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明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

休日  


北斎2作目が朝までに完成したので、連休最終日、飲み仲間のトラックドライバーと早いうちから集まる。たまにはなにもしない日があっても良いだろう。完成していなければ、今家で作業していたら上手くいったかもしれない、という想いに苛まれてしまう。 先日、昭和60年代に買った浮世絵の雑誌を読み返してみたら、驚くくらい北斎に関する研究が進んでいないという気がした。昨今の北斎ブームはどういうきっかけだったのだろう。シーボルトが注文した西洋画調の作品が北斎作と認定されたあたりなのか。正直言うと、北斎が言い残したように、もう10年も生きていれば判らなかったが、西洋画に対するアプローチは今一つ届かずの感が強い。 写真を陰影、遠近感まで見たまま描ける画法と考えると、私はそこからわざわざ陰影を引っぱがし、遠近感を歪まそうとしていた訳だから、北斎と真逆の方向に向いていたことになる。北斎を作る気になったのは、そのすれ違い方に縁を感じ、面白くもあった。 そもそも私が浮世絵に感心を持ったのは、九代目團十郎の1体目を作るために調べていて、みんな同じ顔に描かれているように見えた役者絵が、役者によって実は個性を描き分けられている、と気付いたあたりからだった。今の時代から見たら同じように見えるそんな微妙な味わいを、当時の庶民は感じ取っていたと思ったら、たいした文化であるな、と。

銀座青木画廊「ピクトリアリズム展Ⅲ』5月12日(土)〜5月25日(金)20日(日休)

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載6回「夏目漱石の鼻」

HP

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