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明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



被写体から陰影をなくそうとすると、画面内の各被写体の影響が出ないよう配するパーツを別々に撮る必要がある。これが結果的により日本画調になる。都合が良いのは、着物や蛸などは陰影が作る立体感がないので、ちぎったり貼ったりしても境目が目立たない。ようやくこの手法の要領が判って来た。多分最初の一作『鏑木清方作三遊亭円朝像へのオマージュ』が完成した頃は、自分が向かっている先を理解しておらず、しかしなんだか判らず作った、では馬鹿みたいだから、後に検証を済ませ、始めからそうするつもりで予定通りだった。という顔をしよう。とおそらく書いていたはずである。私の腹の中には表層の脳より多少判ってる奴がいて、やりたくてたまらなければ、よく判らずともそちらを選ぶ事にしている。そんな訳で、寄席の前の円朝と牡丹灯籠の幽霊二人や、グループ展出品中に二度差し替えたゲンセンカン主人も無駄ではなかった。 円朝を作った直後のただボンヤリしている私に、半年後にこれを作るぞ、と『蛸と画狂老人北斎』を見せてやりたい。


※2016年深川江戸資料館での朗読ライブ映像。
『人間椅子』
『白昼夢』
『屋根裏の散歩者』
ピアノ嶋津健一 朗読田中完

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載6回「夏目漱石の鼻」

HP

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