運んだ。「日本の南の玄関口」だ。
田園地方を走り抜けるごとに景観が変わっていく。
息をのむような霞が山の上に絡みついていた。
パウダーブルーの瓦屋根の上に一筋の日の光がさし、白い翼を広げた鶴が水田にいた。
突如としてここは異国だということを理解した。
私たちは各駅停車の旅をした。
私たちは直接見られなかったが、地元の特別なお祭りをビデオで見た。
白いシャツを着た何百もの男たちが巨大な山車を6本のポールで運んでいた。
尻を出していなければ、まるで牛追い祭りのようだ。
シャツは最近になって着るようになったそうだ。
裸同志で近づきすぎると攻撃的になると思ったからだ。
彼らがズボンをはこうと思わなかった理由が私にはわからない。
その夜、盛大なファンファーレと共に私たちは悪名高いフグを食べに2つ星レストランに連れていかれた。
フグはシアン化物質よりも人を死に至らしめるので、中毒の可能性がある。(有毒性を強調しておく)
ほんの一部分だけが食用になる。
レストランはとても小さく、質素で、仕切りの紙からは予想通りシダーの香りがした。
私たちは、キッチンをまわるショートツアーをさせてもらった。
調理用に箱に入って届くフグを見たら靴に似ていた。
私たちは支配者の監視のもとで国王の食べるものを毒見する係のように、
食べてるところを注意深く観察された。
フグ自体は不思議なほど味気が無い。
ほんの少しトゲがあり、虹色に変化する色合いは路上に漏れたガソリンのようだ。
だが、魚を浸す時に付いていた香味(小さいリーキ、わけぎ、リゾットも)は美味しかった。
そしてコース料理は思いのほか続けざまに運ばれてきた。
まるでHarry Ramsden'sのようだが、こちらは死ぬかもしれないスリルが伴う。
※Harry Ramsden'sはフィッシュ&チップスなどがあるファーストフードレストランです。
次は長崎、鹿児島、京都、そして東京です。
かなり覚悟して行ったのですが、金閣寺以外はほとんど曇りだったので、思ったより暑さを感じずにすみました。
さすが脚本家さん、文章が上手いですよね。
箱に入ったフグが靴に似ていたっていう表現、面白いです^^
広島や福岡にまで来て下さったなんて、何だか嬉しくなってしまいます♪
次回の旅行記も楽しみです^^
お祭りは博多のお祭りだったんですか!
で、ちょっと調べたらこのお祭りって7月だったんですね。
じゃ、ビデオのところは撮り損ねたんじゃなくて、参加できなかったけどビデオで見たって言ってるんだわ。
すみません、ありがとうございます!
モグモグさんがそのお話をしてくれなかったら、気が付かなかったです。
法被をシャツ、確かに~
うちのお祭りはダボシャツって言いますけど、白いシャツって言われると、あれ?って思うかも。
お尻のお手入れ、おおー、そうなんですか。
それを言ってあげたらもう少し感動したかもですね。
御大、本当はもっといっぱい書いてそうだけど、字数制限があってかなり端折っちゃっている気もします。
残りはあと少しなのですが、頑張りますね^^
こんばんは~
えー、京都に行かれたんですか!
佳音さんも御大とニアミスだったんですね。
私は夏に行ったことはないのですが、曇りとはいえやはり暑いんでしょうか。
文章、本当に上手ですよね。
私のせいで半減してますが・・・
表現とか、目の付け所も面白いなーと。
やっぱり作家さんの感性ってちょっと違うんですね。
特に九州をこんなにまわっていたなんて、びっくりですが嬉しいですね~
「Sherlock」を一目見て
作品のクオリティーの高さに驚き
製作者の方を心から尊敬している1人です
御大の旅行記を訳していただき
喜びのあまり、御礼をかねて
しゃしゃり出てまいりました
あの「Sherlock」を世に出した方が
日本の風景を、美しい単語で表現してくださるのは
感激です!
dicoさまの日本語も大好きです
本当にありがとうございます
数々の賞に関して、いろいろな意見が
飛び交っていますね
私は全て受賞してほしいと思っています
作品に関心を持つ
→役者に関心を持つ
→役者の過去の作品に関心を持つ
→「Sherlock」にたどり着く
なんて人が少しでも居たら嬉しいです
(いないかな(笑))
ピンクやライヘンを見て感動してほしいのです
日本でもSherlockの撮影技術や、
コンセプトを模倣したドラマを
見かけるようになりました(悲)
本物(笑)を見てファンが増えてくれるよう
毎日願っています☆
これからも、楽しみにしています!!!
こちらこそ初めまして!
読んでいただいて、さらにコメントまで!嬉しいです、ありがとうございます!!
尊敬、わかりますよ。
あのクオリティの高さには私も本当に驚きました。
なので御大が日本にきてくれただけでも感動なのに、旅行記まで書いてくれるなんて感涙ですよ。
日本語、わわー、ホントですか?そう言って頂けると本当に嬉しいです。
賞に関しては、そっかー、確かにそれでSherlockにたどり着いてくれれば嬉しいですよね。
世界ではこんなに盛り上がっているのに日本では何だかイマイチ浸透していないような気がして・・・
模倣ドラマ、かなり増えているんですかね。
Sherlockを知らないとそちらがオリジナルだと思われてしまうのは悲しいですよ~
1話目を見れば絶対にその世界に引き込まれると思うので(言い過ぎ?)
ベネディクトや関係する方たちの受賞でそのきっかけを作れるなら、本望ですよね。
soraさんも、これに懲りずにぜひまたお気軽にコメントしてくださいね!
金閣寺を背景に写るゲ兄がかなりいい感じで
役者ではなく旅人としての姿をみたような気がしています。
不思議なのですが・・・
dicoさんは、日本語の声優さんのゲ兄の声を聞かれたことはありますか?
読んでいて、脳内変換されてすべてあの声で読んでいる私がおります。
なんと文面も同じ人が訳しているかのような気がしてくるほどです。
dicoさんは、やはり実力がおありだとつくづく感激しています。
案内役の人が、ふつうでは感じられない日本の少し奥の方に連れて行ってしまった感じがおかしいですね。
読み物としてとても楽しかったです。ありがとうございました。
ゲイティスさんの旅行記、訳してくださってありがとうございます!本当にいろんなところへ行って、楽しんでくれたみたいで、嬉しいですね~通訳とかつけないで行ったみたいな感じですね~普通の旅行者として楽しんでる感じが、またいいですね。
金閣寺での写真、自分も行ったことのある場所でゲイティスさんが写ってるのが、なんとも言えず嬉しいです。広島の原爆ドームは、私行ったことがないのですが、こういう記事を見ると、やっぱり一度は行かなきゃなぁ・・と思ったりもします。
フグはゲイティスさん、自分が食べたいから食べに行ったのか、スポンサーがセッティングしたから仕方なく(?)行ったのか・・・なんだか、恐る恐る食べてる感じがして、なんだか可愛いです(笑)
パート3も楽しみにしてます!
こんにちは!
読んでくださって嬉しいです。
写真の御大、いいですよね。
日本を満喫している感じが伝わってきます。
吹き替え、予告編は見たことがあるのですが本編は見たことがないのでマイクロフトの声は聞いたことないです。
調べてみたら、俳優さんなんですね。
脳内変換、わかります~!私はすっかり御大のマイクロフトで変換されました。
実力、いやいやいやいや、それは誤解です(笑)
でもそんなふうに言って頂けて、そして楽しんでいただけてすごく嬉しいです!
頑張った甲斐がありました。
先ほど続きをUPしたので、また読んでやってくださいまし。
こんばんは!お久しぶりです。
風邪、治ったんですね、良かったです。
私も昨日から何だか風邪気味で、ティッシュが無いと生きていけなくなっています(悲)
今回の旅行の写真、ガーディアンの日本支社?の方たちが撮影しているみたいなので
要所要所では同行していたのかもしれません。
フグは多分、その人たちに連れていかれちゃったのかもですね(笑)
最後までフグの毒を気にしていたのも面白かったです。
金閣寺、私も御大と同じアングルで撮影しましたよ~!
嬉しいですよね。
御大の文章、予想以上に難しかく、悪戦苦闘しちゃいました。
そして、知識も豊富だなーと感心しちゃいましたよ。
先ほど3をUPしましたが、春か秋に再来日するとか書いてありましたよ!
どうします?(笑)