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徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

インフルエンザの話題いくつか

2011年04月01日 06時11分45秒 | 小児科診療
 最近目についたインフルエンザ関連情報を書き留めておきます。
 先日も取り上げましたが、本日4/1から”新型インフルエンザ”から”新型”が無くなり、季節性にランクが下げられるというニュース;

■ 新型インフル、従来の季節性と同じ扱いに
(2011.3.31:読売新聞)
 細川厚生労働相は31日、2009年発生の新型インフルエンザについて、感染症法の「新型」の類型から外し、4月から従来の季節性インフルエンザと同様の扱いにすると公表した。
 名称は「新型インフルエンザ(H1N1)」から「インフルエンザ(H1N1)2009」に変更される。
 感染症法では、新型インフルエンザについて、国民の多くが免疫を獲得するなどした場合、厚労相の公表をもって「新型」の類型から外す、としている。09年4月に確認された今回の新型インフルエンザは、2シーズン目の流行がほぼ終息し、流行の規模や期間などが従来の季節性インフルエンザと同じ傾向だった。


 このために備蓄した国内ワクチンが期限切れを迎え、149億円を捨てることになりました(輸入ワクチンは既に廃棄済み);

■ インフルワクチン149億円分廃棄 厚労省、期限切れで
2011年3月31日(朝日新聞)
 2009年から10年に新型として世界中で流行したインフルエンザA09年型のワクチンについて、厚生労働省は31日、国内4社から購入した約149億円(健康な成人換算で約3100万人)分のワクチンを有効期限切れで廃棄したと発表した。
 厚労省は09年10月、インフルエンザの流行に備え、国内の4社から5400万人分のワクチンを260億円で購入。2300万人分は病院などに納入されたが、接種回数が2回から1回に変更されるなどで、残りは使われなかった。
 さらに、厚労省は09年から10年にかけて、海外メーカー2社ともインフルワクチン9900万人分の輸入契約を結んだ。しかし、接種が予想を大きく下回り一部を解約。2社への支払額は違約金も含め、853億円に上るが、ほとんどが廃棄されている。


 次に、全国的には学校・幼稚園が春休みとなりインフルエンザ流行は終息に向かう一方で、24時間集団生活を余儀なくされている避難所では流行が発生しているというニュース;

■ インフルエンザ患者、2週連続増 避難所でA香港型流行
2011年3月25日(朝日新聞)
 インフルエンザの患者数が2週連続で前の週を上回った。国立感染症研究所(感染研)が25日発表した定点調査によると、最新の1週間(3月14~20日)に新たに受診したインフルエンザ患者は1医療機関当たり17.25人(前週16.81人)だった。東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県などの避難所でも集団発生している場所があり、注意を呼びかけている。
 感染研感染症情報センターの安井良則主任研究官は「避難所ではA香港型の集団発生が目立つ。高齢者が感染すると、肺炎になるなど重症化の恐れがある。マスクをつけるなど、せきエチケットを徹底してウイルスを持ち込まないよう心がけ、もし発症者が出たら、避難所内で広がらないよう他の人と距離を置くなどして欲しい」と話した。


 忘れてはならない「鳥インフルエンザ」。日本では鳥への感染で騒いでいますが、世界では現在もヒトの患者が発生し続けています;

■ 鳥インフルエンザ-エジプトにおける状況
2011年3月29日 WHO(原文)
  エジプト保健省は、鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)亜型による新たな3例のヒト感染症例を確認したと発表した。
 疫学調査の結果、これらの症例には鳥インフルエンザの感染が疑われた家禽への曝露が確認された。
 これらの症例は、世界インフルエンザサーベイランスネットワーク(GISN)の国家インフルエンザセンターであるエジプト中央公衆衛生研究所で確定診断された。
 エジプトではこれまでに133例が確定診断され、そのうち45例が死亡している。


 最後に、明るいニュースを。
 国内で開発された抗インフルエンザ薬が承認されました。現在しようされているノイラミニダーゼ阻害薬(タミフル、リレンザ等)と作用機序が異なり、発症後時間が経っても効果が期待できるそうです;

■ 富山化学、インフルの新薬を申請
2011.3.31:北日本放送
 富山化学工業は新しいインフルエンザ治療薬の製造・販売の承認を厚生労働省に申請しました。
 新型インフルエンザの治療薬としても世界中から注目を集めている新薬です。
 承認を申請したのは富山化学工業が開発したインフルエンザ治療薬「T‐705」です。
 「タミフル」など従来の治療薬は増殖したインフルエンザウイルスが細胞の外に出ないようにすることで感染拡大を防いでいたのに対し、「T‐705」はウイルスの増殖自体を阻止する作用があるということです。
 新型インフルエンザにも効果が見込まれるほか、インフルエンザ以外の感染症治療薬にも発展する可能性があるため、世界中から注目を集めています。
 「T‐705」は富山化学工業がおよそ10年をかけて開発したもので、承認されれば早ければ来シーズンのインフルエンザ治療薬として販売される見込みです。

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