紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

ノリノリ最高!…ジミー・スミス~ジ・インクレディブル・ジミー・スミス.vol3

2008-02-16 23:22:06 | ジャズ・ビッグバンド・その他
演奏曲にスタンダード・ナンバーがずらり…。
オルガン・ジャズの神様、「ジミー・スミス」がブルー・ノート初期に録音した、ノリノリのアルバムがこれなんです。
ファンキー&ブルージーな一夜をお過ごし下さい。

アルバムタイトル…ジ・インクレディブル・ジミー・スミス.vol3

パーソネル…リーダー;ジミー・スミス(org)
      ソーネル・シュワルツ(g)
      ドナルド・ベイリー(ds)

曲目…1.ジュードー・マンボ、2.ウィロー・ウィープ・フォー・ミー、3.恋人よわれに帰れ、4.ウェル・ユー・ニードント、5.フィドリン・ザ・マイナーズ、6.枯葉、7.アイ・カヴァー・ザ・ウォーター・フロント

1956年6月17日、18日録音

原盤…BLUE NOTE 1525  発売…東芝EMI
CD番号…TOCJ-6537

演奏について…序奏のアプローチが、一風変わった入り方で、印象的な6曲目「枯葉」…最初のアドリブ演奏のメインは、「シュワルツ」で、かなりブルージーで、じっくり聴かせるタッチで、枯葉のメロディの、わび・さびを表現する。
「ジミー・スミス」は、一音、一音のフレーズを長めに取って、サイドで伴奏的な演奏ながら、曲を劇的に染めて行く。
この二人のデュオ&バトル演奏を、上品に飾るのが、ブラシをメインに静かにサポートする「ベイリー」です。
動の「シュワルツ」&「スミス」と静の「ベイリー」の対比が真に素晴らしい1曲です。

オープニング曲「ジュードー・マンボ」…一発目から、全開バリバリのノリノリ・ナンバーで、これぞ「ジミー・スミス」の世界、BNのオルガン・ジャズの真骨頂って所です。
「ソーネル・シュワルツ」のテク抜群のギター・アドリブと、それ以上にバカ・テクでぶっ飛ぶ「ジミー・スミス」の天空を舞う様なオルガン演奏に感動する。
さりげなく二人を煽る「ドナルド・ベイリー」のドラミングもgoodで、終盤では、彼のラテンチックな一発ソロも聴けます。
1956年と言う年代を考慮すると、時代の最先端を行ってる演奏解釈に驚くばかりですねぇ。

2曲目「ウィロー・ウィープ・フォー・ミー」…こう言ったスロー・ブルーズの曲は、ドンピシャ、ジャズ・オルガンって言う楽器にはまるよね?
「スミス」の感情移入も至極当然だし、「シュワルツ」のジャジーな演奏も当然ストライク・ゾーンのど真中で、この二人が演るんだから、好演にならないはずが無い。
とにかく、ピアノ演奏を超える様な高速で運指して、ガッツリとアドリブを演る「スミス」の超絶演奏がまじにスゴス。
硬派のオルガン・ジャズを聴こうぜぃ!!

3曲目「恋人よわれに帰れ」…序奏の入り方が、最初「A列車で行こう」っぽいのが微笑ましくて、笑える。
演奏も正しくその通りで、かなり高速のリズムで、(列車が)疾走するように「スミス」と「シュワルツ」が、駆け巡る。
特に「スミス」の出来は秀逸で、正に「オルガンの神様」と言う冠に偽りが無い。
勿論、「シュワルツ」のアドリブも抜群に良い出来です。
オルガン・トリオとして、最高にパフォーマンスが凝縮された演奏でしょう。

4曲目「ウェル・ユー・ニードント」…「セロニアス・モンク」作曲の名曲だが、ここでの演奏には「モンク」臭さは殆ど無い。
きっちり「スミス」トリオとして、曲を調理しており、あくまでも素材としての「モンク」曲であり、曲の進行、アドリブ展開は…完全に「ジミー・スミス」流になっている。
終盤、「ベイリー」がおかずを沢山付けて、アドリブを演る所が、とてもお洒落~って思いますね。
分り易く、一言で言うなら、とても面白い演奏でしょう。

5曲目「フィドリン・ザ・マイナーズ」…「スミス」のオリジナル曲で、ややハイ・テンポで、自らのオルガン演奏を立たせた曲で進行して行く。
中間部から「シュワルツ」もいきり立ってきて、「スミス」とバトルを演り合う。
3人編成(トリオ)演奏には思えないぐらいに熱い演奏です。

ラスト「アイ・カヴァー・ザ・ウォーター・フロント」では、前6曲がかなり熱演だった事もあり、敢えてラスト・ナンバーは、寛ぎをメインに、…つまりクール・ダウンを主たる目的にセレクトした感がする曲目&演奏になっている。
「スミス」のタッチもとても軽やかで、「シュワルツ」もコードだけで、リズムを刻み、サイドメンに終始している。
この辺りの〆方も、「スミス」のセンスがなせる業なんでしょう。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
久々に聴き直してみました。 (加持顕)
2008-02-17 15:49:22
 こんにちわ。
 私の手持ちは『3in2』の輸入CDなんですが、Vol.1~3に分けてCDに焼き直して聴いてます。
 いつも一曲目の『Judo Manbo』で、何で柔道にマンボ?って思ってしまいますが、最初のギターがカチャカチャ擬音を奏でるあたり、結構好きです。
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か、加持さん…お、お久しぶりです。 (えりっく$Φ)
2008-02-18 15:32:15
加持さん、このアルバム…まじ、良いっすよねぇ?
こう言い方は古いですが、この時代を考慮すると、「ジミー・スミス」は、名前と正反対?の地味(じみ~)じゃなくて、ハイカラな演奏を好んで出してくれるのが、何とも堪らない魅力ですよねぇ。
ところで、曲名ですが、欧米人にとっては柔道の動きが、マンボとリンクしていたのでしょうか?(笑)
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技を決められた時に・・ (加持顕)
2008-02-18 20:59:21
畳に叩きつけられると、
思わず『ウッ!』と漏らしてしまうから?

・・・ハイ、失礼しました(笑)。
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そうなんですか? (えりっく$Φ)
2008-02-18 23:04:43
異国の方々と、我々とは全く着眼点が違う事も多いので、案外加持さんがおっしゃってる事も、真実かも知れませんね。
すごーくシンプルに解釈すれば、「柔道」(ジュードー)=東洋なのかも知れません。
つまり、東洋的(彼等からすればエキゾチックな)マンボと言う事で…お後が宜しいようで…。。。
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