leaf*

ナツノの日常のことを書いています。
しばらくの間コメントお休みさせてくださいね…by ナツノ

いつのまにか夏は行って

2008-09-24 | 季節

今朝は、乾いたつめたい風が吹きました。
日が昇り始めた頃、ひゅううう~と、
裏の小さな林を揺らして…思いもかけない程の、強くて、冷たい風が吹き抜けました。

寝起きの顔には、気持ちよかったです。
そして、こんな秋を知らせる風が吹くと…ひと昔よりもっと前に住んだ、遠い場所のことを思い出します。

短い夏も、冷たい春も、洗われるような秋も…氷のような冬も。
美しかったです。
特に秋は…息を吸い込むと、身体中が透き通ってしまうような、キレイで冷涼な風が吹きました。
背の高い樹は、みんな黄色や赤に紅葉し、その葉がいっせいにカサカサと、風に揺れます。

夏は短くて、空が高くなったな、と思うと、あっという間に秋になりました。
乾いた、北からの風の便りが届きます。
そのうちに…オイルヒーターのニオイが部屋に流れ、チン、チン、と音がします。

あの頃は、毎日が必死で…
今にして思えば、もっともっと、色んなモノを、拾い集めるコトが出来たのではないかと…

もったいなかったような、気もします。でもあの時は、あれで精一杯だったのですよね。きっと。
だから、いいんだと思います。
というか、それしか出来なかったのだけれど、気取るものも、隠すものも、つくろうものも何も無くて、
ありのままの自分でいたような…気がします。

いつの間にか、今年の夏も、消えて行ってしまいましたね…
季節は、夏から秋に、変わっています… ^^


かほさん

2008-09-14 | 

梨木香歩さんの書く世界がスキです。
図書館で借りてきたので、返却日にせかされたこともあり、自分にしては急いで…
(といっても10日ほどで) 2冊のかほさんを読み終わりました。

かほさんを一度読み始めると…終わるのが惜しいほど入り込んでしまいます。
作者と同じところに立って、作者の思いを共感したいと思います。

お手軽な文庫本は、ほとんど読み終わり、図書館で単行本を借りました。
今回借りたのは、
「沼地のある森を抜けて」 と 「丹生都比売(におつひめ)」 です。

いつも思うのですが、一度ページをめくると、並んだ言葉たちが、読む人を静かに
物語の内側へ、ページの内側へと誘います。

読み進むと…心が穏やかになっています。    なぜでしょうか。
かほさんを読んでいると、余計な思いが消えてゆきます。

生きるうえで、なにを思っていればいいのか。   …がわかってくるように思います。
なにが大切なのか…。

ぼんやりしていたものが、自分の気持ちの中で、はっきり掴めるようになってゆく気がします。
ゴツゴツしたたくさんの石ころの中に…
ほんの数個の、丸く滑らかな石があることに、気付かせてくれます。

気持ちの向くべき方向を、示してくれるような…。
こちらだよ、と
風見鶏を優しく撫でる風のような…

かほさんの言葉たち。です。

そのキモチ、どうすれば

2008-09-10 | 母のこと

子供の意思を尊重すること。子育てのとき、そんなことで悩んだ覚えがあります。
「こうしたい」、という子供の気持ちに対して、どうしたらそれを…思い治させることが、出来るのか。

子供の 「こうしたい」 を、受け入れてあげれば、子供は自分の思ように行動できて、その時は幸福なキモチになる。
幸福なキモチになっては欲しい。 やらせてみて、失敗で経験させる方法もある、でも…
「こうしたい」 ことを思いとどまらせなくてはならない。
その理由付けを…どうしたら納得させられるカタチで、子供に伝えられるか。

あるいは、私の説得の途中で、
あたかも子供が 「こうしたい、と思ってたけどそれは、間違ってたんだ」 と、自分で気がついた、
と思ってほしい…それにはどう話してゆけばいいか。

なんて…けして私が偉いのではない。
ただ、先に生きてきた、その数十年の経験においてだけ、私のほうが学習してきたノートの数が多くて。
そのノートの中から、探してみると、どうもそれは 「しないほうがいい」 って、思える。
経験をいろいろミックスして、調合してみた結果…そういう結論が出た。

…その程度のことです。    親は、自分の学習したノートだけを頼りに…
なんとか、良かれ、と思う方向を見出そうと、頭を悩ませるのだと思います。

ところで、人の意思を尊重する、ということ…
今朝、おばあちゃんは、また、ホームに行きたくないと…

デイホームに行く理由は? 
ヘルパーさんも、お医者様も、どなたもみな、おっしゃります。
「人にあうことで、頭の活性化。そして身体を動かすことで、少しでも長く、歩いていられる」

母の今日の理由は、
「まだトイレが終わっていない、いつ行きたくなるか、わからない」 とのこと。

……困りました。
今日は結局、デイホームのお迎えが来る頃には、着替えて、玄関の中の椅子に、座りました。
やはり、土曜日に、似たような理由で休んだので…今日も休みたい、と思ったのですね。

家にいたら、それこそ寝てばかりです。
身体も硬くなります…そして歩けなくなるでしょう…。
今はどうやら歩けるから、自分の好きなときに、好きなように行動できる…のですよね…。

車椅子は、どうしてもいやだ、という母のこと。
…やはり週二回、ホームには行ったほうがいいと、思うのです。
でも時々、私が根負けして、もう…母の好きなようにさせよう、と思うこともあります。

車から病院の玄関先まですら、歩くのを嫌がることもあるのですが、人目を気にして車椅子には乗りません。
母が嫌だ、と思うことを、無理やりにやらせたくは無いのですが…
うーん、どうしようかなぁ、と思います。

過去と今をつなぐもの

2008-09-02 | 暮らし

おばあちゃんのお薬のことを聞きたくて、近所のお医者さんに行きました。
お医者さんは、私が生まれたときからお世話になっている先生。なので、安心感があります…。

ここへ戻ってきて、自分の子供たちを連れて、そのお医者さんで…
再び診てもらうことになった時は、
時間がグルっと一回りしてしまったような、不思議な気持ちになりました。

…雨の日が続いて、今日はやっと一日、良いお天気となりました。
しかし、太陽が出れば、暑くて暑くて…まだまだ、夏は終わっていないのですね。

今日は母を連れてきていません。  会計は…母のほうの会計になりました。
お金を払うときに、先生といつも短い会話をします。

「…年寄りには、そういうこともあるから、ゆっくりゆっくり付き合ってあげて。」
…そうですよね、
…しかし、なかなか我慢のいることもあります。  …しかし、仕方ないことです。

白髪になった先生の言葉は、キュッとなった私の気持ちを、いつもゆるめてくれるようで…
自然にココロからの、お礼の言葉がでてしまうのです。

20年あまり、お留守にしていたこの町へ戻ってきてから…
過去と自分をつなぐものは、街の風景を除いては、あまりありませんが、
この医院を訪れると…
この街で生まれて育った自分と、今の自分との接点を、ほんの少し、見つけることが出来るように思います。