
WBCミドル級タイトルマッチ
偉大なる伝説の息子、25歳のミドル級王者フリオ・セサール・チャベスJr選手(Julio Cesar Chavez Jr)が6月に獲得した王座の初防衛戦のリングに登場。SM級で世界挑戦経験のあるピーター・マンフレドJr選手(Peter Manfredo Jr)とのタイトルマッチ12回戦は米国テキサス州ヒューストンで行われ、チャベスJr選手が5回TKOで勝利してタイトル初防衛に成功しています。(体格比較)
チャベスJr選手のイージーな勝利でした。マンフレド選手がダブルのジャブやワンツーを放ちながら前進してくるのをチャベスJr選手が左ジャブ、左フックのリードとフットワークとでコントロールしていく試合立ち上がり。
プレスを掛け前進していくマンフレド選手なのですが、その攻撃はいかにも軽くまた届かないもので、迎え撃つチャベスJr選手の攻撃のパワーが目につきます。2回に入ると、左リードに加えてクロス気味の右を再三決めた王者がペースを完全に掌握します。
マンフレド選手が半ば捨て身でプレスを強めた4回にロープに押し込まれる場面も見せたチャベスJr選手。強く出た相手につられる感じで自らの攻撃の振りが大きくなってしまったこのラウンドでしたが、強い左フックと右ストレートを決めてペースを譲りません。
そして続く5回に強烈な右ストレートでチャンスを掴んでからの怒涛のラッシュでレフェリーのストップを呼び込む快勝での王座初防衛でした。
Powerpunchez,Punchzone
やや早いとも思えたストップでしたが、力量差、パワー差が明白になっていたそれまでの試合展開。右でかなりのダメージを負っていたマンフレド選手がほとんどまともな反撃を返すことができていなかったのもあって、しょうがない判断だったと言えるのでしょうか。
ともあれ、チャベスJr選手の見事なパフォーマンスでの王座防衛劇でした。
チャベスJr選手は44勝(31KO)1分。マンフレド選手は37勝(20KO)7敗。
Julio Cesar Chavez Jr. stops Peter Manfredo Jr. in round five(Robert Hughes/Fightnews)
CHAVEZ JR. SCORES IMPRESSIVE 5TH ROUND TKO OVER MANFREDO JR.(Felix Strunk/Fight Hype)
Chavez stops Manfredo in fifth, retains WBC middleweight title(Doug Fischer/Ringtv)
チャベスJr「(アウト)ボクシングすること、そしてディフェンス面に集中して戦った初めての試合で、その試みはとてもうまく行ったと思ってるよ」
Chavez vs Manfredo Results: JCC Jr Stops Manfredo in Five, Stays Unbeaten(Scott Christ/Bad Left Hook)
写真
Photos: Chavez Jr. Retains The WBC Title, Stops Manfredo(Boxing Scene)
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ちょっと前なら考えられなかったのですが、今のケリー・パブリックと対戦したら、いい勝負になるかも知れませんね。
興行的になかなか売れると思います。
戴冠試合もそうでしたが、確実な成長が感じられる試合っぷりでした。
相手がいまさらマンフレド…というのも感じなくもないのですが、こういう軽い相手との試合をこなしていきながら世界王者に相応しい力量を備えていく、という方向なんじゃないでしょうか。
悪くないと思いますし、うまく行っているとも思います。
やらないと思いますが…
マルチネス対ジュニアが実現していない、また実現しそうにない現状の理由としては、
大事に育てるとかそういう以前に、マルチネスとチャベスJrがいま戦うことに意味を見出す人がどれだけいるか、というのが大きいんだと思います。
少なくとも私は見たいとは思いません。力の差が大きすぎると感じるので。
ですが、マルチネスの高い実力に見合う選手として考えると正直名前が浮かびませんよね。
シュトルム?ゴロフキン???
マルチネスはつくづく不遇なのか、と感じてしまいます。
ですが、マルチネスとは今すぐにでも試合をするべきだと思います。ジュニアに責任があるとは思いませんが、ジュニアがタイトルを獲った経緯を考えると、やはり試合をするべきです。
マルチネスからすると、「大人の事情」で正規のタイトルを奪われ、事実上の格下げをされたわけですから。
確かにジュニアはまだまだ成長途上ですが仮にも世界王者です。一方のマルチネスは年齢的にいつ衰えてもおかしくない。。。だからこそ「名前のある選手」との対戦にこだわっているんだと思います。
ピログのことを忘れてました。
言及したシュトルムやゴロフキンと同様、対マルチネスを実現させるには米国で試合をすることが必要な気が私はします。
マルチネス自体に集客力がない現状のようですし。
>たこぼうずさん
まあ正論を言えばそうなのかもしれません。
ただダイヤモンドだ、正規だ、などという「世界王座」なんてものは既にファンからすればどうでもいいものになっている気がします。
少なくとも私はそう。
マルチネスが仮にいま世界王座を持っていなかったとしてもチャベスJrと比べた場合遥かに格が上だ、とは誰もが認識していることなのではないかと。
マルチネス側からすればジュニアとやりたい、という希望はよく理解できます。ジュニアはマルチネスよりも遥かに客を呼べる選手ですからね。