クルーザー級10回戦
元世界ヘビー級1位のエディ・チェンバース選手(Eddie Chambers)がクルーザー級に転級。南アフリカからの25歳タビソ・ムシュヌ選手(Thabiso Mchunu)との10回戦に臨みましたが、ムシュヌ選手のシャープなカウンターブローにほとんど為す術を見いだせない大差の10回判定負けでクルーザー級転向第一戦を落としています。(体格比較)
サウスポーのムシュヌ選手に対して余裕の様子を見せながら左ジャブ右ストレートを飛ばしていたチェンバース選手の立ち上がりでしたが、引き気味に戦う南アフリカ人のディフェンスをなかなか突破出来ません。さらにチェンバース選手が右を伸ばしたところに鋭く合わせてくる左ストレートや右フックがなかなかに力強く、徐々にチェンバース選手が打つ手を失っていきます。4回にこの右ストレートに合わせる左ストレートを強烈に決めたあたりではペースは完全にムシュヌ選手がキープ。左ストレート右フックのカウンターに加えて鋭い右ジャブやボディ顔面へ打ち分けるコンビネーションブローなども決めながらチェンバース選手を圧倒。
かつてヘビー級でトップクラスのスキルを誇ったチェンバース選手が為す術なく翻弄され続け、まるでレッスンを施されていたかのような試合終盤の展開はショッキングと言っていいものでした。
CompuBox: Chambers' Numbers Drop at Cruiserweight
Jabs,Powerpunches
公式のスコアは99-91が2人、97-93が1人の大差3-0ムシュヌ。シロート採点99-91ムシュヌ。
ムシュヌ選手は14勝(10KO)1敗。この日が南アフリカ以外での初の試合だった25歳の今後の活躍に一気に期待が高まった見事なパフォーマンスでした。
チェンバース選手は36勝(18KO)4敗。ほとんどシャットアウトと言っていいほどの内容でのこの判定負けってのは正直全く予測出来ませんでした。
NBC Sports Fight Night results: Thabiso Mchunu spoils Eddie Chambers' cruiserweight debut(Scott Christ/Bad Left Hook)
トーマス・アダメク対エディ・チェンバース(2012/06/16)
ウラジミール・クリチコ対エディ・チェンバース(2010/03/20)
エディ・チェンバース対アレキサンダー・ディミトレンコ(2009/07/04)
サミュエル・ピーター対エディ・チェンバース(2009/03/27)
チェンバース対バトラー(2008/06/20)
アレキサンダー・ポベトキン対エディ・チェンバース(2008/01/26)
カルビン・ブロック対エディ・チェンバース(2007/11/02)
エディ・チェンバース対ドミニク・グイン(2007/05/04)
エディ・チャンバース対デリック・ロシー(2007/02/09)
下がりながらあまり手を出さない完全なカウンター狙い、かといってパンチがないわけでもないという・・・
チェンバースもムシュヌの攻撃に合わせて反撃する、ボディからヘッドへのコンビネーション、相手がダッキングした所を狙う、などの工夫があれば違った結果になったかもしれません。
まあ、それをやらせなかったムシュヌがすごかったということなんでしょうが・・・
ムシュヌがそれほどまでに強いのか？と言うと過去の実績からはそうとも言い切れず、改めてボクシングの難しさを感じました。
自分より小さい相手がかえってやりにくかったんでしょうか？
ムシュヌのカウンターがシャープでパワーも感じられたのでなかなか突破口を見いだせない
そうこうしているうちにどんどんペースを持っていかれるってな展開に見えました。
ムシュヌが本物なのかどうか、次以降の戦いが見ものだと思います。
＞すとれいと・くーがーさん
私にとっても大いに驚かされた一戦でした。
今後またヘビーに戻って、とかもなんだかアレですし、チェンバースのこれからってのがとてもむずかしいものになってしまった気がします。