シェ・イリエのお気に召すまま

旭川にある自然派フランス菓子店シェ・イリエの店主の独り言を綴っていきます。よかったら、お付き合い下さい。

最近読んだ本

2005-04-22 20:08:11 | 近況報告
旭川ミステリー倶楽部というミステリー小説(エンターテイメント部門も含めて)を読む会に入っています。最近読んだ3冊。
「灰色の北壁」真保裕一 
表題ほか2編の中編で、私にとっては夢枕漠の「神々の山嶺」以来久しぶりの山岳ミステリー小説で、楽しめましたが、やはり「ホワイトアウト」を超えるのはたいへんです。が相変わらず、取材力はさすが
「果てしなき渇き」深町秋生
第三回『このミス』大賞受賞作 初期のエルロイを思わせる和の情念、失踪した娘を捜し求める元刑事が主人公(ハードボイルドだなぁ)だが、なかなか表に出てこない娘の存在感が巧みで、著者が30歳とは驚きかつ楽しみ。
「むこうだんばら亭」乙川優三郎、
いつも優しい時代小説作家と思いきや、哀しみ、潔くしたたかに生きる行き場のない男女を描いた8編の連作。山本周五郎のようでいてやはり、著者らしく読後はつきぬけたすがしさ。
きせずして、短編、中編、長編の三冊のご紹介でした。