dm_on_web/日記(ダ)

ダンスとか。

ロメオ・カステルッチ 『神曲―煉獄篇』

2009-12-19 | ダンスとか
Romeo Castellucci, Purgatorio

フェスティバル/トーキョー09秋

三軒茶屋・世田谷パブリックシアター。
終盤のカタストロフィへと至るまでの(やや過剰に)長大な前フリは、視覚的にも聴覚的にも映画っぽい演出による家庭劇というか、カメラ・アイ的に捉えられた室内の光景。会話や行動などは舞台前面に降ろされた紗幕にまず字幕で投影され、それをトレースするように行われる。母、子、父が「第一星」「第二星」「第三星」と称されるのは、これが『天国篇』ならばともかく、処置としてよくわからない。煉獄にいる以上、三人はやがて罪を償い終えて天に昇るから? だとすると、これは現代をはるか未来から振り返ってみた「映画」のようなものということになるだろうか。正面にデカデカと「音楽」という二文字が表示され、オフで性的虐待(?)が行われているっぽくなる辺りからクレイジーな雰囲気が漂って来た。一度幕が降りて、そこに二つ、大きな紋章が現れる。実物とは微妙に違うがフィレンツェの紋章を踏まえたもので、「花」を象っている。幕が上がると大きな円形の窓が現れ、虐待されていた子供がそこから向こうを覗くと、あからさまにハリボテな巨大な花が行き交ったり回転したりし始める。スコット・ギボンズのノイズ音楽とともに、呆気にとられるほど突飛で、馬鹿馬鹿しいようなカッコいいような、壮大であると同時に陳腐な、スペクタクル。ダンテが『神曲』全編に渡って「花の都」フィレンツェの腐敗を呪詛したこととかけているわけだろうけど、やがて生い茂った茎の間をさまようカウボーイハットの父親が姿を現すと、「トウモロコシ畑」とか「アメリカ」を暗示しているようにも思えてくる。また室内に戻ると、父親が老人になっていて、クシャクシャのダンスを踊る。息子も成長していて、倒れた父親になぜか覆い被さる。大きなガラスの円盤が降りて来たので、また割れるのかと思ったら、特殊な装置でインクが垂らされ、円盤が回転するにつれて黒い渦状の円ができ、さらにインクが垂れつつ流れて、徐々に巨大な瞳みたいなものが現れる。そこに『地獄篇』にもちょっと出てきた黒い円(蝕みたいな)が出て来て終わった。『Hey Girl!』や『地獄篇』に比べると、ナラティヴや価値観が明快にあるので、読みの幅が限定されてしまっている気がするとはいえ、わけのわからない物質的な凄さみたいなものはやっぱりある。センスっていうのは主観的なものだと思うけど、それを武器にしてこういう危うい綱渡りをやってのけてしまえるところに、文句の付けようのない強さを感じる。
コメント

INSIDE/OUT 建築の時間・ダンスの瞬間/鈴木ユキオ 『etude』

2009-12-19 | ダンスとか
「内井昭蔵の思想と建築」展 関連プログラム

用賀・世田谷美術館(くぬぎ広場)。
振付・出演/鈴木ユキオ、出演/安次嶺菜緒、加藤若菜
コメント

INSIDE/OUT 建築の時間・ダンスの瞬間/垣内友香里 『ホームの音』

2009-12-19 | ダンスとか
「内井昭蔵の思想と建築」展 関連プログラム

用賀・世田谷美術館(創作室AB)。
振付/垣内友香里、出演/大江麻美子
コメント

INSIDE/OUT 建築の時間・ダンスの瞬間/新鋪美佳 『み空ソラ』

2009-12-19 | ダンスとか
「内井昭蔵の思想と建築」展 関連プログラム

用賀・世田谷美術館(エントランス前広場)。
振付・出演/新鋪美佳、出演/安食真、小暮香帆、菅彩夏、捩子ぴじん、増岡みどり、増田明日未、松田明日香、矢萩もえみ、山賀ざくろ
コメント