明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



朝起きて広間で朝食をとり屋上の露天風呂へ。山奥の秘湯ではないので、浜名湖が一望といっても生垣や柵で目隠しされている。いつか某温泉にいったおり、はるか彼方の山から望遠レンズで撮る人間がいると聞いたからしかたないだろう。誰もいない露天風呂に仰向けに浮かび、青空を舞うトンビの腹を見上げる。 相棒Kさんのハイテンションは酔っ払っているゆえであり、覚せい剤と一緒で、その間も確実に体力は消耗している。風呂に入りぐったり。若いといっても60歳である。大人しくてこちらとしては丁度良いのだが。一休みしてタクシーで『航空自衛隊 浜松広報館』へ。 三島由紀夫は自衛隊で、当時の最新鋭音速ジェット機、『F-104栄光』(以下マルヨン)に乗っており、三菱エンピツと称された機体を男根に例えたエッセイを書いている。ここはそのマルヨンを展示しているだけでなく、コックピットに着座できることになっていて、今回はただそれを撮影するためだけに来ている。家族連れの順番待ちなどまっぴらなので、こんな日を選んだ。まっ先に展示している格納庫に行く。ここは一組に一人、パイロットスーツやヘルメットなど貸してくれるので、160センチと、三島と身長がほぼ一緒のKさんに着てもらい、物差し代わりにコックピットに坐ってもらうつもりである。ところが係りの女性がマルヨンは土日以外は着座できないという。何をいっている!こちらは事前に電話で確認しているのだ。問答するだけ無駄である。行ってみると鎖がかけてある。ほかの戦闘機が良くて、これだけ土日の意味が判らない。そばにいた説明担当の男性係員にいって鎖を外してもらう。当たり前である。 こういう展示会場にありがちだが、なんで蛍光灯や白熱灯など、ゴチャゴチャと様々な色温度の光を当てているのかさっぱり判らない。おかげで後処理が面倒である。一通り撮影し、地続きの浜松基地から飛び立つジェット機を眺めた。昼過ぎにバスで浜松駅。食事して東京へ。行きとは別人のKさん。哀しげなやつれ顔に変化している。広報館で買ったブルーインパルスの刺繍の入りキャップを、広いオデコを出して浅く被っているので、それじゃ競馬場のオジさんだよ。ちゃんと被ったほうが良いよ、といって別れた。

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