長いこと間を開けてしまいました、留守ばかりしていて、本当にごめんなさい!
子供が友達に借りてきた漫画…うん、なになに…「よつばと!」って、「と!」ってなに?四羽の鳩さんかと思いながら読み始めた…。よつばちゃんという女の子のまわりの平凡な?毎日が淡々と綴られている。「平凡な?」と書いたのは、読んでいくうち、よつばちゃんはあんまり平凡な訳ではないのかも知れない…と感じ始めたからです。
それが何故だか漫画の中では、時は静かに…波のない海のように静かに流れていくのです。どうしてなんだろう?本当は、よつばちゃんの日々の発見や心の葛藤は激しいはずだし、大人たちも元気いっぱい暮らしている。なのに、なんだか物悲しささえ感じるこの静けさはなぜだろう。
次々やってくる毎日を綴りながらも、この作者さんは、日々の生活の中から「何か」をすうっと抜き取ってしまった気がする。あるいは「何か」をわざと書こうとしていない。だからこの漫画には静けさがある気がする。じゃあ魔法のように消されたものは…それはなんだろう。そして、その引き算?の結果、物足りなさを感じさせるのではなく、かえって私には、懐かしさや、いとおしさすら感じさせるのです。
そう、作者さんが日常生活から抜き取ってしまった「何か」って…?「ないほうがラク」なものなのかもしれない。あると苦しいものなのかも…だけど実際の生活にはついてまわる「灰汁」のようなものなのかもしれないです。
よつばと!の世界は、実際に私たちにやってくる毎日、毎朝からほんの少しの間だけ、安らぎの風だけが吹く世界へと、連れて行ってくれます。…もう8月も終わりです。よつばちゃんととーちゃんは「つくつくぼうし」が、鳴いて夏を終わらせるんだって言っていました…。