呑んべぇ爺さん

呑んべぇ爺さん「音岳」の記録とつぶやき

南アルプス縦走(10日目)[高望池~仙水小屋]

2007年08月09日 | 南アルプス

 昨日余裕があったので、今日も4時過ぎの早立ちできる。昨夜は雨が降らなかったので、撤収テントも乾いていて気持ちが良い。今日は「仙水小屋」を目指して、午前中に着けば、「甲斐駒ケ岳」をピストンしょうと思いながら出発する。

 最初、暫くは樹林帯の中を登る。いつの間にか、「伊那荒倉岳」も「苳(フキ)ノ平」も通過してしまっている。暫くして、夜が白んでくると東の「北岳」の方の山の端付近が黄色く染まってくる。日の出の時に樹林帯であるが、タイミング良く尾根筋に出たので、樹林の間から日の出が見える。1時間程で、ハイマツ帯に出て見晴らしがよくなる。

 5:30頃に「2676mピーク」で初めて360°の展望が得られると天気も良く、気分は最高だ。「2755mピーク」を越えると、窪地にお花畑が出てくる。花が散ったあとの毛だけのチングルマや、タカネシオガマ?、ハクサンイチゲ?、チシマギキョウ?などの名前は自信が無い花や、名前も浮かばない色とりどりの花が次々現れる。それに白い泡のようなコケ?草?が敷き詰められたりもしている。
【夜明けの山の端】
【夜明けの甲斐駒とアサヨ峰】
【珍しく開けた所】
【ハイマツ帯になる】
【2676mピークから2755mピークと大仙丈岳・仙丈岳】
【2755mピークへ】
【この付近では高山植物が多く見られた】
【チングルマの羽毛】
【タカネシオガマ?とハクサンイチゲ?と白い○○○?】
【○○○○?と千島桔梗?】
【○○○○?】

 「大仙丈岳」に近づくと、中高年女性2人組がペチャクチャ喋りながら降りてくる。今日、初めて出会う人達だ。こちら方面に下って来る人は少なく、この後、数人しか出会わなかった。7:20頃「大仙丈岳」に着き振り返ると、今まで通ってきた山々がくっきり見え、「荒川中岳」辺りまで確認できたが、ガスで何も見えなかった「聖岳」以前の山は、形を覚えていないので判別できなかった。

 西の方に、「木曽駒ケ岳」や「宝剣岳」の「木曽山脈」と、右後ろに「御嶽山」も見える。北の方に目を向けると「北アルプス連峰」が遠くに見えるが、個別の山の識別は小さくて難しく、「槍・穂高」だけは何とか判る。目指す「仙丈岳」の山頂に点のように見える大勢の人が、動くので確認できた。ここまで来ると「甲斐駒ケ岳」は「小仙丈岳」に隠れてしまう。 
【大仙丈岳へ登り途中のパノラマ:北岳方面】
【振り返る】
【大仙丈岳へ】
【大仙丈岳】
【大仙丈岳から振り返る】
【大仙丈岳山頂パノラマ】

  8:15に「仙丈岳」に着くと、大勢の人で一杯で、もう直ぐ30人の団体が上がってくると言っている。眼下に「仙丈避難小屋」もはっきり見えるし、「馬の背ヒュッテ」も屋根が小さく見える。そちらの方面から団体が登って来るのも見えた。「大仙丈岳」山頂と比べて、「塩見岳」の奥に、「悪沢岳」が重なっているがはっきりしてくる。「甲斐駒ケ岳」も再び現れて、その左手裏に「八ヶ岳連峰」もくっきり見え、「早川尾根」から「鳳凰三山」も小さく見える。それに、「北岳」の左肩に「富士山」も現れる。遠望を堪能したので、長居は無用だ。「小仙丈岳」を越えるルートで直ぐに下る。

  次々登って来る人と出会う。途中何度も振り返ったり、「小仙丈岳」やあちこちで写真を撮りながらグングン下る。すぐに、「甲斐駒ケ岳」の麓の「北沢長衛小屋のテン場」だろう沢に、色とりどりのテントが小さく見える。その上と「仙水峠」の間に、見えないが、今日の目的地の「仙水小屋」があるのだ。

  ザックも随分軽くなってきているので、大勢の人を追い越して下る。途中5合目の「大滝の頭」では大勢の人が休憩していて通りにくかった。「北沢長衛小屋」への分岐では、「北沢峠」への道を外れて近道を取る。北沢の林道に11時前に着き、マイクロバスが見えて、何故か都会に戻った気分になる。目指す「仙水小屋」へ、何とか午前中に着けそうだ。

  上から見えた、「北沢長衛小屋」のテン場は多くのテントであふれていた。小屋の寒暖計は23℃にもなっており、日差しも強く暑いくらいだ。「北沢峠」への道は最初、林道のように広かったが、次第に登山道になって来る。沢に架けてある丸太橋を2回渡って、11時半過ぎに「仙水小屋」に着いたが、小屋の方は準備に忙しいのか直ぐ受付してもらえず、テントを張ってから来るように言われる。

  ここのテン場は小屋から上に、登山道沿いに点々とあって11張りしか張れない。既に半分くらい張られていた。受付を済ますと12時半を回ってしまったが、ザック「オスプレーのクレセント75」の着脱式アタッチネントのサブザック「ソロ」を外して最低の装備を持って出発するが、ほぼ空身の気分だ。
【大仙丈岳を振り返る】
【仙丈岳】
【仙丈岳へ、山頂は一番高く見える左のピーク】
【仙丈岳へ、山頂は人の大勢居る左のピーク】
【仙丈岳山頂パノラマ】
【仙丈岳山頂から避難小屋方面】
【仙丈岳を振り返る】
【小仙丈岳から仙丈岳方面を振り返る】
【北沢峠への下り途中パノラマ(甲斐駒ケ岳から鳳凰3山方面】
【北沢峠への下り】
【北沢峠への下り】
【北沢長衛小屋への分岐(近道)】
【北沢林道に到着】
【北沢長衛小屋のテン場】
【北沢長衛小屋】
【仙水小屋へ】
【仙水小屋へ】
【仙水小屋】
【仙水小屋テン場】

  少し登ると、甲斐駒側の左手の山肌がガレキで覆われ始め、足元もガレキを踏んで登って行くルートになる。明日、見通しの効かない暗い内に出発するのなら、初めて登る道なので、良い偵察になると思う。「仙水峠」に着いても誰にも会わない。

  「仙水峠」から登り始めると、下って来る人にたまに出会うが、さすがに今頃から登る人は居ないだろう。時間に余裕はそんなに無いのでピッチを上げる。このルートは結構急な坂が多い。「駒津峰」に着くと、3人程が休んでいた。通過した後、出会った人は5人程度で、山頂に15時過ぎに着く。甲斐駒には何度も登っているので、登った事の無いルートから単にピークハントしたという気分だ。東側に雲が湧いたり消えたりしているので、摩利支天方面から直ぐ下り始める。

  「駒津峰」まで戻ると、テント装備のザックを持った単独の若者が休んでいる。これから七丈小屋まで行くのかなと思う。同じ道を下るのも面白く無いないので、「双児山」の方に下る。この下りでもテント装備のザックを担いで登って来る2人の若者に出会う。自分も遅いが、16時半を回っているので、彼らはどうするのかなと少し気になる。

  「北沢峠」の「長衛荘」に着くと、予想以上に時間がかかって18時を少し回っていた。行動食は持っているが、都会に戻った気分で、何かうまい物が食べられないかと「長衛荘」に入ってみる。おかみさんから下って来る夫婦に出会わなかったかと聞かれる。泊り客が夕食時間にまだ帰ってこないようだ。自分は「双児山」の方から来たが誰も追い越さなかったと伝える。

  運良く、食事は牛丼なら作ってあげると言われて、値段も聞かずお願いする。味噌汁にお漬物が付いたドンブリにタップリの牛丼で久し振りに食事をした気分になって大満足する。それに800円で良いと言われ、予定外に久し振りに食事を頂けて感謝感謝である。ビールも飲もうかとも思ったが、アルコール濃度の薄い中途半端なものは止める事にする。

  「北沢峠」から、「仙水小屋」に戻る途中の広い林道で、捜されていた夫婦らしき人が、力無くトボトボ歩いているのにすれ違う。恐らく「仙水峠」から下ってきたのだろうが、何とか明るい内に見つかって良かったなと思う。後は、テントに帰って寝るだけだ。明日は、どこまで行けるかな?と思いながら寝る。
【山肌がガレキで覆われ始める】
【ガレキで覆われた道を仙水峠へ】
【仙水峠へ】
【仙水峠】
【仙水峠から甲斐駒ケ岳】
【駒津峰への登り】
【駒津峰への登り】
【駒津峰への登り途中からの甲斐駒ケ岳】
【駒津峰から甲斐駒ケ岳】
【駒津峰から一旦下り途中の甲斐駒ケ岳】
【甲斐駒ケ岳へ】
【甲斐駒ケ岳へ】
【甲斐駒ケ岳山頂】
【六方石への下り】
【六方石】
【双児山へ】
【双児山山頂】
【長衛荘に着く】
【北沢峠から、テントに向かって帰る】

(高望池~仙水小屋:38,146歩)



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