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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

差動増幅回路の妙③ 2段目とエミッタフォロワ

2011-04-27 23:50:56 | 電子回路
さて、右の回路図は何でしょう。これは差動増幅回路の出力(OUT1)をQ3のエミッタ接地増幅回路でさらに増幅し、それに出力回路のエミッタフォロワを取り付けたものです。

2段目の増幅回路はバイアス電流を1mAとしましたのでコレクタ抵抗R4は14.3kΩになります。ゲインは143倍にしましょう。すると、Gain=R4/R3で、エミッタ抵抗R3は100Ωと決まります。

さて、差動増幅回路はというと、エミッタ電流を1mAとするとエミッタ抵抗は14.3kΩ。IN1を信号入力とし、IN2は0Vに固定、OUT1を出力としています。Q1のR1は1.6kΩとしていますが、なぜ1.6kΩなのかは考えてみてください。IN1の入力に対してOUT1は極性が反転します。それがQ3の増幅回路に入力されるので再度反転し、結果的にIN1の入力とエミッタフォロワの出力OUTは同相になります。

回路全体のゲインはどれくらいでしょう。Q3の増幅回路はゲイン=143ですね。差動増幅回路のゲインは、よくわかりませんが“非常に大きい”でした。まあ100くらいに考えておきましょう。すると回路全体のゲインは、100×143=14300と、これはとてつもなく大きな値になります。さて、こんなものが使い物になるのでしょうか?実はゲインは大きければ大きいほど良いのです。これも最後にスッキリします。

試しに、IN1に⊿V=0.1Vを入力してみましょう。そのまま計算すれば0.1×14300=1430Vになりますが、回路図から明らかなように出力は電源電圧以上にはなり得ないので、出力(OUT)は+15Vです。⊿V=-0.1Vを入力すれば、同様に出力は-15Vです。

さて、どうしましょうか。

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