紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

トランペットとバリトン・サックスの競演…ザ・キャット・ウォーク~ドナルド・バード

2008-02-29 23:06:00 | ジャズ・トランペット
今日は当たり前ですが、4年ぶりのうるう年、2月29日ですね。
このブログを書き終えると、次回の2月29日は、また4年後まで無いんですね。
そう考えると、一寸不思議な気分になります。

さて、今日もブルー・ノートから楽しい一枚を紹介しましょう。
トランペットの貴公子「ドナルド・バード」と双頭のコンボを組む相棒が、バリトン・サックスの「ペッパー・アダムス」。
高音パートと低音パートの2管編成の妙が楽しめるアルバムです。

アルバムタイトル…ザ・キャット・ウォーク

パーソネル…リーダー;ドナルド・バード(tp)
      ペッパー・アダムス(bs)
      デューク・ピアソン(p)
      レイモン・ジャクソン(b)
      フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

曲目…1.セイ・ユーア・マイン、2.デュークス・ミクスチュア、3.イーチ・タイム・アイ・シンク・オブ・ユー、4.ザ・キャット・ウォーク、5.キュート、6.ハロー・ブライト・サンフラワー

1961年5月2日 録音

原盤…BLUE NOTE ST-84075  発売…東芝EMI
CD番号…TOCJ-6562

演奏について…オープニング曲「セイ・ユーア・マイン」…1曲目から、とてもメロディアスで、マイナー・チューン好きな人のハートを直撃するテーマが魅力的で、「バード」のミュート・プレイのリリカルさとナイーヴな演奏が、より一層魅力を倍増させている。
後を受ける、渋い「ペッパー・アダムス」の重厚なバリトン・サックスと、「ピアソン」の叙情的なシングル・トーンでの優しげなタッチが…得も言わぬアシスト機能となって、曲と演奏を彩るんです。

2曲目「デュークス・ミクスチュア」…ゴスペル調のファンキー・チューンで、「バード」と「アダムス」の2管のユニゾン演奏が、より、アーシー&ブルージー、…そしてファンキーの3種の匂いを強烈に発する。
特に「アダムス」の分厚いバリトン・サウンドが重厚さを3割増しにさせて…リリカルなタッチで軽やかに弾く「ピアソン」との対極的な演奏と音質が、更に曲の特色を色濃くさせている。
実直に、テクニックを抑え目にリズム・セクションに徹する「フィリー・ジョー」の脇役ぶりが良い仕事をしています。

3曲目「イーチ・タイム・アイ~」…序奏のソロを取るのがバリトン・サックスの「ペッパー・アダムス」と言う編曲の妙が、センスを感じさせるバップ・チューンで、期待に違わず、「アダムス」が抜群アドリブで、ぶいぶい言わせる。
「バード」のオープン・トランペット演奏は、伸びやかで健康的で気持ち良い。
「ピアソン」のソロも勿論良いが、この曲では前2曲で大人しかった、「フィリー・ジョー」が本領発揮で、超絶ドラミングで皆をバンバン煽ってくれます。
流石「フィリー・ジョー」です。
ファンキーさとバップ臭さが倍増しですねぇ。

4曲目「ザ・キャット・ウォーク」…90年代に入って、大ヒットしたUs3の「カンタループ」にサンプリングされたタイトル曲なのだが、今聴いてもなるほどと思わせる魅力が有る曲です。
変則的なリズムで、曲を切りながら進行する所は、正しく抜き足、差し足、忍び足の…猫が歩く様を表現しているのでしょう。
特に「ピアソン」のカラフルで、魅惑溢れるアドリブ・ソロ演奏が美しい雌猫のしなやかさを表している。
「バード」と「アダムス」は、フェロモンぷんぷんの雌猫に求愛するのか?アッシー君、貢君をしている、情けない雄猫みたいだなぁ。
いつの時代も女は強いもんだ。
人間でも、猫でもそれは変わらないねぇ!!

5曲目「キュート」…アルバム随一の急速調の曲だが、完璧な演奏技術のメンバーが揃っているので、楽々こなしていて、心憎い。
「バード」の運指も流石だし、「フィリー・ジョー」と「ジャクソン」のリズム・セクションも完璧なシンクロで、心強いばかりです。
「アダムス」も難しいバリトン・サックスと言う楽器を、超絶で吹き通して、漢っぷりを見せ付けてくれます。
フィナーレの盛り上げもバッチリ決まって、…特に「フィリー・ジョー」がソロで爆裂ドラミングを決める部分は圧巻の一言。
相変わらずやる所はやってくれるぜ「ジョー」!!カッコイイぜぇい!!!

最後に、今日の卓球(女子)惜しかったね!
中学生の「石川佳純」ちゃんが善戦空しく負けちゃったけど、あそこで(特に第1セット)で取っていれば、波に乗って(チームも)勝てたかもしれない。
とても残念です。
個人的には「福原愛」ちゃんよりも「佳純」ちゃんのファンな物で…。
勿論、「愛」ちゃんや「平野」選手も沢山応援したんですけど…皆負けてしまって、返す返す残念です。
しかし皆若いので、この敗戦を糧にして、次回(来年)の横浜でリベンジして欲しいです。
女子の分も、明日の男子、頑張れ!!!


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
D・ピアソンの作曲能力が。 (加持顕)
2008-03-02 04:31:50
D・ピアソンの参加が、本作品の肝でしょうか。もちろんドスの効いたP・アダムスのバリトンも良いですが。

ブルーノートの録音データを見ると、4月17日には未発表アルバム「Chant / Donald Byrd(Blue Note LT-991)」が録音されていて、ここでも「Cute」を録音していたみたいです。
ただ、出来が悪かったのか削除(笑)されてますが。
ちなみに「Chant」のピアノ、ブルーノート初録音だったハービー・ハンコックだったりします。
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加持さん毎度、貴重なコメントありがとうございます。 (えりっく$Φ)
2008-03-04 23:23:09
加持さん、こんばんわ。
確かに言われる通り、「ピアソン」の参加は、本作品の肝になっていますよね。
「ピアソン」と言うピアニスト、音色、タッチ、センス、精神の全てにおいて、ブルーノートらしい、ミュージシャンだと思います。
個人的には大好きです。
でも、でも、「ハービー」の入ったコンボも聴いてみたいです。
生唾ゴックン物ですね。
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