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ダンスとか。

ダンスがみたい!新人シリーズ6(Iグループ)

2008-01-17 | ダンスとか
神楽坂die pratze。
▼青山るりこ 『一分前まで○○だった(仮)』
▼三枝はな 『冬の空のにおい』
▼Essential SDC 『ミス・ジョディ』
Essential SDC は大阪出身の女性三人組。はじめは、いわゆる現代舞踊的なものの枠内でコンサバな笑いを狙ってる、よくある感じかなあと思っていたのだけれども、旅行カバンを持ったアナクロな格好の(いかにも「コンテンポラリーダンス」風な)旅人が出てきて、それがなぜか「ガイジン」風のイントネーションで「スミマセン、コノアタリニ、オイシイこーひーガノメルかふぇハアリマセンカ?」と連発し始めた時、明らかに異質な空気を感じた。かなり立派な体格の一人が、切実そうな表情で遠くを見やりながらピルエットをしているのに、足元が本気でガクガク揺れていたり、それでいてあからさまに奇抜なことはせず淡々と凡庸な「コンテンポラリーダンス」風に場面が展開していき、気づくといつの間にかまたおかしな雰囲気になっていたりする。ラストは暗転の後、いきなり、屈んだ二人の上に一人が立ってドーンと現われ、そのままヨロヨロと移動して終わる。アピールや説明をギリギリまで削ぎながら微妙なラインばかり攻め続け、どこまで本気なのか冗談なのか全然わからないところが凄い。邪な熱意を感じる。三枝はなは、中盤、鼻歌でリンゴをむき始め、客席に配る。賄賂のせいで、もう単なるダンサーと観客の関係ではなくなってしまったはずなのに、あとはまた普通に踊ってみせるだけで、逆にわけがわからなかった。むしろ冒頭、崩れ落ちては起き上がる動きを均質で切れ目のないS字カーヴのようにして持続させる部分、そしてそれが徐々に崩れる/静止/伸び上がる/静止と分節化されていく過程も繊細に踊られていて、凄かった。青山るりこは、とにかく光の量が少なすぎて、ほとんど何もシェアできなかった。微量なものの、その微量さを見たいと努力してみたものの、本当に微量すぎた。「隠す」素振りを「見せる」つもりが本当に「隠し」てしまった、という感じじゃないかと思う。
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