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明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



人物像を作っていると、それにまつわる周辺物も作ることになる。ミュージシャンを作っていた頃は、人形に持たせる楽器を作るのが苦痛でしょうがなかった。作り始めた頃は、たとえばギターなら、弦どころかサウンドホールやフレットもないような物だったが、何十年もやっているうち、本体の人物がリアルになっていったので、それにつれて楽器も細部まで作るはめになった。また小津安二郎がお洒落な人物だったと聞けば、自分がお洒落に興味がないから、どうだって良い、というわけにはいかず、それ相応に考えなければならない。 ディアギレフは椅子に腰掛けさせたいと考えているが“糖尿を患いながらチョコレートを止められない、巨体を持て余した男”という感じを出すには、柔らかいソファーに身を沈みこませた方が効果的であろう。ならばまず、そんなソファーを作らなければならない。実に面倒である。面倒であるが、それができた暁には、そこにディアギレフを座らせるという大変な快楽が待っていると思うと、結局作ることになるのである。
脅威の跳躍力を誇った天才バレエダンサー、ニジンスキーを、空中高く飛翔させるために、シャトレ座の舞台を作れないか、と考えることがある。つい友人に、CADソフトを使って古い写真から図面をを起せないか、と聞いてみたら、即座にやってみようか?と返事が着た。実に友達がいのない奴である。昔は私のやることに反対して止めてくれた友人がいたものだが。

01/07~06/10の雑記
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