ダニが媒介する感染症として近年有名になったSFTS(重症血性血小板減少症候群)。
今回、ダニではなく野良猫から感染し死亡した事例が報告され、医療関係者はショックを受けています。
記事の内容を抜粋しますと・・・
・SFTSはマダニによる感染症ではなく、マダニが媒介するSFTSウイルスによる感染症である。
・自然界ではシカやイノシシは中間宿主なので感染しても無症状。
・イヌやネコが感染すると症状が出て体調不良となる。
・それらの動物に噛まれて裏引っかかれたりしたエピソードのある患者はSFTSも疑うべきである。
ということになりますか。
■ 野良猫に噛まれた女性、SFTSで死亡
(2017/8/1 中西 奈美=日経メディカル)
厚生労働省はこのほど、西日本に住む50代女性が昨年夏に野良猫にかまれ、重症血性血小板減少症候群(SFTS)を発症し、死亡していたことを明らかにした。SFTSはSFTSウイルスを保有するマダニの刺咬によって感染することが知られていたが、今回のケースは身近な動物である猫に噛まれて感染した初めてのケースだ。
これを受けて厚労省は7月24日、都道府県や日本医師会などに対して、SFTSを発症した猫や犬の体液等からヒトが感染することも否定できないことから、SFTS の疑いのある患者を診察した場合には、ダニの刺咬歴に加え、動物との接触歴についても確認するよう注意喚起した。
50代女性が接触した野良猫はSFTSを発症しており、その猫との接触によって女性に感染したと考えられている。これまで、シカやイノシシ、犬、アライグマ、タヌキ、アナグマ、イタチ、ニホンザル、ウサギなどでSFTSウイルスに対する抗体が確認されていた。今回、わが国でも猫がSFTSを発症し、さらには人に感染させる可能性が示唆された。国立感染症研究所ウイルス第一部部長の西條政幸氏は、「健康な猫からSFTSウイルスが感染することはまずない。体調の悪い猫に、噛まれたり、引っかかれたりしたことを聴取した場合は、SFTSウイルスの感染の可能性も考えて」と話す。
SFTSは、ウイルスを有するマダニ(フタトゲチマダニ、ヒゲナガマダニ、オオトゲチマダニ、キチマダニ、タカサゴキララマダニ)にかまれることで感染する。自然界では、シカやイノシシなどが中間宿主となり、ウイルスを保有するマダニを増やす。しかし、中間宿主の多くは症状を示さない不顕性感染である。「発熱や食欲消失など、体調が明らかに悪い猫や犬は、マダニにかまれたことが確認できない場合でもSFTSを疑う必要がある」と西條氏は話す。
患者の主訴として発熱や嘔吐、下痢など、血清学的検査で血小板減少、白血球減少、AST・ALT・LDHの上昇を認めた場合、マダニにかまれた以外にも、具合の悪い猫の体液が触れるような関わりがなかったかを確認する。
わが国でのSFTSの致命率(ある特定の病気にかかったと診断され、報告された患者のうち、一定の期間内に死亡した患者の割合)は約20%である。中国や韓国では患者血液との直接接触が原因と考えられるSFTSのヒト-ヒト感染の事例も報告されている。
今回、ダニではなく野良猫から感染し死亡した事例が報告され、医療関係者はショックを受けています。
記事の内容を抜粋しますと・・・
・SFTSはマダニによる感染症ではなく、マダニが媒介するSFTSウイルスによる感染症である。
・自然界ではシカやイノシシは中間宿主なので感染しても無症状。
・イヌやネコが感染すると症状が出て体調不良となる。
・それらの動物に噛まれて裏引っかかれたりしたエピソードのある患者はSFTSも疑うべきである。
ということになりますか。
■ 野良猫に噛まれた女性、SFTSで死亡
(2017/8/1 中西 奈美=日経メディカル)
厚生労働省はこのほど、西日本に住む50代女性が昨年夏に野良猫にかまれ、重症血性血小板減少症候群(SFTS)を発症し、死亡していたことを明らかにした。SFTSはSFTSウイルスを保有するマダニの刺咬によって感染することが知られていたが、今回のケースは身近な動物である猫に噛まれて感染した初めてのケースだ。
これを受けて厚労省は7月24日、都道府県や日本医師会などに対して、SFTSを発症した猫や犬の体液等からヒトが感染することも否定できないことから、SFTS の疑いのある患者を診察した場合には、ダニの刺咬歴に加え、動物との接触歴についても確認するよう注意喚起した。
50代女性が接触した野良猫はSFTSを発症しており、その猫との接触によって女性に感染したと考えられている。これまで、シカやイノシシ、犬、アライグマ、タヌキ、アナグマ、イタチ、ニホンザル、ウサギなどでSFTSウイルスに対する抗体が確認されていた。今回、わが国でも猫がSFTSを発症し、さらには人に感染させる可能性が示唆された。国立感染症研究所ウイルス第一部部長の西條政幸氏は、「健康な猫からSFTSウイルスが感染することはまずない。体調の悪い猫に、噛まれたり、引っかかれたりしたことを聴取した場合は、SFTSウイルスの感染の可能性も考えて」と話す。
SFTSは、ウイルスを有するマダニ(フタトゲチマダニ、ヒゲナガマダニ、オオトゲチマダニ、キチマダニ、タカサゴキララマダニ)にかまれることで感染する。自然界では、シカやイノシシなどが中間宿主となり、ウイルスを保有するマダニを増やす。しかし、中間宿主の多くは症状を示さない不顕性感染である。「発熱や食欲消失など、体調が明らかに悪い猫や犬は、マダニにかまれたことが確認できない場合でもSFTSを疑う必要がある」と西條氏は話す。
患者の主訴として発熱や嘔吐、下痢など、血清学的検査で血小板減少、白血球減少、AST・ALT・LDHの上昇を認めた場合、マダニにかまれた以外にも、具合の悪い猫の体液が触れるような関わりがなかったかを確認する。
わが国でのSFTSの致命率(ある特定の病気にかかったと診断され、報告された患者のうち、一定の期間内に死亡した患者の割合)は約20%である。中国や韓国では患者血液との直接接触が原因と考えられるSFTSのヒト-ヒト感染の事例も報告されている。