leaf*

ナツノの日常のことを書いています。
しばらくの間コメントお休みさせてくださいね…by ナツノ

月の砂漠

2009-08-27 | 母のこと
広く建替えた部分は、新しい大きな病院ですが
今日行った検査棟は、古い建物の部分で、初めて行くところ。

エレベーターを出て左側の、
いつもは素通りする、渡り廊下を進んで右に曲がると、

明かりも急に少なくなり、薄暗い廊下が長く続いていました。

なんだか、心細い気分になる静かな廊下を、母を連れて歩くと、
その先にポツリと検査室の扉がありました。

ガラス張りの中を覗くと、
中はまあ普通に明るく、誰もいない空間に、テレビだけがついています。

今日は注射してから検査、そのあと2時間空けて、また検査です。

2時間は、メインの待合室に戻り待つことに…
クーラーの比較的届かない、外に面したガラス張り近くのソファで、
母を横にならせます。

母は検査のため朝から水だけなので、私は、母から見えない方に座り、
ヨーグルトを飲みました。

しばらく、付け忘れの手帖に書き込みしていると、
どこからか、低い鼻歌が聞こえました。

小さく、でもきれいな音です。
メロディをたどりながら聞いていると、すぐに、わかりました。

月の砂漠でした。

斜め後ろの老齢のご婦人でした。 なんで月の砂漠なんだろう、
最近聴いたのかしら?
それとも好きな歌でいつも聞いているのかしら?

こんなところで月の砂漠…

私は頭をあげて、
前面のガラスの向こうに広がる、まぶしい曇り空をながめています。

まだ次の検査まで1時間以上。

誰をともなく、なぐさめるかのように、
待合室のすみっこから、優しく中央へ向けてゆっくりと
月の砂漠のメロディは、流れてゆきました。

お昼過ぎに会計を終え、外を見ると、これから降り出しそうな雲行き。

母をせかして車まで歩き、安全運転しつつ急いで家へもどり、
玄関を入った頃には、ぽつぽつ降り出しました。

洗濯をとり込み、ヤレヤレ一息ついたら、ザァー! っと本降りが。
ふう、と窓から外を眺めて、冷たいお茶を飲みました。



その後のバラのお嬢さん

2009-08-16 | × ステッチ × 手芸 ×

クロスステッチのバラのお嬢さんは、
延々と… バックステッチをしています。

バックステッチは、キライではないです。
刺すほどに…
刺繍したもののカタチが、際立っていくのが、楽しいです。

バックステッチしなしでも、ステキなものもありますネ。

バックステッチの入れ方は、
デザイナーの方の感性、なのでしょうネ。

そしてバックステッチのあとは、ビーズつけです。
すべての終了は、8月末か、9月中、という感じでしょうか。

次は何をステッチしよう、
今から針を動かしながら、あれこれ考えたりします。

クロスステッチをはじめてから、
まだ、1年経っていませんが、今、楽しいです。

…二十歳前、
米山京子さんのお人形に魅かれて…
母と一緒に、何体もお人形を作りました。

あとは少しずつ、あみものやパッチワーク。

子育て中は、
必要に迫られて、ミシンを購入。
子供たちの幼稚園の小物や、遊び服、寝巻きつくり。

子供の手がある程度離れたら、またパッチワーク…
中途半端に、気の向くまま…
なので、
やりかけのものが、たくさん残っています。

…で、おととしの秋、初のかぎ針編みに挑戦し… 撃沈。 vv

モチーフ編みで、
大きめのひざかけが作りたかったのですが… vv

いつかまた、挑戦したいです。

何か、ないかなぁ…
そんな時、お友達と見かけた、
表参道のチイサナ展示会で、出会ったのがクロスステッチ。 

さっそく初心者向け、という、
葉書サイズのビオラを刺してみました。

それがまた楽しくて。 ^^

続けて同じシリーズで、ゼラニウムを。
こちらもまたまた楽しくて…。

キレイな糸をながめつつ、
細かいチャートをながめつつ…

頭痛、肩こり、目の奥の痛みと折り合いながら…
わずかな時間、クロスステッチしています。

あの日、
表参道での展示会に立ち寄らなければ…

大げさですけれど、
あれはヒトツの、出会いだったのかも、ナンテ思います。


≪ 画像 / Rose Lady ≫

リハビリ

2009-08-06 | 母のこと

8月に入ってから、
リハビリのかたが来てくださることになりました。

今までは… 看護婦さんが来てくださっていたのですが。

身体の動きにくさが増していたので…
リハビリのかたに変わることになりました。

初めのころ、母は、からだがビリビリする。 と。
終わった後、言っていましたけれど、

今日は…
終わった後、背筋がよく曲がるようになり、おじぎの角度が、深くなりました。

本人も、ウレシイみたい…

リハビリのかたは、小柄な女性の方で、
母の言葉に、うん、うん、と、うなずきながら、

ほんとうに丁寧に、母の体をマッサージしてくださいます。

やはり硬くなってきているようですが、
下を向いたり、足を組んで、靴下をはけるようにと、

いろいろ看てくださるので、
リハビリは、しんどい部分もあるようですが、

生活に変化も出るし、
なにより、動きの幅がひろがることが、
意欲をアップさせることにつながるので… 大切なことですよね。

母にとって、
たとえそれが気の進まないことだったとしても、

少しでも元気で過ごすためならば、
多少、我慢してもらわなくてはならないことも、あるのかな、と思います。

でもその、我慢してもらう、ことがどこまでなのか。
苦行を強いるような心持ち、になると、こちらとしてもツライものです。

なるべくなら、
母が 「心地よい」、と思える状態でいてもらいたい、でも、
そうもいかないこともあります。

その辺の 「線引き」 が、私の中で、出来ない事もあり、
そのときは、
なんともフクザツな気持ちになることがあります。




川上弘美さんのエッセイ

2009-08-03 | 
女性の作家さんのエッセイが好きです。

本屋さんで、好きな作家さんのエッセイが出ていると、
つい、手にとってしまいます。

エッセイには、
その人の生活やら、感覚やらが、にじみ出ているような気がします。

はじめて、川上弘美さんのエッセイを
お友達から借りて、読みました。

数行… 読み始めて、

ムムッ これは。

読み進むほどに、ムネが、ドキドキわくわくしてきます。

うんうんうん…

と、
自分の中の感覚が、シッポをフリフリしています。

いつのまにか、
顔が… にんまり、しています。

こんな空気、こんな感じ方、捉え方…。

なんだか、馴染める。

心地よい… 波長が似ているようだ…

そう思えるエッセイを読む時間は、とても楽しいです。

もっと読んでみたい、と思い、
折よく、
書店に並んでいた川上さんの新しいエッセイ (文庫本) を
購入し…

あっという間に読んでしまいました。

そういう時って、
読む、というよりも、なんというか、

目から流し込む…

というような、せっかちな感じ、です。 ^^
 
もっとこの人の文章に触れたい、そう思いました。