花ぐもり、という言葉が好きです。
花ぐもりの日、には、たくさんの思い出があるような気がします…
節目、ふしめや、それ以外にも、ちょっとした事を…幼い時からの…
幼い頃にはこんな日を、花ぐもりと呼ぶとは知りもせずいましたが。
母との久しぶりのお出かけ、どこかの大きな博物館のようなところ…そこへ向かう坂道を、登りきった植え込みに咲いていた「こぶし」の花か、「白木蓮」。
母はどっちだろう、と独り言を言っていたと思います。そしてはっきりと耳に残る言葉。
「曇り空のほうが、あの花は似合うね。白が浮き出るよう」
あの言葉は、幼い私に対してつぶやいたのだと思います。
そして私は、その言葉のとおりだと、今でも思っています。