呑んべぇ爺さん

呑んべぇ爺さん「音岳」の記録とつぶやき

厳冬期富士山の単独登頂1(吉田口登山道)

2007年02月02日 | 富士山
【今日の宿泊地付近の六角堂】


一度、厳冬期の富士山に挑戦してみたいと、ずっと思っていた。11月と5月の雪の富士山に登った事はあるが厳冬期とは別次元だろう。ピンポイント天気予報の「富士山」と「富士吉田」では日曜まで晴れで絶好の天気のようだけれど、異常な暖冬が続く中で、正月前以来の強い冬型気圧配置で、問題は昨日から北西~北の風の予報の風と、寒気団の南下だ。こればかりは現地に行かなければ判らない。

取り敢えず体験して見たいので、5合目付近の佐藤小屋の上の六角堂付近でテントを張って、問題なく登れそうな所まで経験する事から始めようと今日休暇を取り、昨日出発する。

昨夜「中の茶屋」までは除雪されているが、その先、積雪は30cm程度でわだちが残っていて、ティット号でどこまで入れるかと思っていたが、「馬返し」まで到着できた。途中、わだちは軽のティット号には広くて深かったので、雪で腹を擦りながらフラフラしながらも何とか進める。駐車場直前の登りでアイスバーン化しているのか、かなりスリップしてあせるが、YOKOHAMAブラックアイスガードiG20のスタッドレスが良かったのか、アクセルをふかし続けて何とか止まらずに今朝の2:50に到着できた。帰りが心配だ。

朝目覚めると、車の窓は全面氷が貼り付いていて車内の気温は-4℃だった。
【リアガラスの氷結】
出発準備をして外に出ると、快晴で、駐車場にはティット号以外に、昨年から放置されて警告されている車が1台止まっていた。
【駐車場への最後の登り】
【馬返し駐車場:1450m】
【駐車場奥から登山口方面】
10:25に出発する。積雪は40~50cm程度だろうが、トレースがしっかり付いている。
【ここから出発】
【禊所(みそぎじょ)へ向かう1】
【禊所(みそぎじょ)へ向かう2】
【最初の登り】

先週末にも大勢が入ったのだろう。さすがに吉田口登山道は昔からの由緒深い道で、広い参詣道になっていて伯耆大山のように新雪でも着雪した木の枝を払いながら進む必要は無い。この道は初めてだが、ルートファインディングの必要は無く安心して進める。
【1合目・鈴原天照大神社:1516m】
【石の標識】
【広い参詣道】
【次第に山らしくなる】

持ちすぎの傾向のある(装備食料を切り詰めようという発想の無い)25kgの重いザックを背負って、両手にストックでバランスを取りながら緩やかな登山道を登り、何箇所もの朽ちた小屋を通過し、林道を横断して4時間かかって佐藤小屋に到着する。

【二合目・富士御室浅間神社:1700m】
【2合目】
【2合目の先の御室浅間橋】
【緩やかな道が続く】
【林道「細尾野線」が見える】
【林道を横断:二合五勺1780m】
【三合目・三軒茶屋1842m】
【3合目の先の細尾野橋】
【三合五勺・大黒天1940m】
【開けて次第に明るくなる】
【明るくなると直ぐ四合五勺・御座石、井上小屋2140m】
【5合目と書いてある】
【五合目・朽ちた天地界館跡2170m】

【滝沢林道が見える】
【2回目の林道だ:2180m】
【滝沢林道をぐるっと左折】
【左折したら登山口にお稲荷さんが現れる】
【お稲荷さんからの道は狭い】
【再び林道(先程の林道の続きで近道しただけ)】
【佐藤小屋が見える】
【林道を行かずに登れば佐藤小屋】
【佐藤小屋に着いた:2235m】
【佐藤小屋のバイオ有料トイレ】
【佐藤小屋を振り返る】
【六角堂への道】
さすがに平日は小屋を営業していないようだ。今日は天気が良く、風も殆ど無かったが、森林限界に近いここまで来ると、さすがに少し風が出て来て、どこにテントを張ろうかと考えると、佐藤小屋の横の広場は風をまともに受ける。その上の星観荘から積雪に膝までズボっと入り出すのでザックをデポし、テント場予定の「六角堂」に偵察に出る。
【直ぐ上の星観荘】
【星観荘前:2245m】

直ぐに森林限界を抜けて視界が開けるようになり山頂も見える。山頂の上部に雲がかかっているが、雪煙は見られないので、風は弱そうだ。この状態が明日まで持ってくれるよう願う。
【山頂に雪煙は見えない】
【左が六角堂:2295m】

六角堂でもテントを張れない程ではないが風が強く、北西の風に対して南東の陰に当たる所を捜す。丁度良い所が見つかったので、ザックを取りに帰る。積雪の斜面をスコップで切り出して平らなテント場を作り、テント設営ができて潜り込めたのは、日暮れも近かった。

今日は満月に近いし、アタックは明日なので外張りまで張る設営は気楽に丁寧にできた。
冬用のアルミペグは最初はグサグサで強風が来たら直ぐに吹き飛ばされるだろうが、一晩持てば、雪が締まって大丈夫だろう。持参した自作の竹の十字ペグは撤収時、掘り起こすのが面倒なので使わなかった。

テントに入ると外で風が唸っているのがずっと聞こえるので、明日の風が心配だ。テント設営場所が良く、テントへの風は弱くて助かる。持参した携帯電話(Jフォン:古い時代のもの)の電源を入れるとアンテナマークが3本立ったので、佐藤小屋にでも基地局があるのかなと思う。何かの時の安心材料だ。暖かいカレーを作り、アルコールを飲みながらゆっくり一夜を過ごす。



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