突然の雪

外に出るとあっという間に白い世界が出来上がっていた。

セラヴィの前の坂もまっしろ

足跡をつけることがもったい。

 

外に出る。

目が馴染むまでに時間がかかる。

白で塗り替えられた見慣れた景色は

脳が理解するまでの少し時間がかかる。

この小さな戸惑いが好き。

肩の上にも

頭にも雪が積もる。

この色

この空気

どこかに迷い込んだような

不思議な感じがとても好き。

 

音もなく静か過ぎる静かさ。

雪が舞う。

白い世界に白い雪が舞う。

音なき音をたてて舞う。

 

次から次から空からやってくる雪たち

真っ白ではなく

太陽の光のないせいだろう。

少し灰色のような

明るいというよりは

どんよりと白い世界。

 

雪のおと

しんしん積もる雪のおと

おとなきおとの

この雪のおとが好き。

 

 

 

 

 

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