還暦過ぎの阿乱怒論

家庭菜園や工作好きの爺父が日々感じたことを綴る独り言

歴史

2017-01-07 20:16:07 | 日記
現役を引いて暇になった高齢者の楽しみは、温泉やグルメ、それに旅行が一般的ですが、知的(?)な分野では俳句や短歌、それに歴史研究が多いようです。

「歴史は勝者によって作られる」と言われるように、勝者に都合の悪い物は焼き捨てられたり、改ざんされたりしていることが多い。
(子供や孫に自分の過去を話す時に自分に都合の悪い事や不利な事は省いて語るのと全く同じ)
そこでわずかに残った史跡や口伝を元に、想像力を駆使して過去の歴史を解釈しなおす余地が大きいことが興味をそそるのでしょう。

ひとつの歴史的事実でも国や立場の違いによって見方や解釈が真逆になることも結構多いものです。
また自分の思想的立場に拘るあまり歴史解釈が表層的になることもあります。
最近はネットの普及によっていろんな考え方を容易に発信できたり、陰謀論や謀略論的な考え方を目にする機会も多くなったので余計です。

昨日近くで「近代・現代史市民講座」なるものが開かれていたので参加してみました。
講師は偶然にも長女が西宮の小学校でお世話になった先生のご主人で、中学教師を定年後に大学に行って歴史を勉強しなおされた方でした。
講座の趣旨は「単純に善玉・悪玉を仕分けるだけでなく、事実を事実として直視し、多角的に柔軟に歴史を理解することで、客観的で広い視野と深い理解に基づく歴史観を持てるようになる」ということで、資料に基づく実証的な事実を基にするというものです。

昨日は「太平洋戦争開戦」に至るまでの日米関係と、「真珠湾攻撃にいたるいきさつ」について現存する資料に基づいてお話されました。
学校の歴史の授業では古代から始め、現代については時間不足で深く学ぶ時間がなかったように記憶しています。
そのせいか知っているつもりでも突き詰めてみると深く知らないことが多いことに気付かされました。

最近のことなので資料は充実している筈なのですが、逆に支障があるのか、まだ公開されていないものも多い。
また例えば本省と現地大使館に相反する資料があったり、敗戦時に焼却した資料も多いそうで、まだまだ事実がはっきりしない事も多いそうです。
そこに謀略論が出てくる余地があるようで、正しく歴史を理解するのはなかなか難しい。
だからこそ歴史が面白いのです。

いくら年をとっても知的好奇心は大切にしたいものです。