矢柳剛
Journal des Animaux
皆川博子さんの
『倒立する塔の殺人』を読みました。
この方は私が新作本が
店頭に並ぶと必ず手に取ってしまう
作家の1人であります。
いわゆる女学校ものの
お約束?
『お姉様』世界がやんわりと
描かれる土台は
空襲の中を逃げまどい
誰もが家族を失い
それでもお国の為にと
学徒勤労動員として
叱咤され
空腹を抱え働く
生と死が隣り合わせた
学生生活
それでも少女達は
『美しき青きドナウ』を口ずさみ
手を取り合ってワルツを踊る・・・
空襲警報が響く中で
その過酷で毅然とした
日常の背後に
更なる闇
回し書き継がれた
『倒立する塔の殺人』