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ダンスとか。

videodance2006 week 2 session 1

2006-05-20 | ダンスとか
与野本町・彩の国さいたま芸術劇場(映像ホール)。
▼『ウルロ』('04、ピッポ・デルボーノ演出、インディア・カンパニー、ポンピドゥ・センター監督)
Urlo, direction by Pippo Delbono, film direction by India Company, Centre Pompidou.
アヴィニョンでの上演の記録映像で、ダンスというより演劇系。カトリックの司教が仰々しく入場したり、テクストが読まれたり、パンクな音楽でパフォーマーたちが暴れたり、「叫び声」というタイトルの通りに騒がしい舞台。映像が断片的で、何がどうなっているのかあまりよくわからなかった。
▼『ポリエステル100%』('01、クリスチャン・リゾー、カティ・オリーヴ監督)
100% Polyester, film direction by Christian Rizzo, Cathy Olive.
二年前に横浜でも展示されたインスタレーション作品を映像化したもの。二着の肌着のようなワンピースが、袖と袖をつながれ、吊るされて、床に置かれているいくつかの小型扇風機の風によって揺れる。照明で背後の壁に影が映る。全く素朴な仕掛けだが、じっと見ていると様々なイメージが浮かんで、その度ごとに、仕掛けの素朴さのことを改めて思う。映像としても巧みに作り上げられているので、インスタレーションとして見せるよりも効果的なのではないかと思うが、25分はさすがに長すぎる気がした。ちなみにIrene Filibertiという人が書いたプログラムの文章には「古びた映画のちかちかする効果を取り入れ、映像の質を敢えて劣化している」とあるが、不規則に「ちかちか」しているのは照明の効果で、ヴィデオの画像はきわめてクリアだった。
▼『きっと彼女は最初に踊って、考えるのは後回し』('03、ヴェラ・マンテロ振付、アントワーヌ・ドゥラポルト監督)
Peut-etre qu'elle pourrait danser d'abord et penser ensuite, choreography by Vera Mantero, film direction by Antoine Delaporte.
ポルトガルのダンサーの舞台の記録映像。四隅にランプを置き、その中で踊るソロで、珍しく線的な動きではなく、おそらく場面ごとに動きの質や種類を設定した上での即興。動きをフォルムに預けてしまわずに、体に意識を密着させて部位を繊細に細かく動かす踊りが、日本でよく見るダンスに近い。
▼『ダブルポイント1&2』('02、エミオ・グレコ振付、エリック・リンク監督)
Doubles Points 1 & 2, choreography by Emio Greco, film direction by Erick Link.
▼『慎み深い死者たち』('04、ラシッド・ウラムダン振付、パブロ・アルテス監督)
Les Morts pudiques, choreography Rachid Ouramdane, film direction by Pablo Altes.
▼『スカル*カルト』('02、クリスチャン・リゾー振付、クリストフ・バルグ監督)
Skull*Cult, choreography by Christian Rizzo, film direction by Christophe Bargues.
ジャン=バティスト・アンドレが踊った『コムクラン、コムカルト』とほぼ同じものだが、こちらがオリジナルで、もともとはこのダンサー(ラシッド・ウラムダン)とともに作られたらしい。しかしウラムダンにはアンドレのような動きの異様さはなく、少なくともこの映像からはパフォーマンスの狙いがよくわからない。インパクトの薄さには、映像の作り方もおそらく関係している。アンドレ版の方には画面を緊張させようというはっきりした意図があったが、ウラムダン版は本当にただの記録で、無闇にカメラが動くため見ていても集中できない。もっともそうした各々の撮影の仕方も、多かれ少なかれ実際のパフォーマンスの性質から引き出された発想なのかも知れない。
▼『トゥールルル』('04、カルロッタ・サグナ振付、アルノー・エメリ監督)
Tourlourou, choreography by Carlotta Sagna, film direction by Arnaud Emery.
記録映像。銃の照準のようなパネルの上で、迷彩服デザインのチュチュを着たバレリーナ(ジョーン・サン・マーティン)がテクストを読み上げたりしつつ威嚇的に踊る。テクストの内容がわからないのが残念だったが、ダンスというより、「ダンス」という記号を使ったパフォーマンスであると思う。
▼『リサボン/ヴッパタール/リスボン』('98、フェルナンド・ロペス監督)
Lissabon/Wupperthal/Lisboa, film direction by Fernando Lopes.
▼『ピナ・バウシュ作品抜粋集』('90、ケイ・キルヒマン監督)
Quelques extraits de pieces de Pina Bausch, film direction by Kay Kirchmann.
▼『ネフェス[呼気]』('04、ピナ・バウシュ振付、ジェローム・カスー監督)
Nefes, choreography by Pina Bausch, film direction by Jerome Cassou.
▼『バンドネオン ―ブエノスアイレスのピナ・バウシュ』('95、ミロス・デレティッヒ、ガブリエラ・マスー、ガブリエラ・シュミット監督)
Bandoneon - Pina Bausch a Buenos Aires, film direction by Milos Derettich, Gabriela Massuh, Gabriela Schmid.
▼『ディドンの眼差し、イタリア紀行』('00、アリエラ・ベディーニ、クラウディア・セッコ監督)
Le regard de Didon, Voyage en Italie, film direction by Ariella Beddini, Claudia Secco.
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