20120418 第9回 国会事故調(東京電力福島原子力発電所事故調査委員会)
{YOUTUBE動画は削除されているようです。国会事故調の報告サイトには文書も動画も保存してあり公開されていますからこちらからご覧ください}
国会事故調が「YOUTUBE」で報告されています。 委員会のすべてが録画されているので長時間におよぶものですが、これをみると参考人や政府を含めた関係団体・組織の考え方がよく見える。 この第9回は安全保安院のトップ深野氏の参考人質疑です。
驚くべきことは、福島原発の事故後においても彼らは相変わらず地域住民や国民の安全などは蚊帳の外に置かれているという現実です。
福島原発事故を受けて保安院が出した30項目の技術的知見は事故の原因を津波に限定したばかりでなくその内容には今度の事故で住民被曝を拡大した避難対応、役に立たなかったオフサイトセンターなど肝心な対策はいずれやるという態度です。
「多重防護は設備面で何重にも対策する」という深野氏の発言には唖然としてしまった。 事故前と同じじゃんと思ったのはわたしだけではないでしょう。
政府は4閣僚でこの不十分な30項目の技術的知見をさらに15項目まで減らして原発の再稼動を容認しようというのだからあきれてしまう。
武田教授が何度も言っているように「この国には原発事故から国民を守る組織などはないですよ。」 ということを改めて納得してしまう。
中越沖地震を機に出された耐震バックチェック調査はいまだに終了しておらず、福島原発も実施されていなかった。 想定外の地震が発生した知見も形だけの指導だけに終っている。 結局耐震に関しては日本では数十年前の規準で運用されているのです。
事故の対応でアメリカのロボットを借りて建屋の内部の撮影をしたという記事を以前に書きましたが、あれだってロボット工学、技術では世界トップクラスの日本だったはずです。 案の定日本でも数十億円の血税を費やして作業ロボットを開発していたのですが、電力側は、必要ない、役に立たないと切り捨てせっかく開発した数台のロボットは大学の研究用に1台残されただけですべて処分されてしまいました。
チェルノブイリの事故の時には炉の形式が違う、人為事故だとしてあの時に原発事故は数百キロに及ぶ汚染地帯が発生すること、数十万から100万人にも及ぶ避難が必要になる可能性があることなどは全く無視されたし、9・11の米国のテロ後にアメリカは原発のテロ対策として全電源喪失の対策、操作訓練などを日本にも警告していたのにこれも全く無視されたのです。 その結果事故当時の運転員は真っ暗なコントロールルームで分厚いマニュアルを探るような羽目になったのでした。 アメリカでは手動での弁の操作などまで訓練されていたのに日本ではそのメカニズムさえマニュアルだよりのお寒い状況だったのです。
いよいよ大飯原発の再稼動が現実的になっていますが、福島原発事故で司令塔となった免震棟もない、オフサイトセンターも改善されていない、すぐに出来る項目だけに絞った4閣僚規準だけで、明日にも起こるかもしれない大地震に原発は耐えられるとはとても思えません。 福島原発の事故の検証もままならない中見切り発車してまた福島の悲劇を繰り返すのでしょうか。
国会事故調の参考人である関係者の発言からは国民の生命・安全を預かっているんだという責任感がまったく感じられません。 黒川委員長も安全保安院院長の深野氏にたいして「あなたが規制当局の最高責任者なんですからね」と強くたしなめた言葉が印象にのこりました。
{YOUTUBE動画は削除されているようです。国会事故調の報告サイトには文書も動画も保存してあり公開されていますからこちらからご覧ください}
国会事故調が「YOUTUBE」で報告されています。 委員会のすべてが録画されているので長時間におよぶものですが、これをみると参考人や政府を含めた関係団体・組織の考え方がよく見える。 この第9回は安全保安院のトップ深野氏の参考人質疑です。
驚くべきことは、福島原発の事故後においても彼らは相変わらず地域住民や国民の安全などは蚊帳の外に置かれているという現実です。
福島原発事故を受けて保安院が出した30項目の技術的知見は事故の原因を津波に限定したばかりでなくその内容には今度の事故で住民被曝を拡大した避難対応、役に立たなかったオフサイトセンターなど肝心な対策はいずれやるという態度です。
「多重防護は設備面で何重にも対策する」という深野氏の発言には唖然としてしまった。 事故前と同じじゃんと思ったのはわたしだけではないでしょう。
政府は4閣僚でこの不十分な30項目の技術的知見をさらに15項目まで減らして原発の再稼動を容認しようというのだからあきれてしまう。
武田教授が何度も言っているように「この国には原発事故から国民を守る組織などはないですよ。」 ということを改めて納得してしまう。
中越沖地震を機に出された耐震バックチェック調査はいまだに終了しておらず、福島原発も実施されていなかった。 想定外の地震が発生した知見も形だけの指導だけに終っている。 結局耐震に関しては日本では数十年前の規準で運用されているのです。
事故の対応でアメリカのロボットを借りて建屋の内部の撮影をしたという記事を以前に書きましたが、あれだってロボット工学、技術では世界トップクラスの日本だったはずです。 案の定日本でも数十億円の血税を費やして作業ロボットを開発していたのですが、電力側は、必要ない、役に立たないと切り捨てせっかく開発した数台のロボットは大学の研究用に1台残されただけですべて処分されてしまいました。
チェルノブイリの事故の時には炉の形式が違う、人為事故だとしてあの時に原発事故は数百キロに及ぶ汚染地帯が発生すること、数十万から100万人にも及ぶ避難が必要になる可能性があることなどは全く無視されたし、9・11の米国のテロ後にアメリカは原発のテロ対策として全電源喪失の対策、操作訓練などを日本にも警告していたのにこれも全く無視されたのです。 その結果事故当時の運転員は真っ暗なコントロールルームで分厚いマニュアルを探るような羽目になったのでした。 アメリカでは手動での弁の操作などまで訓練されていたのに日本ではそのメカニズムさえマニュアルだよりのお寒い状況だったのです。
いよいよ大飯原発の再稼動が現実的になっていますが、福島原発事故で司令塔となった免震棟もない、オフサイトセンターも改善されていない、すぐに出来る項目だけに絞った4閣僚規準だけで、明日にも起こるかもしれない大地震に原発は耐えられるとはとても思えません。 福島原発の事故の検証もままならない中見切り発車してまた福島の悲劇を繰り返すのでしょうか。
国会事故調の参考人である関係者の発言からは国民の生命・安全を預かっているんだという責任感がまったく感じられません。 黒川委員長も安全保安院院長の深野氏にたいして「あなたが規制当局の最高責任者なんですからね」と強くたしなめた言葉が印象にのこりました。