新宿・パークタワーホール。
幕で斜めに奥行きのある空間が作られ(可動式)、和服の女性、チアリーダー、警備員……とキャラクターが用意されて、小芝居のようなものと群舞などがコラージュになっている。不条理な「間」でゲームみたいなことをしていた前作『理不尽ベル』と比べるといつも通りのイデビアンで、小芝居と群舞が相互依存的にフォローし合い、一方が行き詰るともう一方に逃れてお茶を濁すような流れで60分強。飽きてしまった。相変わらず手の込んだ振付で、ちょっとしたターンや移動の中に一回だけギザッと寄り道ステップが入っていたり、一度反対方向に体を開いてからジャンプ移動、とか、バレエのパをベースにしつつ遊び心でいじくり回してあり、その偏執的なこだわり具合に呆然とさせられる。綺麗に揃える方向で踊り込んではいないためユニゾンは見映えがしないが、かといってバラバラにやっているところは振付を堪能しづらい、というわけでやはり良いダンサーがソロで踊るのが見たい。音楽はバッハの舞曲ばかりでやや地味め。