明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



会場には個性的なプリントばかりである。普通の作品がない。 2000年頃、個展会場では、制作工程の質問ばかりで、毎日同じ質問に答えるのに閉口した。次からはHPの制作ページをプリントアウトして貼っておいた。あれから時間が経ち、予想はしていたが、この会場に来るのは、普通のプリントがないことを知って来ていただくので楽である。かつて古典印画の専門用語など、覚えたところで話し相手がいなければ無意味ではないか、と1人苦笑していたのが、ここでは思い切り話せる。しかも私以外の3人は女性である。昨日の搬入時、私の空間把握能力のなさ、釘打てば曲げる不器用さを、歳若い女性連の前で披露してしまった。いたたまれなさに、小学生の時、3人の女の子に掃除用具入れに閉じ込められたのを思い出したくらいである。 本日来て頂いたカメラマンの方に、オイルプリントの制作中の様子を撮影したい、といわれた。有難い話であるが、出品作を作ったばかり。部屋がまだ、坂口安吾が裸足で逃げ出す状態である。二十歳の女性からヌードを撮って欲しい、と頼まれ、その程度のことで片付けられる私ではないのである。 掃除用具入れに何故閉じ込められたか。私は虐めっ子でも虐められっ子でもなかったから長年の謎であったが、今書いていて、以前出てきた3年生の時の通信簿に、「掃除の時間に何をしてよいかわからずふらふらしています」と書いてあったことと何か関係があるような気がしてきた。

『モダン藝術写真展』9月15日(月)~10月7日(火)
http://t.co/lc05lwVaiM

※世田谷文学館にて展示中10月5日まで

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