明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



確か養老孟司の言葉である。この仕組みのおかげで、とんだことになった訳だが。 蘭渓道隆坐禅図をイメージしていると、モチーフとしては巌窟や岩山、滝など、まさに水墨画のモチーフだが、あくまでカラー作品である。水墨画調にモノクロームも良いのではないか、という向きもあるが、私にいわせればモノクロームは被写体に自ら着彩する必要のない人専用のものである。自分で塗っておいてわざわざモノクロに、なんて気は起きない。やってみれば判る。 水墨画と浮世絵の、折衷案のようなものが頭に浮かんでいるのだが。三遊亭圓朝で、江戸、明治期の寄席を再現しようと思い、ついでに川瀬巴水などの新版画のニュアンスを出せないか試みたことはある。石塚式ピクトリアリズムのささやかな成果である。『蘭渓道隆坐禅図』。ノートにスケッチしていると、日本の風景とは言い難くなって来たので、いっそ来日前の宗の風景にしよう。これで蘭渓道隆師の予定の3カットのイメージが固まった。


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