愛と性の秘められた物語(PART 2 OF 3)
北極の原野での孤独

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本当に孤独になって寂しくなると、死ぬなんてことは全く頭から消えうせてしまうものですよ。むしろ本能的に生きようとするすさまじいまでの生に対する執着にとらわれるものですよ。

どういうことですか?
北極の原野に一人で置き去りにされた事を考えてみてくださいよ。寂しいなんて言っているどころじゃない。その瞬間から生きなければならない。腹をすかせたハスキー犬が牙をむいて襲い掛かる。グリスリー・ベアに出会えば、命はないと思わなければならない。
デンマンさんは、北極の原野に放り出された事でもあるのですか?
もちろん、ありませんよ。でも、僕の宿舎から5分も歩くと人の姿は見えませんでした。30分も歩いたら、そこは上の写真のような原野ですよ。野生化したハスキー犬が獲物を狙い、牙をむいて近づいてきますよ。
ハスキー犬って何ですか?
狼と犬の混血だと言われています。だから野生化したハスキー犬は人も襲いますよ。
怖いでしょう?
怖いなんてものじゃない。ハスキー犬の群れに襲われたら命がありませんよ。
それでハスキー犬に出会ったことでもあるのですか?
ありますよ。僕は2週間ほど休みをとって夏、北極の原野を歩きましたよ。せっかくイエローナイフに行ったのですからね。もう2度とそういう経験は出来ないと思いましたからね。
それで怖い思いをなさったのですか?
“怖い思い”と言っているうちは本当に怖くはないんですよ。
どういうことですか?
僕は“野生化する”という意味が初めて分かりましたよ。野生化するということは一口で言ってしまえば“死と隣り合わせ”で生きるということなんですよ。常にビクビクしていなければならない。感覚が研ぎ澄まされている。ライフルを背負っていないと安心していられない。
ライフルって、。。あの~。銃、。。。鉄砲のことですかあああ?
そうですよ。カップヌードルじゃないですよ。常に身を守る事を考えていますよ。ハスキー犬でもただの野犬でも、飛びかかって来る前にライフルを構えなければならないから、つねに辺りに気を配っていますよ。あんなに音に敏感になれるとは思ってもみませんでしたよ。葉っぱが擦れ合う音にさへ最初のうちはビクッとしましたよ。
それでどのような怖い思いをしたのですか?
夜でも横になっては寝られなかったですよ。
どのようにして眠るのですか?
座って寝るんです。とても横になって寝る気になれませんでしたよ。リュックを背にしてライフルを抱くようにしながら眠るんですよ。熟睡できない。1時間半から2時間おきに目が覚めますね。
それで。。。?
遠吠(とおぼ)えなんかが聞こえると実に嫌なものですよ。“お~い、獲物が居たぞォ~、みんなで襲おうじゃないかァ~~”そう仲間に呼びかけているように聞こえてくるんですよ。
それで。。。
よく西部劇で獣を寄せ付けないために一晩中火をたきながら眠るシーンがありました。でもね、あんな事は出来ませんでしたよ。
どうしてですか?
燃やす薪(たきぎ)がすぐになくなってしまうんですよ。上の写真で見るように森なんてありませんからね、潅木がチラホラ程度ですよ。燃やすものがなくなって火が消えて真っ暗になります。そういう時にオーロラが頭上を神秘的に踊っている。まさに踊っているようにサラサラ動いている。ゾォ~~とするような美しさですよ。でも、いつまでもボケーと見上げているわけにはゆかない。コソッとでも物音がしようものならすぐにライフルを引き寄せて構えますよ。最初のうちは、珍しいから撃ちたくってバンバン引き金を引きましたが、そのうち弾(たま)が減ってくるから、そうやたらに撃てなくなる。弾が無くなった時が僕の命が無くなる時ですよ。
それで。。。
最初の夜などは、かなりぶっ放しましたが5日ぐらい経つとライフルを撃つ事も面白くなくなる。それよりも弾の数が減ってくる事の方が心配になりますよ。
それで。。。
とにかく、近くにセブンイレブンはないんですよ。自動販売機もないんですよ。公衆電話もないんですよ。人っ子一人居ないんですよ。短波放送を聞く気になれば聞く事が出来ますが、ラジオなんかかけていたら、獣の物音が聞こえなくなる。ハスキーの群れに襲われたら、命は無いんですよ。耳を澄まして物音だけに神経を集中しますよ。そういう時には寂しいなんて気持ちにはならないものですよ。早く夜が終わってくれないか。そればかりを考えている。気を紛らせることができるのはオーロラを見上げる時ぐらいです。
それでどういう怖い事があったのですか?
1週間ぐらい経った頃ですかねぇ~。僕はもうやたらにライフルを撃たなくなりました。ある程度物音にも慣れてきました。“殺気”という言葉を聞いた事があるでしょう? 僕は初めてそういう経験をしましたよ。あれは、野生化した僕が本能的に感じたものだと思うんですよ。理屈ではどうにも説明できないんです。確かに物音を感じた。でも、それが獣だか潅木の葉っぱが擦れ合う音なのか?あまりはっきりしなかった。 とにかく“やばい”という胸騒(むなさわ)ぎがして僕はライフルを引き寄せてテントの入り口から外をソッとうかがった。
何が居たのですか?
目が2つ光って僕を見ているんですよ。ゾォ~としましたね。僕は引き金に手をかけていましたが撃つ気になれない。
それは何だったのですか?
おそらくハスキー犬か野犬でしょうね。瞬(まばた)きもせずに僕の方をジィ~と見ているんですよ。最初の夜だったら、僕は間違いなく、すぐにぶっ放していましたよ。でも、“殺気”はそれまでなんですよ。僕はもう怖さはない。すぐ撃てるからですよ。僕はブルックリンで人間の返り血を浴びた事があるから、結構そのような度胸はついている。“かかってくるなら来い、ぶっ放してやるだけだ!” そう思いながら僕も睨(にら)みつけましたよ。僕の目もおそらくオーロラの光を受けて光っていたでしょうね。僕には5分ぐらいに感じられたけれど、それ程長い間のことじゃなかったでしょう。とにかく、にらみ合いの挙句、その獣は諦めたようにクルッと身を翻(ひるがえ)すと帰っていきましたよ。
デンマンさんは撃たなかったのですか?
“殺気”が消えていたんですよ。喧嘩した後、さっぱりした気持ちになるでしょう。あの気持ちなんですよ。動物同士だって勝ち負けがついたら相手を殺さないものですよ。
それで、その夜はそれ以外には何もなかったのですか?
何もなかった。もうその獣はやって来ませんでしたよ。
それで、デンマンさんの寂しさって何ですか?
つまり、人間が野生に返って生きるなら、寂しさを感じている暇がないんですよ。僕はしみじみとそう感じたものですよ。そしてあの朝を迎えた時のなんとも言えない幸せな気分。僕はお日様に向かって感謝し、祈るような気分になりましたよ。

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“あああ。。。お日様さん、ありがとうございます。夕べも無事で命に別状はありませんでした。今夜もよろしくお願いします。どうか僕をお守りください” 朝日を浴びながら、実際そう思ったものですよ。レンゲさんに、この僕の伝えようとしている気持ちが分かりますかあああ?
『群衆の中の孤独!寂しくって死んでしまいたい』より
(2005年12月31日)

桜井恵子さんは、上の対話を読んで“孤独”ということについて、改めて考えさせられたののですよ。。。。

それで。。。?
次に恵子さんはレンゲさんが禁断の園で坂田さんと秘め事をして知った悦びを読んだのです。。。
禁断の園でレンゲさんが
坂田さんと秘め事をして知った悦び

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レンゲさんにも16才の頃は、こうして可憐な乙女だったんですよね。
まだ高校1年生の女学生だった頃、レンゲさんは、初めて秘め事を経験した。
愛のない家庭で育ったレンゲさんは、心のよりどころがなくて、当時近所に住んでいた坂田さん夫婦の家に時々遊びに行っていた。
坂田さんも、レンゲさんの家庭の事情を良く知っていて、何かとレンゲさんのことを思いやり可愛がっていた。レンゲさんは、いつしか坂田さんに淡い恋を感じるようになっていた。
坂田さんは良い人だけれど、競馬競輪にハマッていて、そのことで妻の幸子さんと別居するようになった。レンゲさんは、そんなある晩、幼な妻のように坂田さんのために夕ご飯を作ってあげた。坂田さんにも何か感じるものがあったのかも知れませんよね。その晩、レンゲさんは坂田さんの腕に抱かれてハラハラ。。。、ワクワク。。。ドキドキしながら桜の花びらを散らした。。。
『性と愛の渇き』より
(2006年6月4日)
しかし、坂田さんとレンゲさんの恋愛事件は、レンゲさんが通っていた高等学校の職員室の中に衝撃を走らせたのですよ。ちょうど業平と斎宮の禁忌の愛が貴族社会に波紋を投げかけ、天皇の後継者争いにまで発展したように。。。レンゲさんの場合には、職員室の先生方に前代未聞の“女学生幼な妻事件”として取り上げられ、蜂の巣をつつくような騒ぎになってしまった。レンゲさんのお母さんにとって一生に一度の大事件だった。娘の不始末として職員室に詫びを入れる。でも、結局、学校は問題を抱えたまま、それがマスコミに漏れるのを恐れた。教育委員会に知れたら大変なことになる。“臭いものには蓋”で、レンゲさんを退学処分にして問題を処理してしまった。レンゲさんは、上の手記の中で“トラブルが起きるたびに、家族の溝は深まっていきました”と書いているけれど、この事件が最初の大きなトラブルだった。。。ですよね?
デンマンさんは、そうやってあたしと坂田さんの愛を非難しているのですわ。
違います。レンゲさんのオツムの中では純粋な愛であっても、職員室の先生方も、レンゲさんのお母さんも、そうは受け止めなかった、と言う事を僕は言っているのですよ。そして、その問題は、高校の職員室では片付いたことになっているけれど、レンゲさんとお母さんの間では、未だに持ち越されている。それ以外のトラブルも含めて、レンゲさんとお母さんの関係はこじれにこじれて、もう8年近くも会ってもいないし、電話で話したことも無い。。。ですよね?
そうやって。。。そうやって。。。また、デンマンさんは、あたしの古傷に塩を擦り込むのですわぁ~。
違いますよ。すでに坂田さんとの恋愛は、これ程の深い傷跡をレンゲさんとお母さんの心に残している。
『愛と性の密会』より
(2007年1月31日)

レンゲさんは 2004年10月3日に書いた上の手記では“命いりません”と書いている。 午後6時半に書いた。 その後で睡眠薬を多量に飲んで自殺を図っていたら、現在のレンゲさんは居ないと言う事ですよ。 でも、レンゲさんは生きていたからこそ、坂田さんと再会する事が出来た。。。僕が、なぜ当子(まさこ)内親王の話を冒頭に持ち出したのか? 分かりますよねぇ~?

つまり、死んでしまっては愛(いと)しい人に会うことはできない。 生きていれば会えるかもしれない。
そうですよ。 レンゲさんは生きていた。 だから坂田さんに会えた。 そして、次のような愛と性の悦びを包み隠すことなく高らかに謳い上げたのですよ。
お願い、もう一度
抱きしめて
抱きしめて

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2006/07/14
あなたとわたしは大きな広いベッドで
一日中愛しあった
甘い蓮華の花が咲く
広くて果てしないお花畑
それがあなたとわたしが
愛しあったベッド
ぬけるように青い空が
あなたとわたしが愛しあうのを
微笑を浮かべて見つめていた
祝福するように
うらやましそうに
楽しそうに
蓮華の花びらが敷き詰められた
肌ざわりのいいシーツと
柔らかなダウンが
いっぱい詰まっている
大きなまくら
朝から晩まで
あたなとわたしはベッドの中にいて
いっぱいキスして過ごした
ふたりはずっとわらっている
わたしはしあわせすぎて
時々泣いたりした
あなたはわたしの涙を
優しい唇で拭ってくれた
ああ、あなた...
いとしい人...

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今のわたしの涙は嬉し涙
しあわせなメロディーが
この胸の中にとまらなくて
あなたの胸へと伝わってゆく
そしてわたしは
あなたのくちびるが
わたしのくちびるに
かさなる瞬間まで
じっと見つめていた
まぶたをとじて
じっくりと味わう
わたしの愛を
あなたのくちびるに差しだす
あなたは舌でからめとる
わたしの愛が
甘く透きとおって
あなたの舌のうえで
ゆっくりととけてゆく
あなたの愛は
甘露のようにわたしの心に
広がってゆく
あなたのくちびると
同じ味がする
わたしは全ての感覚で
あなたを愛しているから
わたしの全てが
あなたを恋しく思う
ああ、あなた...
いとしい人...

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わたしはあなたの腕の中で
生まれかわった
あなたはわたしの殻を破ってくれた
わたしはあなたの女になった...
あなたの愛がこの身体に
沁み透るように伝わってくる
その愛を全身に感じながら
わたしはもがき続けた
あなただけの女に生まれるために
わたしは苦悩する
そして強くなる
わたしは生まれかわった
あなたのために
ああ、あなた...
いとしい人...
あなたの全てがいとおしい
あなたのまぶたをくちびるで愛撫する
くちびるから全身にしびれるような
熱い波がひろがってゆく
狂おしいまでに
わたしはあなたの腕に抱きしめられて
身悶えた
わたしの思考を
空白にする甘美な衝撃
身を焼くようなあの歓喜
全身を打ち震わせるあの悦楽
女の芯をしびれさせる官能の疼き
あの悦びの瞬間を
わたしはあなたの愛の中で
あなたと溶けて一つになって
全身で感じていた
激しい歓喜の波が
押し寄せては引いてゆく
わたしはその悦びの波に
翻弄されながら
あなたの愛に耳を澄ませ
全身であなたの愛を感受して
あなたの腕に抱かれて
長い長い悦楽に酔いしれた
あなたがわたしをつつむやすらぎの光
おだやかな時がいつまでも流れてゆく
あなたにやっと出会い
そして愛し合う

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あんなに強く抱きしめた腕
ふたりは確かに結ばれて
身も心もとけあった
ああ、あなた ・ ・ ・
いとしい人 ・ ・ ・
あなただけが与えてくれた
あの至福
あなただけが教えてくれた
あの悦び
あなただけが癒してくれた
あの寂しさ
あなただけが満たしてくれた
あの虚しさ
ああ、あなた ・ ・ ・
いとしい人 ・ ・ ・
初めての出会いから
分かっていた
あの夜のしじまの中で
あなたと交わした愛が
とこしえに続くことを
愛している
あの朝、すべてが澄み切って
誰にもじゃまはできなかった
あなたとわたしは確かに結ばれて
身も心もとけあった
ああ、あなた ・ ・ ・
いとしい人 ・ ・ ・
お願い、もう一度抱きしめて

(linger62.gif)
by レンゲ
『愛と性の密会』より
(2007年1月31日)
(water02.jpg)

分かるでしょう、レンゲさん。。。? うへへへへ。。。 あの時死んでいたら、このようにして坂田さんと濡れ濡れにイクことは無かったのですよ。

デンマンさんは。。。 デンマンさんは。。。 またヤ~らしい笑いを浮かべて、あたしがエロい女だと。。。 坂田さんとエッチに夢中になる女だと。。。そうやって、またあたしを晒そうとしているのですかぁ~?
違いますよ。。。 レンゲさんが桜井恵子さんの事をいろいろと尋ねるから、こうして僕は詳しく説明してきたのですよ。。。
だから、どうしてデンマンさんは、桜井恵子さんのことを これほど微(び)に入り細(さい)に入り ご存知なのですかァ~?
簡単なことですよ。。。 恵子さんは1月21日に感動のあまり 上の記事にコメントを書き残したのです。。。
マジで。。。?
次のようなコメントです。

(girl912b.png)
当子(まさこ)内親王の悲恋と、
はかない運命にしばし考えさせられました。
それにしてもレンゲさんの
“不安と焦燥感と寂しさ”には
心の痛みを感じさせられました。
そして、デンマンさんの極北の原野での孤独…
さらに、「お願い、もう一度 抱きしめて」という
レンゲさんの心の叫び…
なんだか、激しい心の動きを
感じさせられた30分でした。
愛と性の神秘にとらわれている乙女
2017-01-21
『愛と性の秘められた歴史』のコメント欄より
(2007年2月2日)

あらっ。。。 恵子さんはマジで上のコメントを書いたのですかァ~?

嘘だと思ったら、上のリンクをクリックして レンゲさんが自分で確かめてみればいいではありませんか!
でも。。。、でも。。。、“愛と性の神秘にとらわれている乙女”がどういうわけで桜井恵子さんだと判ったのですかァ~?
IPアドレスを調べればすぐに分かることです。。。

(ip13336b.png)
■『拡大する』

でも。。。、でも。。。、アクセスしたネット市民の名前までは書いてないはずですわァ~。。。

あのねぇ~、桜井恵子さんは僕のメールアドレスまで調べて、悩みを打ち明けてくれたのですよ。。。
マジで。。。? それで、結局、気になると彼とは身も心も一つになったのですかァ~?
心の内をレンゲさんほどオープンにネットで公開できない桜井恵子さんは、僕に固く口止めしたのですよ。。。 プライバシーに関することは、一切書かないで欲しいと。。。
つまり、これまでのお話から推測すれば、恵子さんは気になる彼と。。。身も心も一つになったのですわねぇ~。。。
レンゲさんの想像にお任せしますゥ。。。

(laugh16.gif)
(すぐ下のページへ続く)