呑んべぇ爺さん

呑んべぇ爺さん「音岳」の記録とつぶやき

奥駈け(4) 【深仙ノ宿-弥山】

2008年07月28日 | 大峰・奥駈け方面

【4日目】

昨夜、飲料水を沸かして冷ますなどで遅くなったので、今朝の目覚めは遅くなってしまった。先ず、香精水を見に行くと200ccも溜まっていない。これから先の時期の奥駆けは、水で苦労するなと思う。空は晴れて、日の出は美しい。

出発は5時半過ぎになってしまう。付近の草地はカラっとしていたので、「ポリ・シューズカバー」を着けずに出発する。登り始めて来た山々を振り返ると、山頂付近にガスがかかり始めているのに気付く。

今日は風があって気持ちが良い。その内、釈迦の方も深仙ノ宿から中腹以上がガスの中に入る。旭口への分岐から千丈平の水場を確認しに行こうと思っていたが、出発が遅れた事と、ガスっているので中止する。

釈迦ケ岳に着くと、昨年修復された釈迦如来像のシルエットがガスの中に浮かんでくる。山頂に長居もできないので直ぐ下り始める。杖捨て付近で中年カップルに出会ったので驚く。聞くと昨日、楊枝ノ宿小屋に泊まって、釈迦へピストンしているそうだ。

過去、両部分け辺りを歩く時は殆んどガスっていて、切り立った断崖を覗くことはできなかった。この辺は、恐らく孤立した断崖へ勤行に向うのか、誤って踏み入れる人が多い為か、道は行き止まりへ分岐している所が多い。

途中のトラバース地点では、笹が腰付近まである所もあるので、撥水性の高いズボンにも水が染み込み始める。靴の中もかなり濡れてくるので、今更、「ポリ・シューズカバー」を着ける気も起きず、楊枝ノ宿小屋で靴下を履き替えようと思う。

「孔雀覗き」で標識は「孔雀岳」と記されているものもあった。鳥の水に着いて驚く。取水用のパイプ2本が無くなっている。ここでは、誰かが地面を掘って水の有無を確認した穴ができていた。余程でないと、この水を汲む気にはならないだろう。

のっぺりした仏生ケ岳の西側を巻いて、暫く緩やかなアップダウンの道を行く。下り始めて暫くして、道の右手に下る分岐の先に楊枝ノ宿が見える。逆峰だと振り返らないと見えないので、細い分岐道を見逃して、楊枝ノ宿を見逃し易い所だ。

まず靴下を履き替え、日差しが少し出てきたので靴も外で乾かす。楊枝ノ宿でまだ早いけれど、行動食を取る。このため、ここで1時間半も長居してしまう。水場も見に行きたかったが休み過ぎなので諦める。

出発すると、ガスったり日差しが出たりの、はっきりしない空模様だ。楊枝の森を右手の「巻き道」開始地点で、再び石柱の標識が倒れていた。倒れている石柱の標識は昨日から2本目になる。

舟のタワを過ぎて、五鈷峰目前まで来ると西側斜面が(以前から)大きく崩落している。ここから明星ケ岳辺りまでのトラバース道も歩き難い所が多い。

八経ケ岳に近づくと、遠くでゴロゴロ聞こえ出す。時間を見ると15時前だ。楊枝ノ宿で休み過ぎた。せめて弥山には昼前後に着くつもりだったのが、出発が遅かったのと出発時から「ポリ・シューズカバー」を着けなかった失敗が響いている。

明星ケ岳(弥山辻)で初めて天川村の石柱の標識が現れる。十津川村と天川村の境界がここなのだ。ここ以北で青根ケ峰までは天川村の石柱の標識になるのだ。

八経ケ岳山頂手前に来ると、一気に暗くなって空模様が急変する。今にも降りそうなので、折り畳み傘を出して、ザックにカバーを付け、「ポリ・シューズカバー」を着けた途端、一気に大雨になる。

遠くの雷も気になるので山頂には向わず、じっとして待つ。静電気を感じないので大丈夫かなと思った途端、直ぐ近くでパーンと軽い音がする。落雷でなく空中雷だ。

さすが、暫くは山頂に向おうという気には成れなかった。小雨になって天候が落ち着いてから、素早く山頂を通過してホッとする。弥山の先どうしようかと思う。時間も遅い。雨もしっかり降っている。

行者還小屋まで雨の中を行けない事はないけれど、途中の尾根道で、未だに遠くで鳴っている雷に遭遇するも嫌だ。雨の中をテントを張るのも億劫になってきて、小屋での泊まりに決め込む。

小屋に申し込みすると、私以外誰も居ない。2食付き:8000円で、素泊まり:5500円でそんなに変らないが、南・北アルプスなどの山小屋レベルを想像していればがっくり来る程、弥山小屋の食事は質素で評判も悪いので、素泊まりを申し込む。

濡れた物を乾燥室で干す。小屋内部は手入れが行き届いていて気持ちが良いが、主人の愛想が悪い。入口廊下奥の自炊場で長椅子に座って長テーブルでゆっくり食事を作る。

現場で実際使うのが今回初めてのアルコール・バーナーは、風防さえすれば思っていたより早く湯が沸く。軽量化で今回ポリ食器を持って来なかった。持参したシェラカップには精々飲み物を移せるだけだ。

2つのバーナーを持っていても、鍋を空けない限り、燃える燃料を消さないと、効率良く加熱を続けられないのに気付く。

2つ同時に煮たり沸かしたりすると、余程準備を完璧にしてからでも慌しく忙しい。そのため、鍋の中の物を移す器が必要だと痛感する。次回からは必ず軽量の器を捜して持参しようと思う。

ラジオでは、大阪や神戸方面でも大雨になっていて、家に近い都賀川ので鉄砲水で死者が出たと報じている。明日も天候が不安定と言っている。今日のように出発が遅くならないよう早めに寝る。寝る頃も大雨が続いているので、小屋泊まりも正解だと思う。
(16,000歩:出発から到着まで)

【深仙ノの宿の日の出】
【釈迦への登り1】
【釈迦への登り2】
【振り返ると来た山々が見えるが、山頂付近に雲がかかってきた】
【旭口方面分岐ではすっかりガスの中に入る】
【釈迦ケ岳山頂】
【修復された釈迦如来像】
【釈迦からの下り始め】
【滑り易く下り難い道】
【トラバースの鎖】
【杖捨て鎖場の下り】
【ガラ場の下り】
【トラバースに入る】
【岩壁を迂回道】
【迂回道を登り返す】
【笹道に入る】
【ズボンまで濡れて来た】
【橡ノ鼻に向う】
【橡ノ鼻の岩壁麓に青銅の蔵王権現像
【相変わらずガスは晴れない】
【孔雀覗きポイント】
【歩き難い道】
【歩き難いゴーロのような道】
【鳥の水ポイント】
【取水パイプが無くなっている】
【誰かが作った掘り込みに、少し水が湧いている】
【この標識は十津川村03】
【仏生ケ岳に向う】
【倒木も多く歩き難い】
【歩き難い道】
【歩き難い道】
【また倒木】
【根こそぎの倒木】
【フラットな道が下り始めると】
【楊枝ノ宿が見える。逆峰だと見逃し易い】
【楊枝ノ宿】
【楊枝ノ宿からの登り始め】
【楊枝ノ森が正面に見えるが】
【楊枝ノ森「巻き道」開始地点で再び標識が倒れていた(十津川村02)】
【楊枝ノ森「巻き道」】
【楊枝ノ森「巻き道」終了点(十津川村01)】
【舟ノタワへ向う】
【舟ノタワ】
【明星ケ岳が見え始める】
【五鈷峰に向う】
【歩き難い道】
【五鈷峰が見えてきた】
【五鈷峰が目の前に】
【崩壊地点を見下ろす】
【仏生ケ岳を振り返る】
【トラバース気味にアップダウン】
【禅師ノ森の手前】
【八経ケ岳からの東南尾根が見える】
【明星ケ岳手前1】
【明星ケ岳手前2】
【明星ケ岳(弥山辻)】
【ここでは天川村に変っている】
【八経ケ岳山頂手前】
【八経ケ岳山頂】
【八経ケ岳からの下り】
【オオヤマレンゲ保護柵】
【古今宿跡付近から弥山への登り】
【弥山小屋】
【小屋内部】
【トランギアのアルコールバーナーに「チタン五徳」で1セット】
【バーゴの「チタントライアドストーブ」で2つ目のセット】
【腫れ上がった右腕】


【本日のコース】



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