紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

グルーヴィー&ファンキーな名盤…ヒアーズ・リー・モーガン~リー・モーガン

2008-02-12 22:49:25 | ジャズ・トランペット
バッチリ、goodなグルーヴ感覚に、ブリリアントでエモーショナルな魅惑のフレーズでビシッと決め捲る、伊達男。
そう、それが今日の主役「リー・モーガン」が贈る、VeeJayの名盤、「ヒアーズ・リー・モーガン」です。
参加メンバーも最高レベル…演奏曲も超行けてる…正に言う事無しです。

アルバムタイトル…ヒアーズ・リー・モーガン

パーソネル…リーダー;リー・モーガン(tp)
      アート・ブレイキー(ds)
      ウィントン・ケリー(p)
      ポール・チェンバース(b)
      クリフ・ジョーダン(ts)

曲目…1.テリブル・T、2.モギー、3.アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー、4.ランニング・ブルック、5.オフ・スプリング、6.ベス

1960年録音

原盤…Vee Jay LP-3007  発売…㈱ファンハウス
CD番号…FHCY-2007

演奏について…もう、最高の名演は誰が何と言おうとも、3曲目「アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー」の超絶バラッドである。
とにかく、この1曲だけでこのアルバムの価値は普遍であり、「リー・モーガン」と言う稀代のトランペッターの評価を揺ぎ無い物にしている。
「ケリー」の叙情的な前奏に率いられて、「モーガン」が、とにかくロマンティックで、ナイーヴで、そしてセンチメンタルにミュート・トランペットで心情を歌う。
続く「クリフ・ジョーダン」のテナー・ソロもすごいの一言。
「モーガン」の描く音を敢えて女性とするならば、「クリフ」は渋い男性です。
めちゃくちゃに「モーガン」のアドリブ・ソロが可憐で美しいんです。
サポートする「ケリー」のピアノ・アドリブ・ソロも心の琴線触れ捲りで…泣けます。
御大「ブレイキー」は静かに脇役に徹し、「チェンバース」は演奏こそ主張無しですが、野太いベースを淡々と、切々と刻み、見事に助演男優賞獲得です。
夜の四十万に映える、一輪の真っ赤なバラの様に悲しくも、美しい名演奏です。

ファンキー節がびんびんで、絶好調のオープニング曲「テリブル・T」ですが、こう言ったファンキー演奏を演らせたら、「モーガン」はトランペット奏者では、殆ど神と言って良いんじゃない?
ヴィー・ジェイと言うマイナー・レーベルのレコーディングだけど、奏でられたサウンドは、ブルー・ノート真っ青、いやブルー・ノートその物と言っても良いぐらい。
「モーガン」を煽るぐらい乗りの良い「クリフ・ジョーダン」と、こちらもファンキー・ピアノの申子、「ウィントン・ケリー」もソロで決めます。
ラテン・ドラムでぎんぎんに煽り捲る「ブレイキー」と渋く決める「チェンバース」のサポートも二重丸評価です。
とにかく、楽しい1曲です。

2曲目「モギー」…この曲も楽しげなファンキー・チューンで、「モーガン」と「ジョーダン」のユニゾンで始まるテーマ・メロディ演奏なんか…まんまブルーノートみたい…。
アドリブに入ってから、「モーガン」はブリリアントで聡明なサウンドを、これ見よがしに吹いてくれます。
受けた「ジョーダン」は明るく豪快に、ぶいぶいとテナーをかまして、更にアドリブを展開させます。
「ケリー」は魅力溢れるフレーズを連発して、二人の演奏に修飾を付けてくれて…終盤では「チェンバース」のソロも出てきちゃうし…最後は「ブレイキー」がガツン、ドキュンと太鼓を敲き捲って…クインテットのパワー全開で…フィナーレとなって…本当に良い演奏です。

6曲目「ベス」…ブラッシュで引っ張る「ブレイキー」に、ミュートで応える「モーガン」。
「クリフ」も前半は弱音を活かした、かなりセンシティブなソロを演ってくれて、後半はテナーを良く歌わせて…とても魅惑的な演奏です。
「ケリー」はブロック・コードを主体にしたサイド演奏と、跳ねる様に乗ったシングル・トーンで陽気に歌わすソロ演奏の対比が面白いですねぇ。
ラストはホーン二人の、ハーモニー&ユニゾンのテーマ演奏でバッチリ〆てくれますぜ。

4曲目「ランニング・ブルック」…例に洩れず「モーガン」と「ジョーダン」のユニゾン演奏で幕を開けて、その後「ジョーダン」が、バリバリとカッコ良いテナー演奏をばっちり決めます。
その後、「モーガン」のソロが、迫力満点の名演奏です。
「ジョーダン」が、かなり煽ったので、倍返しですんごいアドリブをやっちゃいますよ。
「ケリー」は、これ以上二人をバウトさせない為か?、goodなフレーズを弾きつつも、少し引き気味のアドリブ演奏をするんです。
サッカーで言う、とてもクールなボランチの様な演奏ですね。
しかし…「ブレイキー」は、終盤に思い切り煽り捲って…「ケリー」の冷静さははて?どこへやら?
でも、そいつが良いんです。
「ブレイキー」はやっぱり、ガツンとやらないかんのです。(大爆笑)!!

5曲目「オフ・スプリング」…「ジョーダン」が思い切りブローするソロから聴いていて気持ち良い~!
実直にベースを弾き続ける「チェンバース」…良い仕事してますね。
「モーガン」は、ここでかなりクールでインテリジェンス有るアドリブ・ソロを決めてくれます。
「ケリー」は、前半は伴奏に専念していて、終盤にかなり遊び心を見せたおかずを多めのソロをしっとりと演ってくれます。
どこかラグタイム調の、オールディーズな雰囲気が感じ良いです。
ラストはホーン二人が、テーマを演って…クール・ダウンです。


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