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明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

9D  


背景の撮影は人ゴミを避けながらだったこともあるが、なにより光の調子が良くなかった。明るい曇りか、晴天の午前中が良いようである。いずれにしても午前中なら、背景の建物が日陰になり良さそうである。本日中に着彩を残し完成させる予定。今回制作の9Dは、生前彼を観た人や、特に坪内逍遥が、あまりにも写真と違う、というので、つい挑発に乗った形で、写真では残されていない表情の9Dにしてしまった。一ヶ月以上かけ首を完成させ、締め切りも迫っているというのに。あの時の私は、“腰抜け”といわれたバックトゥ・ザ・フューチャーのマーティーのような状態だったかもしれない。  当時は動きのある写真を撮ることは不可能だったので、9Dとしてみれば、記録のつもりで被写体になっていたのかもしれない。そう思うと、確かにジッとしているから早く撮ってくれ、とただ立っているだけのような写真が多い。そのせいか、ことさら大きいといわれる目も、遠くを見るように、むしろ目を意図的に細めているようにさえ見える。写真嫌いだった、という話も聞く。しかし中にはポーズを取った写真もあり、それは写真感材の発達、高感度化を待ったように、その多くが、すでに全盛期が過ぎつつある頃に集中しているようだが、ひとたびポーズを決めたとなれば、痩せてどちらかといえば貧弱な身体なのにかかわらず、まさに磐石の構えで、9Dが未だに特別な存在だということを、容易に想像させるものである。
Dから9Dになったが、HP開設10周年記念に、誰だか判った方、何名様かに、ささやかなプリントを差上げようかと考えている。いくらかヒントもあったかと思うが、刀に尺八を持ってる、などは、解りにくくしているかもしれない。

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