福島第一原発1号機建屋の除染が進んで少しずつ作業が出来るようになったら恐ろしい事実がまたひとつ明らかになりました。
それは圧力容器内の燃料棒が100%露出した上に水位が更にその下1.0mだというのです。 もちろん露出した燃料棒の被覆容器は壊れてしまっているので燃料は圧力容器の下のほうに落ちているだろうという東電の発表です。
1号機は原子炉圧力容器ごと水に浸して冷却しようと1日に150tもの大量の水を連日注入したにもかかわらず水位があがらず、水位計を修理した結果このような事実が判明しました。
原子炉圧力容器に穴が開いて(炉心溶融によって圧力容器の一部が溶けて穴が開いた?)漏れた水で原子炉格納容器に水を満たして圧力容器ごと冷やしてしまおうという計画だったのですが、どうやら格納容器もすでに壊れてしまっているようです。
これまで東電および御用学者といわれる原発推進派の学者は格納容器が壊れる確率は地球に巨大な彗星が衝突し地球が絶滅する確率より小さいなどと嘯いていたのです。 それが1号機、2号機とも破損していたのですから驚いてしまいます。 日本の科学技術の粋を集めたはずの原子炉の安全性がいとも簡単に崩れてしまっていいのでしょうか。 最悪日本全体を危機的状況に追い込むような巨大な危険物を扱いながら、科学者の良心をすてひたすら権力と電力に奉仕してきて、いまさらごめんなさいではすまないはずです。
これまで1号機は圧力容器の温度、放射線量が落ち着かずに上下を繰り返していました。
3月25日には京大の小出助教は大量のCL38の検出などから再臨界の可能性を示唆していましたし、米国原子力規制委員会も原子炉のメルトダウン・水素爆発などの可能性について助言し窒素封入などの対策進言したと米国のマスコミは伝えていました。 4月8日にも原子炉格納容器内の放射線量が前日までの40Sv/hから100Sv/hに跳ね上がりました。 温度・圧力とも上がっていたので、再臨界が強く疑われたのですが、原子力安全保安院は計器の故障ということでかたずけてしまいましたが、おそらくこの時には燃料棒の完全露出や燃料棒の溶融が進んでいたのでしょう。
何とか制圧に向け順調に進み始めたかに見えた1号機がまたまた大きな難問にぶつかってしまったことは間違いありません。 このまま延々と放射能に汚染された大量の冷却水で海や地下水を汚し続けなければならないのかと思うとぞっとします。 被曝しながら奮闘している現場人々の働きをムダにしないように最悪のシナリオを想定した対策と正確な情報の公開が必要です。