呑んべぇ爺さん

呑んべぇ爺さん「音岳」の記録とつぶやき

放射性物質降下推移 & 福島原発の事故原因

2011年05月07日 | つぶやき

【「日本の環境放射能と放射線」サイトのグラフに書き加えました】

 約1ヶ月前の4月6日の「核実験の影響と感覚的理解」でも放射性物質降下の推移のグラフは掲載しましたが、今回、別の放射性物質降下の推移のグラフを見つけました。出所は同じ文部科学省の2件です。

  1. 昨年末の報告で「第51回環境放射能調査研究成果論文抄録集(平成20年度)」(P3~P4の気象研究所 地球化学研究部による、「放射性降下物の長期変動と再浮遊に関する研究」:PDF)
  2. 文科省からの委託による「財団法人日本分析センター」の「日本の環境放射能と放射線」サイトの「ライブラリー」の中の「過去の出来事」で「測定データで見る「過去の出来事」」があります。


 1つ目の、研究では気象研究所観測露場に設置した大型水盤(4平方m)での測定なので高円寺・筑波と地点がはっきりしていますが、2つ目はどのエリアのデータなのかの説明がありません。全世界の平均なのか、北半球の平均なのか、日本の平均なのか、特定の地点なのかがよく判りませんが、傾向は判ります。

 この傾向が今回の福島第1原子力発電所の事故でどのように変化したのか、同じ次元での比較・追記した上での早い報告が期待されます。

 「日本の環境放射能と放射線」サイトの「環境放射線データベース」では色んなデータをグラフ化出来ますので便利です。事故前の福島県の「空間方射線量率」や、「福島県における月間降下物中の各核種の経年変化」を作ってみました。

 また、高エネルギー加速器研究機構(KEK)でも3月28日以降の「つくば市で観測された空気中の放射性物質空気中濃度の経時変化」が棒グラフで示されていました。色々、次元が違うので判り難いですが、傾向は読み取れます。

 


【第51回環境放射能調査研究成果論文抄録集(平成20年度)のP3より】
1平方メートルあたりのミリベクレル



【Cs137とSr90の2つの核種の経年変化のグラフが載っています。
1平方キロメートルあたりのメガベクレル

 


【福島県でグラフ化しましたが、2009年度までのデータがありました】
(1時間あたりのナノグレイ)



 
          
【上の2グラフの傾向と同じでした】
1平方キロメートルあたりのメガベクレル



【つくば市で観測された空気中の放射性物質空気中濃度の経時変化】
(縦軸は濃度【1立方cmあたりの10のマイナス6~7乗ベクレル


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 4月5日に「原発の津波対策と地震対策」の中で以下のように疑問に思うことを書きました。

 【未だ地震そのものによる被害が分析・発表されていませんので、今回の原発事故は津波由来だけなのかは判りませんが、原発が強固な岩盤上に建てられていたならば、地震そのものによる被害は少なかったように思えます。しかし、本当に地震だけの影響はどの程度だったのかについては検証する必要があると思います。距離も近い、「福島第1原発」と「福島第2原発」の差は一体何だったのだろうか?と思います。検証を期待します。】

 これに対して、気になる情報があります。「外部電源喪失 地震が原因」と保安院が認めたとの一部の報道や「BS11 にっぽんサイコー!」です。こんな報道は他のマスコミでは取り上げていませんので真偽はよく判らないのですが、真実だと大問題です。原子力の信頼性の根幹である冷却電源が津波の影響のない場所での鉄塔倒壊による電源喪失だったとすれば、東電発表による事故原因が想定外の事態だったという津波原因に目を向けさせる誘導になります。

 真実だとすれば、どうしてこんな重要な事実をマスコミ他社は報道しないのでしょうか。電気新聞での鉄塔倒壊の記事はありますが、送電線の必要性は「所内電力」用電源との表現で、これが一般人には「原子炉冷却」用電源でもあるとは判らない報道です。(なお、この「電気新聞」は電気関係者用の専門新聞なので、この表現はおかしくはありませんが)。

【「BS11 にっぽんサイコー!」のフリップより】


【グーグル地図より描画】

 津波による災害という原因が違えば、対策・対応も違ってきます。



1 コメント

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ヤッパ (obusa)
2011-05-07 06:45:15
理系やネ(@_@;)グラフと単位をどう理解したらよいのかサッパリわかりまへん(-_-;)最後の外部電源喪失が地震によるものとは、私も初めて知りました。
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