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毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

『本の雑誌』 本好きによる、本好きのための雑誌♪

2011年08月26日 16時41分30秒 | 図書館で借りた本
 久しぶりに図書館へ行ったら、『本の雑誌』の2011.4~7までを通して借りる事ができてほくほく♪3月の震災当時は、こういった月刊誌はまったく入荷していなかったので、バックナンバーが読める図書館って、ありがたいなぁと思います。本好きによる本好きのための雑誌!あ~、古今東西いろんな小説や海外翻訳の話しを読むのって、どうしてこんなに楽しんだろう。

まだざっとしか読んでいないけれども(ちびちび味わって読むのだ )心に残ったお話を二つあげておきます。

○ 5月号 浜本 茂「本と出版の仕事ー東日本大震災によせて」より引用

 そんな中「一冊の『週刊少年ジャンプ』が、雑誌の最新号が届かない仙台市にある書店で、百人以上の子どもたちに『立ち読み』されている」というニュースをネットで見た。取次ぎからの便がなく、新刊の入らない書店が男性客から譲られた一冊の「少年ジャンプ」を店頭で立ち読みOKにしたところ、順番待ちにもなる人気となり、十キロも離れた自宅から自転車で読みにくる子も現れたという。今号で鏡 明氏が本は「目と太陽があれば楽しめる唯一のメディア」と書いているが、まさにそのとおりだろう。

> 巻末 後書

 巻頭で紹介した「少年ジャンプ」を立ち読み可にした書店は仙台市青葉区の塩川書店五橋(いつつばし)店で、震災から三日後の十四日に営業を再開したそうだが、在庫のみの営業だったため、店主は雑誌の最新号を求める客が来るたび「ないんです。入荷も未定です」と謝り続けたという。「コロコロコミック」がないと聞いて、泣き出す子どももいたらしい。貴重なジャンプは百人以上の回し読みのため、表紙がめくれ上がってしまったそうだ。

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 多くの子ども(大人もね)にとって、毎週月曜に発売される「ジャンプ」は、日常の証だったんですよ。手に出来なくなって、あぁ、これが人間の対抗できないチカラなんだと実感したと思います。「コロコロコミック」が読めなくて泣いた子の気持ちが、痛いくらい。それが塩川書店で、「ジャンプ」が立ち読みできた時、その大切な日常を一時でも感じられた子たちが、どれだけ癒されたか救われたか、すごく伝わってきます。

電気も水道もガスも止まって学校もなくて、他にする事がないんだもの、そりゃ誰だって「ジャンプ」が読めるんなら、十キロだって自転車漕いでいくでしょう(笑)いつか、この話を笑い話しにできるよう、この子たちにそういう日が来ることを願ってます。


○ 7月号 入江 敦彦 「『日本沈没』のクリアな視線」より引用

 あくまで”お話”であったはずの空想科学小説が予言書でもあるようにピタリピタリと言い当ててゆく様はどこか空恐ろしくさえある。むろん、だからといって日本は沈没などしないだろう。が、もしかしたらこれから何年、何十年に亘って人間が住めなくなる可能性がある半径20~30キロもの区域は、その期間、海の底に沈んでしまっているのとどれほどの違いがあるだろう。


* 入江さんは、先日のロンドン暴動についても、素晴らしい考察を書かれておいでです。ぜひご一読下さい。

Togetter 「ロンドン暴動、在英京都人作家・入江敦彦さん(athicoilye )の考察。」( http://togetter.com/li/172491 )



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2 コメント

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Unknown (樽井)
2011-08-26 23:26:33
こんばんは。
 確かに、あのとき、ジャンプなどが数日遅れで配達されるのを見て、今回の地震の被害は単なる物理的破壊にとどまらずとんでもないことなのだなと思ったのは僕も鮮明に覚えています。 
 朝にセブンイレブンに張り紙がしてあって「ジャンプ入荷数日遅れます」とあったのが今でも忘れられません。
 
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「ジャンプ」が読めないという、ショック。 (すず)
2011-08-28 09:58:55
>樽井様

 おはようございます。

この震災で、「日常」が出来上がるには、いろんな繋がりがあってこそなんだという事を学べました。人それぞれ、いろんな形で体感したと思いますけど、哀しさは同じです。

震災から三週間くらい?してから、仙台市内中心部のコンビニで、店員さんが「今日入荷したばかりなんですよ」と言って、週遅れのジャンプを並べているの見た時は、本当に嬉しかったです。一冊づつビニール袋に入っていて、どんどん売れていました。みんな待っていたんだなぁと泣けてきましたよ。

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