今日から横溝正史の制作にかかるつもりでいたが、友人の入院、手術の報せにまったく手につかず。どうしても粘土に手がいかない。頭部がすでにできている場合、身体を作り乾燥の後、ロクロ台に接地していた足の部分を作る。乾燥後の仕上げはともかく、開始から乾燥までの間は、息を思い切り吸って海中に潜る鯨のようにして息継ぎなしで一気に制作する。この時気分に翳りがあると息が続かない。しかたがないので出品する写真作品の仕上げを済ませることにした。 夏目漱石を大きく配し直した。撮影地は東京大学内の三四郎池だが、悪天候による増水のため何度か撮影が見送られた。ようやく撮影開始、と思ったら目の前で老人が鯉の餌のパン屑を放り込んだので慌てたが、幸いあっという間になくなった。この場所、漱石が目にした光景であることは間違いないのだが、背後に高い樹々が茂り、人形を現場に持って行ったのに陽が差さず、結局後日別撮りすることになった。このあたりから、現場で像を手持ちの撮影に限界を感じ、背景を最初に撮り、それに合わせて造形するようになった。次の号『手塚治虫と新宿を歩く』では、どこを歩かせて良いかも思いつかず、ジェットエンジン付けて空に飛ばしてしまった。 K本の常連Mさんが若くして亡くなった父上と長命だった母上の写真が、並べると大きさのバランスが合わない、という話だったので、並べても違和感ないよう修正を引き受けることにした。しかし私がやるのだから単に大きさを揃えて済ますわけにはいかない。母上に合わせ、父上のモノクロ写真をカラー化。佐田啓二ばりの美男子で、昔の松竹のニューフェイスといっても通るであろう、

過去の雑記
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