無精髭

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「原発メルトダウン危機の88時間」 長崎原爆投下71回目の記念日に

2016-08-10 08:32:12 | 日記

原発メルトダウン 危機の88時間

 

 8月9日長崎で原爆投下71年目の平和記念式典が開催されました。 広島の原爆はウラン型で50kg、長崎はプルトニウム型で6kgと言われています。 まき散らされた放射能によって草も生えないだろうといわれたのですが、その後復興し人も住めるようになりました。 その理由は原爆を地上でなく上空で爆発させたため、広い範囲にわたって熱線、放射線、爆風による甚大な被害を発生させましたが、放射能そのものは多く大気圏に拡散し、世界中を汚染したといわれています。

 福島第一原発事故では水蒸気爆発など格納容器を大規模に破壊し内部の核燃料そのものを環境に放出する最悪の事態は免れ、気化性の放射性ガスの放出にとどまりました。
といっても放出されたヨウ素やセシウムガスの量は膨大で天文学的数値でした。 

 前代未聞の大事故がどのように発生し、原発事故に直面した作業員や東電職員がどんな状況に置かれどんな行動をとったのかを的確にまとめられたビデオがこのNHKが制作した「原発メルトダウン 危機の88時間」です。 改めてこのビデオをみて私たち住民を含め日本全体が大変な危機的状況に置かれていたのかを思うとゾッとします。
再稼働を進めている政府や電力各社は本当にこの事故の全容を分析し理解しているのでしょうか。 事故現場では常に死を覚悟の作業と向き合っていたのです。 吉田所長は危機的状況の中で「東北壊滅」を意識していましたし、最悪の状況の中で「死と隣り合わせの特攻作業をお願いし」、「自分と一緒に死ぬのはどいつだ」と最後まで残る者を探していたのです。 この近代日本で起きた極限の事故、死を覚悟の作業、何故か孤立無援の福島第一。 これらの基本的な問題に一切触れないままでの再稼働の大号令には驚くほかありません。 原子力規制委員会の審査はなんと事故が起きた場合のことは一切審査しないのです。 再稼働した川内原発を抱える鹿児島県で原発停止を掲げた三反園氏が勝利したのもうなずけます。 大地震が頻発し、原発のすぐそばの沖合にに大きな地震断層があるのに政府はそしらぬ顔です。 熊本地震では被災しても屋外に避難するほかありませんでした。 交通手段も寸断され避難対策が大変困難な状態にあることが改めてはっきりしたのです。 もし原発事故が起きたら避難もできない、屋内待機さえできないことになるのです。 原発事故の避難対策を任せられた自治体はわずか3Km圏内だけの計画を作ったのみです。 それ以上は現実的に無理との判断なのでしょう。 現に福島では30kmをこえる避難地域となったにもかかわらず現実に目を背け、住民を危険にさらすことがこのビデオをみてもできるのでしょうか。

 8か月間事故を指揮し、食道がんで亡くなった吉田所長はのちに「あんなすさまじい状況だんたんですけどね、微妙なところで天の助けがないとね、もっと酷いことになってた。」と言い残しています。 微妙なところの幸運があって日本は壊滅的な被害をまぬがれたのです。 

 

    原発は危険な断層のそばに立地している

 


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