無精髭

無精者の日記です

SPEEDIを役立たずにしたのは誰だ! あきれたSPEEDIおろし

2014-08-25 22:32:57 | 日記


SPEEDI がお払箱にされようとしています。  
SPEEDIは放射能を放出するような原発事故が起きた場合に住民の安全な避難に役立てようと120億円もの開発、設置費用を投入し、年間約5億円の維持費をかけて文科省が運用してきたものです。

 ところがこんどは金くい虫で役に立たないと予算を減らし、事故が起きたら計算できる程度に格下げしようというのです。  しかし待ってください、そもそもSPEEDIは避難に必要な放射能拡散予想地図を正確に吐き出していました。 役立たずにしたのは原子力安全保安院や政府だったではありませんか? 東京新聞は下記のような記事を掲載しています。

 『SPEEDI予測「公表できない」 文科省文書に記載』 2012年3月3日 東京新聞

「東京電力福島第1原発事故5日目の昨年3月15日、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による放射性物質の拡散予測について、当時の高木義明文部科学相ら政務三役や文科省幹部が協議し「一般にはとても公表できない内容と判断」と記した内部文書が作成されていたことが2日、同省関係者への取材で分かった。

文科省は「事務方が作ったメモだが不正確。公表の具体的な判断はしなかった」と内容を一部否定している。

事故直後のSPEEDIの試算公表をめぐる文科省の議事録などは公表されていなかった。(共同)」

 たしかにSPEEDIは文科省の天下り組織の財団法人原子力安全技術センターによる税金の無駄使いという側面があります。
が、福島第一原発の大事故によってその重要性は格段に上がったはずです。  全国に散らばる原発の避難区域の設定や避難計画の策定に大きな威力を発揮しています。  皮肉にも役に立ってきたことが為政者の邪魔になって葬り去られようとしているのではと邪推してしまいます。

 金食い虫の現状を改善することは必要なことですが、為政者の都合で大金を投じたシステムが最も働いてもらいたいときに葬られるというのは納得できるものではありません。
SPEEDIの代替えとして「原発30キロ圏内の実測システムの強化」が言われていますが、これは原発事故の教訓をないがしろにするものです。 事故で発生した放射性プルームは東京や静岡、岩手まで流れていたし、米軍は当初原発から100km先に避難し、後に120kmまで避難したのです。 30kmの範囲で放射能を実測したところで安全な避難地域を予想することは不可能です。 汚染されてから正確なデータが出たところで、それでなくとも時間がかかる避難に役立つはずもありません。 SPEEDIでは実際の線量が分からないので避難の判断がつかずたんなる「風向計」だとするのは詭弁です。  原子炉からどれだけの放射能は放出されたかのデータが得られず、地域ごとの放射線量を予想できなかったことは事実ですが、少なくともどこにどのように拡散するかを正確に割り出しており、これが当初から公表されていれば避難民の被曝を最低限に抑え避難場所の設定も速やかに定めることができたでしょう。  

 さらに正確な放射線量も、実測されたいくつかの数値から逆算すればほぼ実測に近いデータを推測できるはずですし、そういう予測シュミレーションこそコンピュータのもっとも得意とする部門です。 安易に切り捨てるべきシステムと烙印を押すのはさらに検討を深めたうえで決めるべきものではないでしょうか。  原子力規制委員会の人事や放射能監視システムまで政府の都合のいいように変えられてはたまりません。

 SPEEDIのデータが公開されています。  



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