移民や出稼ぎは安い労働力じゃあない

2006-01-31 03:38:17 | Weblog
労働人口が減っていくと、割の悪い仕事を経営している人にとっては人手不足は深刻なんだろうとは想像がつく。

そこで移民とか、外国人労働者などに頼るわけだけれど・・・

そのマイナス面が出てくるのは日本生まれの外国人が育った後のことだ。日本人と同じ権利があるはずだと、日本で生まれて育ったなら当然そう思うだろう。でも、日本人でさえ激しい競争の中で戦って有利な条件をやっと勝ち取って「勝ち組」になるのであって、外から入ってきた人間ならそれ以上の努力か能力がなければ、いつまでたっても、安い労働力を担うだけの立場に甘んじなければならない。それは差別とは限らないのだけれど、なかなかそうは思わない。

不満で目をぎらつかせた若者を雇う人もいないだろうから、仕事さえ手に入らなくなってしまう可能性もある。

その結果が、近年ヨーロッパ各地でおこった暴動。

政府は社会への怒りがくすぶるような貧困層を作ってしまわない方策をちゃんと考えているのだろうか。
日本人は、外から途中から入ってきた人間と、豊かさを共有する覚悟は出来ているのだろうか。彼らが安い労働力で支える社会の上層に、日本人が貴族のように安穏として暮らすことなど、到底許されない日はすぐ来る。

また、十分な職業技術を学ばない日本人は、外から入ってきた努力を惜しまない人や低賃金に甘んじられる人に居場所を奪われることも不思議ではない。

ドイツではそうやって仕事を失ったドイツ人が、移民の流入とは逆に仕事のあるスイスなどの外国へ出稼ぎに出始めている。

「栄えしものもいつかは滅びぬ」の法則から日本が逃げ切れるかどうかはわからないけれど、移民問題や出稼ぎ問題を将来の大きな重荷にしないためには、彼らを安いコストで受け入れることだけはやめたほうがいい。

彼らは安い労働力なんかじゃなあい。今は安くても、後払いの賃金があるのだ。将来否応なく、日本という家の遺産を分け合う家族となるのだ。一時的に雇われたお手伝いさんではない。

そして、悪平等にならないように日本人と平等の立場を保証するには、彼らもしくは彼らを雇う人、または利益を得る人には、それ相応の負担をしてもらわないとならないのでは?それは現実的に可能なのだろうか。