cahors日記

美味しいものを求めて東へ西へ

サヴォアチーズ 山口潮久さんの講座

2011-11-30 | チーズ
先日、梶田さんのチーズ講座に行ってきました。




フランスのサヴォア地方でチーズ職人として活躍されている山口潮久さんの特別セミナー




渡仏してチーズの世界に携わっている方のお話を聞けるということで

興味津々で参加しました~




北海道での3か月半の酪農研修を経て渡仏された山口さん。

3年間のフランス語留学の後、ボーフォール生産に携わられ

熟成士としても経験されるも、2005年に一旦帰国。

そして2006年に再度、渡仏。

サヴォアのENILVという乳製品学校で勉強され、卒業と同時にVanoiseに就職。

ここでは主にBleu de Bonnevalやボーフォールの生産と熟成を。

2009年にFruitiere du Mont Cheryに転職され、現在に至ります。




これは山口さんが一か月半だけ携わられたボーフォール生産場所。

Vanoise国立公園で牛が放牧されてます。

牛さん、ストレスフリーでしょう、きっと。



サヴォアの地図と照らし合わせながら。。





ここが山口さんが現在勤めているFruitiere du Mont Chery。

レマン湖からほど近く、スイスとイタリアの国境もすぐそこ。

春~秋は風光明媚な景色を目的とした観光客で

冬は一大スキーリゾートとして常に賑やかな場所だそう。

チーズ工房の傍らレストラン、売店を敷設しており

レストランは夏と冬の夜のみの営業。

ここで造られるチーズを中心としたサヴォア料理が楽しめます




これが工房自慢の100年以上も使っている銅釜。

窯の底は丸くなっており、一度に最大1200リットルのミルクが入るけど

実際には1日約200リットルのミルクしか使わない小規模生産。



美味しいチーズの3大要素は、「牛」と「銅窯」と「熟成」。



その中でもサヴォアチーズの要となってるのが

この3種類の牛たち。



サヴォア地方を代表する牛種、アボンダンス種。

足腰が丈夫で高地に適している。アボンダンスは“豊か”という意味も。



タランテーズ種。




モンベリアール種。

ジュラ地方にも多くいてコンテやモンドールもこの牛さん。

乳量が多く性格が温厚で飼いやすいのも特徴。




独立心が強いといわれるサヴォアの方たちは

これらの牛種に並々ならぬこだわりをもっていて

他の牛種の参入を防ぐことで地方色を活性化し

そしてマイナー種を保護する意味も。

でないと乳量が多いホルスタイン種一辺倒になってしまう。



そのほか、サヴォア地方でチーズ造りが盛んなわけや

サヴォア地方の特徴、サイレージの禁止など

実際に現地でチーズ造りに携わっている山口さんだからこその

熱いお話を聞くことができました。




これはアボンダンスを型入れするときに使う布。




カゼインマーク。



 



そしてお楽しみの試食タイム

右上から時計回りに

・ルブローション・ド・サヴォアAOP

・トメット・ド・シェーブル

・アボンダンスAOP(山口さん持参)

・ボーフォール ダルパージュAOP

・トム(山口さん持参)

・トム・オ・マール・ド・レザン(山口さん持参)





ルブローション・ド・サヴォアAOP

もっちり、むっちり。



トメット・ド・シェーブル

ヤギのハード系は珍しいけど熟成とともにヤギ特有の酸味が和らいで濃厚。



アボンダンスAOP(山口さん持参)

3月末に造ったもので約8か月熟成。

アボンダンスの美味しさをしみじみ感じました。



ボーフォール ダルパージュAOP

栗に蜂蜜をかけたような甘みも感じる。ほくほく。



アルパージュものは黄色が濃い。




トム(山口さん持参)

表面の菌を残しながら厚いカビの皮をつくる。

素朴で優しい味わい。




トム・オ・マール・ド・レザン(山口さん持参)

チーズ自体は5月末に造って一旦熟成し

9月後半にブドウのかすを付けてさらに熟成。

納豆みたいな強い香りも感じつつ、個性的な味。




ワインはサヴォアでお馴染みのルーセット・ド・サヴォワ。

ドライでサヴォアチーズにぴったり。





サヴォアチーズの美味しさを改めて実感することができました





いただいたアボンダンスステッカーはPCに♪





(2011/11/12)

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