最初のジャズ、ブルースシリーズ、そして作家シリーズと続けて来て、寒山拾得以降、幼い頃からのことを何かと思い出し、創作することが、自分とは何か?ということに向き合うことであることが、より明確となった。そう思っていた矢先の昨年の9月に、一休が尊敬した大燈国師が「衣類や食物のために修行するな、理屈ではない。ひたすらに打ち込め。伽藍や経本、熱心な読経や長時間の坐禅、質素な食事などに禅があるのではない。野外でたった一人、ボロ小屋で野菜を煮て過ごしたとしても、自分とは何かを明らかにする者こそが私の弟子である。」と、狙い澄ましたようなタイミングで現れ、これはいずれ意味を持つことになる人物、と建長寺が終わったら作ろうと決めていた。