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毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

加納 朋子 『七人の敵がいる』 すごくリアルだった理由。

2012年08月31日 09時30分15秒 | 図書館で借りた本
 いま、図書館から借りてきた、『読むのが怖い! Z 日本一わがままなブックガイド』(北上 次郎×大森 望)を読んでいるんですが、面白い逸話ばかりで、何度も読み返しています。

やっぱりなぁと思ったのが、加納 朋子さんの『七人の敵がいる』の裏話。このお話、ネットで本の紹介やあらすじを読んで、見事に読む気が失せたんです。だって、当時はリアルタイムでPTAの事でしんどい思いをしていて、なんで本でまで読まなきゃならんのだ!と思いまして(笑)逆説的ですが、それくらい、主人公の悩みが真に迫っていて苦しいし、辛いんです。とてもじゃないけど私には「面白い」とは読めなかったんです。

* 『七人の敵がいる』あらすじ
 「PTAエンターテインメント」っていうんですが、小学生の子供を持つお母さんが主人公で。いわゆる働く親なので、PTAに出ていくと、なかなか周囲と意見が合わないという。その、大変な近所の連中と、戦わなきゃいけないって話でね、すごくおもしろかったですね。(by北上 次郎)


で、本書で北上さんと大森さんの話を読んで、だからこんなにリアルだったんだ!と納得しました。

以下、『読むのが怖い Z』P248から引用

>大森
 加納さんのインタビューによると、この小説の最初のほうに、PTAの役員を決める会合で、主人公が「そういうことはヒマな主婦の方がやったらいいんじゃないですか?」って言っちゃうシーンがあるでしょ?あれ、半分実話なんだって。といっても、そう発言したのは加納さんじゃなくて、加納さんの旦那さん(注:作家の貫井 徳郎 ぬくい とくろう氏)PTAの初会合には旦那が出たんだけど、その発言のせいでみんなから総スカンを食ったと。帰ってきた貫井さんからその話をきいて、「これはまずい」と思って、それからは加納さんが自分でPTAの会合に出ることにしたんだそうです。

>北上
 じゃあ、それで行って、いろんなPTAの人たちの・・・・。

>大森
 そうそう。その実体験がもとになってる。うちの女房も言ってたんだけど、PTAに関わると、これだけ苦労したんだから、これは本に書かないと損だって思うらしい(笑)

(中略)

>大森
 ~今までの加納さんの作品とは全然違う、ある意味ベタな展開で。ただ、その分すごく誇張もしてるし、いくらなんでもこの結末はちょっと無理があるだろうと思うんですけど。そこで急にリアリティがなくなっちゃう。

>北上
 まぁ、明るい未来を出す感じで、終わりたかったんじゃないの?でも、じゃあうちのかみさんもいろいろ苦労してたのかなぁ?全然きいたことなんだけど、オレ。

>大森
 下手にきくとすごく怒られますよ、きっと。

>北上
 「何よ今さら!」って?

>大森
 そう。「今までどんだけ大変だったと思っているの!」って。

>北上
 そうか。じゃ、きくのやめよ。

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ここ読んで、北上さんを奥様のかわりに思いっきりぶっ飛ばしたくなりました(笑顔)あ、加納さんのかわりに旦那さんもぶっ飛ばしたい。

私は貫井さんの作品は、どれも重すぎてまったく読みたくないジャンルなので、ご本人のこともさっぱりわからないんですが、このエピソードで一気に印象が悪くなりましたよ(苦笑)
コメント (2)
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